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2013年1月

2013年1月31日 (木)

センターofイノベーション

 
 
山形新聞から:
 
山形大などの有機EL研究に補助 13年度予算案決定

20130130

政府は29日の臨時閣議で、2013年度政府予算案を決定した。一般会計の総額は926115億円と過去最大級。13兆円を超える12年度補正予算案を合わせた「15カ月予算」は、100兆円を上回る規模になった。山形県関係では研究者の集積、人材育成に対する文部科学省の補助事業「地域イノベーション戦略支援プログラム」で、有機EL(エレクトロルミネッセンス)の先進技術開発と実用化を目指し山形大などが推進する「有機エレクトロニクスイノベーション戦略」が201112年度に続き補助対象になる見込みとなった。事業費は約54億円で、割当額は予算成立後に示される。

 有機ELの応用研究、事業化支援などを担う「有機エレクトロニクスイノベーションセンター(仮称)」(米沢市)を中核とした戦略で、これまで山形大が計3900万円、県産業技術振興機構が計11200万円の助成を受けている。文科省産業連携・地域支援課は「13年度も同規模の補助が想定される」としている。

農林水産省関係は、基幹水利施設の長寿命化を図る国営施設機能保全事業で「村山北部地区」(尾花沢市、大石田町)を新規事業化。農業用水を供給する新鶴子ダム(尾花沢市)などの施設を補修する。鶴岡市大網の七五三掛(しめかけ)地区で09年に起きた大規模地滑り災害に伴う恒久対策事業「庄内あさひ地区」のほか、国営かんがい排水事業で06年度着工の「米沢平野二期」(米沢市、南陽市、高畠町、川西町)、10年度着工の「赤川二期」(鶴岡市、酒田市、三川町)がそれぞれ継続事業として盛り込まれた。

国土交通省関係は、酒田港の外港地区に防波堤を整備する国際物流ターミナル整備事業が継続事業となった。日本海東北自動車道の新潟、秋田県境部分をはじめとした高速道路関係の箇所付けは示されなかった。いずれも予算成立後に実施計画を公表する。

風力発電の導入促進に向けた送電網整備支援事業で、重点整備地区に秋田県を含む庄内地方が候補地の一つに挙がり事業化が期待されていたが、選定されたのは北海道だけだった。

ということで、

政府から、経済産業省から、山形大をセンターofイノベーション(COI)としてのお墨付きをいただきました。

あとは、文部科学省から正式なCOIの認定をいただくだけですね。

下村博文文部科学大臣、

よろしくお願いします!

 

 

 

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2013年1月30日 (水)

ドイツ視察団

 
 
ここのところ報告が一日ずれて、
すまん。
で、
昨日はドレスデンの方々が米沢に視察に来られた。
 
お昼はまず「吉亭」の有機EL照明の下、牛肉づくし。
その後、ルミオテック、県の研究センター、そして山形大学有機エレクトロニクスセンター、を見学。
ドレスデンの有機太陽電池ベンチャー、ヘリアテックのCTOであるマーチン・ファイファーさんの講演会。
世界一の効率を達成したとかで、有機太陽電池の未来は明るいと思った。
 
で、
夜は懇親会。
 
場所は、
駅前の「べこや」。
 
しかも、
立食パーティ。
 
何を隠そう、べこやでは初の試み。
ローストビーフ、メチャウマ。
 
 
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安部三十郎市長もドレスデンとの提携に大喜び。
御挨拶もユーモアあふれててGoodでした。
 
 
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市長からのお土産はミニお鷹ポッポ。
実は、吉亭での昼食会での話題が、これ。
 
お鷹の意味はわかるけど。
日本語ペラペラのドイツ人の人がいて、ポッポ、ってどういう意味ですか、でメチャ盛り上がり。
 
 
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で、
ファイファーさんが、この場でロールtoロールで作ったフレキシブル有機太陽電池のお披露目。
となりは、べこやの看板娘のノリちゃん。
 
 
で、
このファイファーさん、
最初の御挨拶でおっしゃたのが、これ、
 
世界には有機半導体の三大拠点があります。
それは、
ドレスデン、山形、そしてプリンストン。
その拠点の一つに来れてうれしく、その設備を見て感動しました。
 
それを聞いて、こちらがうれしくなった。
第三者から見て、日本だけじゃなく、三大世界拠点の一つとしてとらえられてたんですね。 
今流行の言葉では、Center of Innovation でしょうか。
文部科学省の幹部の方々に聞かせたかったよなあ。
 
