ポスドク事情その2
昨日の続きです。
中国からの論文数がうなぎ登りなのは、
この図にあるように、博士課程の学生が20年で6倍にも増え、
ということは、国家として支出する研究費も何倍にも増え、
学生数だけじゃなく、
優秀な教員も外国から中国に帰るし、
外国人も招聘するしで、
とにかく勢いが日本とは違います。
しかも、
NatureやScienceなどの超一流雑誌に論文が掲載されると100万円の報奨金がもらえるとかのインセンティブもあったりして、
若い人たちは必死で研究に打ち込んでます。
だから、中国に負けるのはしょうがないとして、
韓国やスペインにも論文数で負けてるって、マジでやばくないですか?
これは文科省のこれまでの方針が間違っていたということを証明していて、
それを正そうとしないから、
ズルズルと日本の科学力が落ちたわけです。
私からの提案として、
1 運営交付金を減らすことはやめて、10%増とする。
2 大型プロジェクトはほどほどにして、ERATOのような個人プレイ的中規模プロジェクトを旧帝大/地方大の分け隔てなく数多く実施する。
たったこれだけのことで、日本の論文数は飛躍的に多くなるでしょう。
そもそも、
国立大学を法人化して運営交付金を減らし続けるなんて、地方大学潰しを始めた頃からおかしくなり、
法人化すること自体は悪いとは思いませんが、その目的が公務員の数を減らすという時の政権の方針だったわけで、
国立大学が政治の道具にされたわけです。
しかも、
大学院重点化でどこの大学にも博士後期課程が設置されて、
博士を量産し続けた挙句、レベルが伴わず、今のような事態に陥ったわけです。
今では稼ぐ大学を目指せということで、
さらに基礎研究はできなくなるし、
口を開ければ社会実装、社会実装って、
最近では大学発ベンチャーブームでしょうか。
日本の大学って、ノーベル賞を目指す若手研究者にとって、
ほんとに魅力がありません。
マスコミには、そういう黒歴史まできちんと学び、議論して、報道して欲しいんですね。
ごく少数のダメダメなポスドクの愚痴や、研究費に不自由したことない旧帝大の教授の話を垂れ流してるだけじゃあ、
マスコミの存在価値はまったくありません。
地上波のテレビ番組って、
ますます必要ないように思えてきました。
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