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2022年8月24日 (水)

日本のポスドク事情

   

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今朝のテレビで珍しく大学の論文数の話とか取り上げていて、

注目度の高い論文数では、情けないことに韓国やスペインにも抜かれ、

今や12位とか。

     

こうなったら笑いますね。

科学技術立国なんて、本当に昔の話になりました。

    

その原因を番組で探ってるわけですけど、

これがズレてるんですよ。

     

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そもそも、

ディレクターが理解してないのか、

何らかのストーリーを意図的に作りたいのか。

  

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東京大学で潤沢な研究費で研究されてた研究者に、

何が問題か聞いても、

本質は理解できないです。

   

大体、

文科省から配分される運営交付金って、

人件費など大学の基礎代謝に使われて、

教員の研究として配られるのは、

一人当たり年間数十万円で、

切手代とか電話代にしかならなくて、

そもそも研究費としては考えてないわけです。

  

それよりも、

交付金を毎年減らしたせいで、

技術員や教員を減らすことになって、

各教員の負担が増え、

しかも最近では稼げ、

とか外部資金をとって自立せよ見たいなことを文科省から言われるので、

雑用が増えて、

しかも企業受けする応用研究しかできなくなるわけです。

    

追い打ちをかけるように、

選択と集中で旧帝大にばかり大型の予算をつけるので、

地方大学は火の車状態なんですね。

    

だから、

大谷翔平のようなスーパースターは、

地方大では育たないわけです。

  

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それから、

ポスドクですけど、

これがまたズレまくりです。

     

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そもそも、

アメリカでは博士号取得したら、

アカデミアに残りたければ、ポスドクで2〜3年修行します。

これって修行ですからね、

しかも、給料は企業の研究者より低いです。

        

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もちろん、任期付です。

パフォーマンス悪ければ、年度の途中でもクビでしょう。

アメリカでは、昔から今でも、日本よりポスドクに対して厳しいですし、

それくらい厳しい道と知りつつも、好きな研究の道を選び、教員のポジションを目指してるわけです。

  

来年度どうなるのか不安な中、研究を進めるのがつらかった

なんて、泣き言言うようなポスドクは本場アメリカにはいないでしょう。

こう言う人は早くダメと諦めて、ベンチャーでも企業にでも転職するのがするべきです。

       

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若手研究者が自立して研究でき、

成果が認められれば、安定した雇用が得られるような制度を普及させてほしい、

って

この人甘すぎでしょ。

安定が欲しけりゃ、就職しろ、

ですよ。

      

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この人のように、能力のない人はキッパリ諦めて、

就職すべきなんですね。

ずるずるとプロジェクト渡りをしたり、できたりしてしまう制度が、

そもそもぬるま湯なんですよ。

        

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で、この人、

月給20万円が安いって、

ポスドクはあくまで修行中の身ですよ。

 

自分で研究費を獲得もせず、ボスが苦労してとってきてくれて、

助教や准教授のような雑用もなく、

好きな研究に没頭できるわけです。

20万で不満なら、どうぞどうぞ就職してください、

ですね、アメリカでは。

   

とにかく、

せっかくこういう研究費とかポスドクみたいな重要な問題を取り上げるんなら、

もっと真面目に議論して、世論にまでして欲しいですね。

私ならいくらでも取材に応じますし、

日本とアメリカの違いとか、

ミスター地方大学としてこの国の問題を教えてあげますから。

  

  

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