でも、ある意味、心を引き締め、期待に応えないといけないと思った。 
 
 
 

 

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2013年1月29日 (火)

日独ワークショップ

 

 

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ライティングジャパンの報告は次の機会ということで、

昨日は東京日帰り出張。

有楽町の国際フォーラムで、日独有機エレクトロニクスワークショップが開催された。

これは、ドイツのザクセン州と山形大学が、共催でお互いの交流を深めましょうということで開催されたのだ。

何を隠そう、ザクセン州のドレスデン市は、有機エレクトロニクスクラスターと名乗っていて、ドレスデン工科大学を中心にフラウンフォーファー研究所やベンチャー企業などが集結している。EUの支援、ドイツの国の支援、ザクセン州の支援、ドレスデン市の支援と、支援だらけなのだ。

 

 

(写真)ザクセン州の経済産業大臣から御挨拶

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一方の山形大学は、2003年から山形県と有機エレクトロニクスバレー構想を立ち上げて、推進して、ルミオテックやオーガニックライティング、それに既存の東北パイオニアやタカハタ電子、伊藤電子、後藤電子、その他もろもろまで有機ELや有機太陽電池を扱う県連企業にしてしまった。

そう言う意味では、「有機エレクトロニクスバレー」を名乗り、実質成果が出ているのは、世界中でも米沢とドレスデンなんだけど、その歴史から行くと米沢の方が大先輩と言える。

 

 

(写真)タカハタ電子もアピール

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そんな兄弟が関係を深めていて、有機エレクトロニクス産業でお互いの国の産業を活性化しましょうとマジで手をつないでる訳で、こんなバレー構想自体の連携も世界的にも初めての壮大な実験なのかもしれない。

でも、日本の支援をよくよく考えてみると、規模的には、国も県も市も、あちらに比べると少々お寒い。

産業界では、韓国や台湾勢に負け、ここで基礎研究でも他国に負けてしまうとこの国にはいいところがなくなってしまうので、なんとか踏ん張らないといけないなあ、せめて国の支援がもっとあればなあ、と思うのである。

 

 

 

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2013年1月25日 (金)

米沢市役所

  
 
ただいま午後4時。
昼過ぎから雪が降り出したと思ったら、山形はきょうから明日にかけて、大雪ということで、でも明日は土曜日だし、ゴルフにも行かないし、まあ、いいかなあと思っていると、急に米沢市役所に行く用事ができた。
 
で、
昼休みに食事に出て、帰って来てまだ2時間もたってないのに車の上には5センチ以上の雪が積もっていて、おいおい、すでに大雪が始まっているのねと実感。
 
で、
久々の市役所。
まず5階の産業部商工観光課で、いろいろと打ち合わせ、
というか、お願い。
 
そして、
産業部長の小川さんにコーヒーをいただいて四方山話。
特にナチュラルプロセスファクトリーは、米沢にとっては農業の6次産業化の核になる会社ですよ、と紹介させていただいた。
 
で、
エレベーターで2階へ。
ここは税務課。
 
友人のツチノコ公務員はちゃんと働いているのかなあ、と柱の陰からチェックすると公務員らしく仕事をしているようだった。
見つかったので、お茶でも飲んでいきませんか、と誘われたけど、いかにも社交辞令っぽくて心がこもってなかったので、遠慮した。
 
 
この市役所の1階フロアには有機EL照明のでもサンプルが結構多いし、記帳台なんかも有機ELで照らされてるし、有機ELの米沢の市役所っぽくなってきたうようで、有り難い、というかうれしく思った久々の市役所訪問だった。
 
 
 
 
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2013年1月18日 (金)

インターネプコン展示会

 
 
何を隠そう、火曜日から東京出張で。昨夜戻りました。
 
そうです、
ライティングジャパン@東京ビッグサイト。
自分自身のセミナー講演、基調講演の座長、セミナーの座長と、こき使われました。
 
で、
ライティングジャパンの展示会は明日以降報告するとして、
きょうは併設されてるインターネプコンでの様子。
 
 
まずここから、
 
 
11
 
 
バイスリープロジェクツです。
先日、新聞発表した有機EL搭載検査装置です。
動いてました。 
 
ライン状の有機ELパネルで検査対象物に光を照射すると、このとおり。
 
 
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映り込みますね。
こいつをパソコンに取り込み、解析するとあ〜ら不思議、小さな欠陥までよ〜く見えてきます。
 
 
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ということで、検査ラインは人じゃなくてロボットでOK。
社長によると、このバカブログを見て来てくた人がいたということで、この場で感謝。
訪問していただいて、有り難うございました。
 
 
で、
バイスリーと共同開発されたのが、こちら、
引地精工です。
 
 
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後ろによく似た検査ロボットがありますけど、光源が違います。
ロボット検査装置ならこの会社におまかせ。
 
 
で、
お目当てのロボットを見た後でぶらぶらしていると、こんなブースが。
 
 
Img_0577  
 
 
黒川プレス工業です。
知りませんか、この会社?
 
