有機ELの画質
ソニーの4K有機ELテレビに見た「人類未体験の映像力」
評論家、日本画質学会副会長 麻倉 怜士
2013/1/9 17:44
ソニーが米国ラスベガスで開催されている、国際家電見本市「コンシューマー・エレクトロニクス・ショー(CES)」で発表した、世界初の「4K(4K×2K)」対応有機ELテレビの開発品を見てきた。
同開発品は、3840×2160画素の56型である。韓国Samsung Electronicsや韓国LG Electronicsの55型フルHD有機ELテレビの画面対角寸法を1インチ(約25.4mm)上回る。台湾の大手パネルメーカーのAU Optronics(AUO)と共同開発した。
技術的には、駆動用のTFT(薄膜トランジスタ)を従来の低温多結晶Si(シリコン)から酸化物半導体に替え、ソニーのお家芸である「トップ・エミッション」と呼ばれる方式(同社がかつて発売した11型有機ELテレビにも採用された。ガラス基板上に形成したTFTとは逆の方向に光を取り出すため、高い開口率が得られる。ソニーは封止ガラスも不要にしている)を採用した。
画質は驚くべきもので、ブラジル・リオデジャネイロのカーニバルを4Kで撮影した映像クリップでは、色の豊穣(ほうじょう)さ、原色の強靭(きょうじん)さ、金銀のきらめき、微小部分の白ピークの突き上げなど、他のデバイスでは絶対に再現できない領域の“ウルトラリアリティ(超現実感)”を感じさせた。
単なる高輝度なだけでなく、小面積の(輝度の)突き上げがあることが有機ELの強みだが、改めてそれを認識することができた。まさに「人類が未体験の映像力」であった。
ソニーには、この開発品をきちんと商品化してほしい。人目をひく「ショーモデル」に終わらせてはいけない。