実は、地元米沢の会社で社長は黒川清之さんといいます。
奥さんが黒川幸子さんといいます。
お二人ともゴルフ中毒です。
向かって右の人、トプスヘア土屋さんのご友人でした。
 
ローカルな話ですまんすまん。
 
ちなみにこの日は社長不在でした。
 
 
で、次。
 
 
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岡村工機です。
ご存知ないですか?
ここも地元米沢の会社です。
社長は向かって左の方。
またまたゴルフ好きです。 
米沢の社長はゴルフ好きばかりです。
 
なんだかスゴイものを作っているようですが、何がスゴイのか専門外の管理人にはよくわかりませんでした。
 
 
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ということで、思わぬ出会いが合ったインターネプコンでした。
 
 
 
 
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2013年1月16日 (水)

女性知事二人

 

 

まずは、一人目、

 

日経より

 

「出れば100人通る」小沢氏の説得で結党、嘉田知事

 

滋賀県の嘉田由紀子知事は13日に大津市であった後援会の新年会で、日本未来の党の結党について、小沢一郎衆院議員から「あなたが出てくれたら(衆院選で候補者が)100人通る」と説得されて決断したと明らかにした。

嘉田知事は「後から思えば信じるべきではなかった」と後悔をにじませ、謝罪したという。多くの候補者が民主党候補と競合したため「小選挙区で通るはずがなかった」と敗因を語った。

昨年11月末に結党を表明した記者会見で嘉田知事は「『この指とまれ』で、今後、候補者を募っていく」と説明していた。〔共同〕

・・・

 

しかしまあ、ひどい知事。

かわいそうな滋賀県民。 

 

で、二人目、

 

山形新聞より

 

吉村知事再選、県民の思い 政策に共感と期待

 

 

県知事選は10日に告示され、吉村美栄子さん(61)が無投票で再選された。激戦だった前回から一転して安定の中で始まる第2期吉村県政。各地で県民の声に耳を傾けると、吉村さんが東日本大震災後に提唱した「卒原発」の方針や、今回公約の柱に据えた子育て支援などへの共感と期待が大きい一方、県政のかじ取り役が無投票で決まったことについて違和感も残るとする声も聞かれた。

 

▽酒田市下安町、主婦上野由香里さん(29) 2歳と8カ月の子どもがいるので、子育て政策に力を入れてほしい。共働きでないと保育所は利用できず、幼稚園に入らなければならないので経済的に厳しい。今後、主婦でも働きやすい環境づくりに期待したい。

 

▽鶴岡市羽黒町上野新田、農業鈴木律さん(44) これまで先頭に立って「つや姫」の宣伝をしてもらい、農家として心強かった。これからも大々的なPRをお願いしたい。生産者が豊かにならないと、就農者は増えない。農業に力を入れた政策に期待したい。

 

▽尾花沢市新町3丁目、農業菅野政史さん(35) 野菜の苗などを栽培しているが、生育は天候に左右される。農家ならではの悩みを解消し、若い人が意欲的に就農できるような施策を期待したい。さらに豪雪地でも安心して暮らせるよう雪対策もしっかり取り組んでほしい。

 

▽東根市神町中央1丁目、自営業村田民雄さん(68) 知事が提唱する「卒原発」に共感を覚える。再生可能エネルギーの導入を、雇用創出にぜひ結び付けてほしい。身近な商業環境維持のため、業種の転換など意欲ある経営者を支援する施策についても期待する。

 

▽河北町谷地、美容室経営八矢みさ子さん(62) 高い技術やより良いサービスが正しく評価され、商工業者がより暮らしやすい社会を望む。1期目の成果は見えにくかったので、魅力的な取り組みを積極的にPRし、知事の意見を反映した具体的な政策を示してほしい。

 

▽山形市元木1丁目、パート従業員斎藤時子さん(42) 大事な選挙で無投票は不健全だし、対抗勢力は何をしているのかと思う。でも2期目の知事はできることが増えると期待したい。女性が出産後も継続して働くための支援策を講じてほしい。

 

▽山形市東原町2丁目、団体職員中村将士さん(22) 公約や思いをしっかり結果に結び付けて。特に風力発電などの事業を進め、県民の環境保護の意識を高めてほしい。家庭でも自然やエネルギーについて考え、取り組める継続的で細やかな施策も期待する。

 

▽高畠町糠野目、無職金子征一さん(67) 東日本大震災の復興支援に力を入れてほしい。がれき処理受け入れはほかの地方で拒否反応もあるようだが、支え合うべき隣県として今後も支援の姿勢を崩さないでほしい。県内避難者への生活支援も大切だと思う。

 

▽米沢市赤崩、主婦山岸美喜恵さん(63) 米沢では悪臭が問題になっている。東北の自然は特別なものだ。産業振興も大事だが、環境問題にも力を入れてほしい。同じ年代の女性が活躍することを頼もしく感じている。女性が働きやすい環境づくりにも期待する。

 

・・・

 

 

こんな感じで、県民の期待はとても大きい。

 

で、

山形新聞がインタビューに来ないので、ここで勝手に、

この管理人からも一言:

 

▽米沢市林泉寺、大学教授+ベンチャー企業社長城戸淳二さん(53) 山形県を有機エレクトロニクス特区にして有機ELなどの有機半導体関連企業が集積できるように環境を整えて欲しい。日本では法人税が高い、人件費が高い、などの理由で製造業がひん死の状態です。これを打破するには山形を特区にして、法人税の減免など積極的に行うべきです。企業が集積すればもちろん雇用の創出につながります。

それと、山形県内でベンチャーを起業しやすいように、東北経産局やJSTなどと連携して、ベンチャー支援策を講じていただきたいと思います。アメリカと違って、この国ではベンチャー支援がぜんぜんできてないことご存知でしょうか?そこを山形から改革して欲しいと思います。

それと、東北復興のため、もっと福島や宮城、岩手の各県と連携をとって、山形の企業や大学の技術で産業復興に貢献できるのか、真剣に検討して欲しいと思います。被災者の方々を受け入れるだけが、支援ではありません。

 

他にも一杯、申し上げたいことがございます。

ここでは、書き切れません。

ということで、

 

吉村知事、

一度、山形の産業振興についてじっくり議論する機会をいただけませんでしょうか?

山形有機エレクトロニクスバレー構想提唱者および推進者、およびベンチャー企業の社長の立場でお目にかかりたいと思います。

 

よろしくお願いします。

 

 

 

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2013年1月15日 (火)

有機ELの画質

 
 
まあ、読んでください。
 
 
 
 

ソニーの4K有機ELテレビに見た「人類未体験の映像力」
評論家、日本画質学会副会長 麻倉 怜士

2013/1/9 17:44

 

ソニーが米国ラスベガスで開催されている、国際家電見本市「コンシューマー・エレクトロニクス・ショー(CES)」で発表した、世界初の「4K(4K×2K)」対応有機ELテレビの開発品を見てきた。

同開発品は、3840×2160画素の56型である。韓国Samsung Electronicsや韓国LG Electronicsの55型フルHD有機ELテレビの画面対角寸法を1インチ(約25.4mm)上回る。台湾の大手パネルメーカーのAU Optronics(AUO)と共同開発した。

技術的には、駆動用のTFT(薄膜トランジスタ)を従来の低温多結晶Si(シリコン)から酸化物半導体に替え、ソニーのお家芸である「トップ・エミッション」と呼ばれる方式(同社がかつて発売した11型有機ELテレビにも採用された。ガラス基板上に形成したTFTとは逆の方向に光を取り出すため、高い開口率が得られる。ソニーは封止ガラスも不要にしている)を採用した。

画質は驚くべきもので、ブラジル・リオデジャネイロのカーニバルを4Kで撮影した映像クリップでは、色の豊穣(ほうじょう)さ、原色の強靭(きょうじん)さ、金銀のきらめき、微小部分の白ピークの突き上げなど、他のデバイスでは絶対に再現できない領域の“ウルトラリアリティ(超現実感)”を感じさせた。

単なる高輝度なだけでなく、小面積の(輝度の)突き上げがあることが有機ELの強みだが、改めてそれを認識することができた。まさに「人類が未体験の映像力」であった。

ソニーには、この開発品をきちんと商品化してほしい。人目をひく「ショーモデル」に終わらせてはいけない。

 
・・・・・・
 
 
ということで、有機ELの画質は専門家もこのとおり評価されてます。
 
液晶は、安いテレビとして、
有機ELは、究極のテレビとして、
液晶は、中国や韓国で、
有機ELは、日本で、
 
こんな棲み分けはどうでしょうか、
経済産業省殿。
いくらでもお手伝いさせてもらいます。
 
 
 
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2013年1月14日 (月)

パナソニックが有機ELテレビ発表!

 
 
ニュースとしては、少々遅くなりましたが、
まずは、パナソニックのプレスリリースから:
 
 
RGBオール印刷方式では世界最大サイズ
56型 4K2K 有機ELパネルを開発

「2013 International CES」に参考出展

 

 

パナソニック株式会社は、RGBオール印刷方式では世界最大の56型で、4K2K(3840×2160; 829万画素)の高精細な有機ELパネルを開発しました。
本開発品は、「2013 International CES」(米国ラスベガス市、1月8日~11日)に参考出展します。

「印刷方式」とは、有機EL材料を印刷により塗布し、発光層(EL層)を形成する技術で、生産工程がシンプルであることから、多様な画面サイズへの展開が容易な技術として期待されています。また、必要な箇所にのみ必要な分量を塗布できるため、材料ロスが少なく、生産リードタイムの短縮につながるなど、経済性においても優れた方式と言えます。
当社は、3原色(RGB)全ての有機EL材料を印刷で塗り分ける「RGBオール印刷方式」を採用すると共に、大画面に均一に塗布する設備技術・プロセス技術を開発しました。
また、光取り出し効率が高い独自の「透明陰極型トップエミッション構造」により、RGBオール印刷方式では世界最大
サイズとなる56型で4K2Kの高精細画面を有し、かつ、優れた色再現性や広視野角を実現する有機ELパネルの開発に成功しました。

有機ELパネルは、高コントラストでソースに忠実な色再現性や高速応答性など、自発光型ならではの高い画質特性を有しています。さらに、超薄型・軽量で低消費電力を両立するなど、PDPとLCDの長所を併せ持つことから、ご家庭向けのみならず、医療用や放送局用モニター、航空機搭載用途など、幅広い分野で新たな用途を創出する次世代ディスプレイとして注目が集まっています。また、今後、シート化やフレキシブル化の技術開発が進むことで、より多様な産業への応用も期待できます。

当社は、PDPやLCDなど現行の薄型ディスプレイで培った、高画質化技術や生産技術のノウハウを活用しながら、多くの可能性を有する有機ELのデバイス特性を最大限に引き出す研究開発を独自で進めています。また、ソニー株式会社と共同で、印刷方式をベースとした有機ELパネルの量産技術の開発にも取り組んでいます。なお、今回の開発品に採用しているTFTは共同開発における活動ステップのひとつとして、ソニーより協力を得たものです。

当社は、ディスプレイデバイスの技術革新を加速させ、今後も「お客様価値の創造」につながる研究開発を一層強化させてまいります。

 

【開発品の主な特長】

1)大型化に適した「RGBオール印刷方式」

 

印刷方式は、発光層(EL層)の形成工程において、異なる画面サイズでも印刷ヘッドが共用できるほか、真空環境や高温プロセスが不要であるなど、生産工程がシンプルであることから、大型化が容易といわれています。
当社はこのたび、有機EL材料をRGBの画素別に塗り分けながら、パネル全体を均一に塗布する、印刷設備技術と印刷プロセス技術を独自に開発。RGBオール印刷方式では世界最大
の56型で、4K2Kの高精細画面を有する有機ELパネルを実現しました。

2)「3色(RGB)塗り分け」と独自の「透明陰極型トップエミッション構造」の組み合わせで優れた色再現性と広視野角を実現

 

RGBの有機EL材料を個別に塗布する「3色塗り分け」と、「カラーフィルタ」の採用により、色純度を高め、優れた色再現性を実現するとともに、多重反射無しに光を通す「透明陰極」側から、有機ELの発光を取り出す、独自の「透明陰極型トップエミッション構造」の採用により、光取り出し効率を高め、広視野角を実現しました。

 

・・・・・・

 

ということで、とうとうでしましたパナソニックの有機ELテレビ。

かつて、東芝松下ディスプレイ(TMD)時代には中小型を少量生産した実績のあるパナソニック、しかしTMDから手を引く際に蒸着型から塗布型へ大きくシフト。

この数年間、何の発表もなく、もくもくと水面下で開発を続けて来られました。

で、

満を持しての今回の発表。

ただ、開発したということでの試作品の発表で、製品化の発表ではありません。

そこのところお間違えなく。

 

で、今回の技術ですけど、

まず、ソニーと異なるのは有機EL素子の作製に真空蒸着を使わずに、ポリマーをインクジェットで塗り分けて三原色の赤、緑、青色発光素子を作製したということ。

といっても、電極は最終的に真空蒸着ですけどね。

世界最大というのは、ポリマーELの使用例として、TMDが20インチを数年前に試作してデモしました。エプソンはその前に40インチでした。

だから、世界最大のポリマー有機ELテレビ。

 

で、

ソニーの共同開発の成果としては、

台湾のAUOとソニーが開発したIGZOと呼ばれる酸化物半導体を用いたTFT基板を使用したこと。

それと、トップエミッション構造と言う、これまたソニーが長年使用して来た極めて高性能な素子構造を使用したこと。

ということで、肝心な部分はソニーからの導入技術であって、そう言う意味ではソニーとのコラボの成果が着実に出ているということ。

 

で、

読者の皆さんが知りたいであろう商品化の時期ですけど、

まあ、

パナソニックの関係者に聞いた訳じゃないけど、

ざくっと、予想すると、

早くて5年後くらいか、

な。

 

その根拠は、

ポリマー有機ELの性能が、大型テレビに使用するにはまだまだ低いから。

大型テレビとなると、先ず寿命が長くないといけません。

大型テレビは10年くらいは使います。

しかも、一日数時間は使用されます。

しかも、輝度は中小型の倍以上の500カンデラ毎平方メートルは必要です。 

しかも、開口率、カラーフィルターロス、その他もろもろのロスを考えると輝度はさらにその2〜3倍は必要です。

こうやって単純に計算するとポリマー有機EL、特に青色が性能不足です。

で、

材料開発のスピードを考えると、少なくともあと5年はかかるでしょう、

となる訳です。

しかも、そのころまでにインクジェットの量産技術が確立していたら、という前提があります。

これが難しいんだなあ、

とっても。

 

まあ、

私がパナソニックのテレビ事業部長なら、まずソニーとの協業を生かしてソニーが生産するであろう蒸着型の有機ELパネルを使用して、有機ELテレビを生産します。

そして、ポリマー有機ELの開発も平行して進めます。

で、

韓国勢との競争が激化して来たところで、10年後くらいに満を持して低コストのポリマー有機EL大型テレビをソニーとともに市場に投入してテレビ市場を制する、

というシナリオを描きます。

 

まあ、テレビ業界はこの管理人のアドバイスなんて無視し続けて、液晶やプラズマに賭けて来た訳で、今回も聞いてもらえないでしょうけど、Made in Japanテレビが生き残るにはこの方法しかありません。

 

それにしても、技術があるのに負け続ける日本の家電メーカーを見ているのはホントに悔しいなあ。

 

 

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2013年1月 9日 (水)

有機EL検査装置

 
 
昨日のソニーの有機EL大型テレビのニュースに引き続き、もう一発、有機ELの明るいニュースを山形から。
まずは、昨日の小白川キャンパスでの記者会見での配布資料をどうぞ。
 
・・・・・ 
 

世界初! 検査用途向け特殊有機ELパネルの開発と製品試作に成功

 

山形大学有機エレクトロニクス研究センターの城戸卓越研究教授の研究グループは、検査機器向けの特殊有機ELパネルの開発と製品試作に成功した。城戸教授が先導し、山形大学・山形県・県内企業において、産官学が連携し、特殊有機ELパネルの開発と、さらに、小さいサイズから大きい製品サイズまでの試作を段階的にこの約3年間で行い、有機ELでしかできない世界初の検査機器用途むけの特殊有機ELパネルの開発に目途をつけた。

 

背景と意義

 

城戸教授らは、これまで有機ELに関する基礎研究から、応用、実用化研究を行ってきており、これまでもディスプレイや照明用有機ELを開発してきた。また、有機ELの光源としての応用展開も図っており、有機ELでしかできない付加価値の高い用途開拓、実証試験、試作品製作もすすめてきている。今回の検査機器用有機ELパネルの製品化の意義は有機ELの市場拡大ばかりでなく、工業製品製造における検査行程を大幅に簡略化できる点で非常に大きい。

 

経緯と開発の概要

 

東北経済産業局 戦略的基盤技術高度化支援事業(サポーティング インダストリー支援事業)(『外観検査用産業用ロボットを高度化する画像処理組み込みソフトウエアの開発と事業化』)で、インテリジェント・コスモス研究機構の管理の下、宮城県内のバイスリープロジェクツ(検査ソフト)、引地精工(検査ロボット)、東北大学(プログラム開発)で事業を、この3年間推進してきた。このなかで、特殊有機ELパネルの開発と大きな製品サイズまでの試作が重要な鍵であった。戦略的基盤技術高度化支援事業よりオーガニックライテイングをとうした依頼で、山形大学の城戸教授が特殊有機ELパネルの開発に着手した。

 

先ず平成22年度に、山形大学にて特殊なスリット状の電極構造を有する最適な素子構造・発光色での小さいサイズでの有機ELの試作(80x70mm 山形大学)をおこない、この小さいサイズでの開発と試作、また、実証試験に成功した(平成22年度)。これを城戸教授が先導し、オーガニックライテイングが関係機関を取りまとめ、大きいサイズでの試作(145x145mm 山形県産業技術振興機構 産官学連携有機エレクトロニクス事業化推進センター)と実証(平成23年度)、大きいサイズでの量産ラインでの製品試作(145x145mm 東北パイオニア)と実証(平成24年度)が行われた。量産ラインで作製された製品サイズでの第一段階の実証試験の成功を受けて、バイスリープロジェクツ、引地精工が外観検査用産業用ロボットとしての市場導入の検討を開始することになった。

 

今後の予定   

 

1月16-18日インターネプコンジャパン(東京ビックサイト)にてバイスリープロジェクツ、引地精工が展示発表する。

 

・・・・・

 

ということで、有機ELパネルを用いた検査装置です。

画期的です。

世界初です。

こんな感じです。

 

Photo

 

 

ロボットアームの先にライン状の発光パターンを持つ有機ELパネルとカメラが装着されてます。

有機ELパネルはこんな感じ。

検査対象物によって、ラインの太さはコントロールできます。 

 

El

 

たとえば、自動車のバンパーの検査に使用する時は、このELパネルでバンパーを照らすと明るい筋と暗い筋のライン状に反射します。

突起物なとの欠陥があると、そのラインが歪むわけですね。

だから、良品の反射パターンを記憶させておいて、それと比較することに寄って欠陥を極めて正確に、しかも早く、検出することができます。

 

ご存知かも知れませんが、製造ラインでもっとも人件費がかかるのが検査行程。

それをロボットで全自動化することにより一気に低コスト化で来ます。

単純な仕事はロボットへ、人はもっと創造的な仕事をすれば言い訳です。

トヨタ、日産、ホンダ、などなど国内の自動車メーカーさんにはぜひとも導入していただきたい検査ロボットです。

 

応用範囲は広くて、自動車工場だけじゃなくて、最近のスマホなんかも光沢があるし、テレビもピアノブラックが主流、メッキした表面やプラスチック成形品の表面も問題ない。

 

で、

この画期的な有機EL検査装置ですけど、まずバイスリープロジェクツ、引地精工から山大発ベンチャーであるオーガニックライティングを通して、有機ELパネル開発の相談がありました。

そこで、まず大学との共同研究ベースで小型のパネルを試作、

明るさが十分かどうか、想定どおり欠陥を検出できるのか、などなど実証実験を行いました。

なかなかいいねということで、次年度はもう少し大きなパネルを試したいということで、山形県産業技術振興機構の産官学連携有機エレクトロニクス事業化推進センター(もともとは私が立ち上げた有機エレクトロニクス研究所)に依頼して、パネルを試作し、ロボットに装着して試験。

これはますます行けるということで、東北パイオニア米沢工場で実用レベルの信頼性を有するパネルを試作してもらって、検査ロボットとしての本格的な評価を行いました。

 

言うならば、山形県と宮城県の「広域産学官連携」の成果でしょうか。

私自身、有機ELに関しては素材開発やデバイス開発、発光機構や劣化機構の解明などの基礎研究から、白色発光素子開発などの応用研究、さらに高効率化や超寿命化、低コスト製造方式などの実用化研究、そしてルミオテックやオーガニックライティングなど企業を設立しての事業化にも取り組んでます。

そう言う意味で、研究して論文発表するだけじゃなくて、地域への貢献も行っていて、今回の連携は震災の被災地である宮城県内の企業との広域産学官連携ということで、絶対に成功に導きたいと思ってました。

宮城だけじゃなく、岩手、福島などの被災地には有機ELの研究開発をここまで広く、深く、行ってる研究機関はないので、特に中小企業のみなさんで有機ELをご活用してみたい、あるいは斬新なアイデアがある方はご連絡ください。

東北経済産業局やJSTも喜んで支援してくれると思います。

 

 

有機ELで明るい日本を東北から。

 


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2013年1月 8日 (火)

明けましておめでとうございます

 
 
このバカブログ、長い冬休みをいただいてしまいました。
きょうから再開です。
 
 
で、いきなりですがソニーがやってくれました。
56インチの有機ELテレビの発表です。
 
 
ソニーのサイトから:
 

世界初/世界最大“56型4K対応有機ELテレビ”を開発

~2013 International CESに56型4K対応有機ELテレビの試作機を出展~

 

ソニーは、4K(3840×2160)対応有機ELテレビの技術開発を進めており、「2013 International CES」(国際家電ショー:2013年1月8日~11日、米国ネバダ州ラスベガス)において、その最新の成果として56型4K対応有機ELテレビの試作機を参考出展します。

 

今回、技術参考展示する“有機ELテレビ”は、最先端の酸化物半導体TFT技術とソニー独自の「スーパートップエミッション(Super Top Emission)」方式により、世界で初めて、世界最大56型の大型サイズで4Kの高解像度を実現しています。

(※56型の大型サイズで4Kの解像度を実現した“有機ELテレビ”の試作機として世界初。

 

従来の有機ELテレビでは、有機EL層を駆動して発光させるため、低温ポリシリコンTFT(薄膜トランジスタ)を用いていましたが、パネルの大型化には課題がありました。そこで、これまで研究開発を進めてきた酸化物半導体TFTを用いることで、56型という大型サイズながら、4K解像度の高精細なパネルを実現しました。有機EL素子構造には、従来から商品化で実績のあるソニー独自のスーパートップエミッション(Super Top Emission)方式を採用しています。この方式は、構造上、開口率が高く、有機EL層から効率的に光を取り出すことが可能です。


この2つの技術を組み合わせることで、自発光デバイスの有機ELテレビならではの高コントラスト・高輝度・高速動画応答性能・広視野角の豊かな映像表現を、高精細な4K解像度の大型サイズで実現しました。

なお、今回参考展示した有機ELテレビに用いた有機ELパネルは、台湾・AUO社との共同開発によって試作されました。

ソニーは2007年に世界初の11型有機ELテレビを発売しました。さらに2011年には、放送・業務用途の25型、17型モニターを発売するなど、有機ELディスプレイの量産・商品展開に取り組んでまいりました。研究開発面では、中・大型化に向けたプロセス(製造)技術や、有機EL駆動TFTについては酸化物半導体TFTやフレキシブル有機TFTの開発成果を学会発表するなど、次世代有機EL技術の研究開発にも積極的に取り組んでいます。

 

今後、ソニーは今回のCES2013で商品発表する4K対応液晶テレビ〈ブラビア〉 とともに、4K対応有機ELテレビの実用化・商品化に向けて継続的に開発に取り組んでまいります。撮影から編集、コンテンツ制作、送出、配信、そして表示デバイスに至るまで、ソニーならではの新しい4Kの映像体験を幅広く提供してまいります。

 

参考出展した4K対応有機ELテレビ試作機の主な仕様

画面サイズ:56型

画素数:3,840×2,160

表示素子:有機EL

駆動回路:酸化物半導体TFT

構造上の特長:スーパートップエミッション(Super Top Emission)

他諸特性:非公開

 

・・・・・・

 

ということで、世界最大(1インチ大きいだけですけど)で、トップエミッションで、酸化物半導体で、きっと画質も世界一だと思います。

 

試作品ということで、製品化はいつか発表されてませんけど、予想ですけど来年の春くらいかと。

 

LGが55インチの予約を始めたので、この春には出荷開始かと思いますが、大量生産ではないのでソニーは追いつき、追い越せます。

しかしやってくれるねえ、ソニーは。

 

それにしても協業されてるパナソニックの方はどうなってるんだろうなあとちょっと心配なんだけど。

 

 

 

 

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