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2013年1月14日 (月)

パナソニックが有機ELテレビ発表!

 
 
ニュースとしては、少々遅くなりましたが、
まずは、パナソニックのプレスリリースから:
 
 
RGBオール印刷方式では世界最大サイズ
56型 4K2K 有機ELパネルを開発

「2013 International CES」に参考出展

 

 

パナソニック株式会社は、RGBオール印刷方式では世界最大の56型で、4K2K(3840×2160; 829万画素)の高精細な有機ELパネルを開発しました。
本開発品は、「2013 International CES」(米国ラスベガス市、1月8日~11日)に参考出展します。

「印刷方式」とは、有機EL材料を印刷により塗布し、発光層(EL層)を形成する技術で、生産工程がシンプルであることから、多様な画面サイズへの展開が容易な技術として期待されています。また、必要な箇所にのみ必要な分量を塗布できるため、材料ロスが少なく、生産リードタイムの短縮につながるなど、経済性においても優れた方式と言えます。
当社は、3原色(RGB)全ての有機EL材料を印刷で塗り分ける「RGBオール印刷方式」を採用すると共に、大画面に均一に塗布する設備技術・プロセス技術を開発しました。
また、光取り出し効率が高い独自の「透明陰極型トップエミッション構造」により、RGBオール印刷方式では世界最大
サイズとなる56型で4K2Kの高精細画面を有し、かつ、優れた色再現性や広視野角を実現する有機ELパネルの開発に成功しました。

有機ELパネルは、高コントラストでソースに忠実な色再現性や高速応答性など、自発光型ならではの高い画質特性を有しています。さらに、超薄型・軽量で低消費電力を両立するなど、PDPとLCDの長所を併せ持つことから、ご家庭向けのみならず、医療用や放送局用モニター、航空機搭載用途など、幅広い分野で新たな用途を創出する次世代ディスプレイとして注目が集まっています。また、今後、シート化やフレキシブル化の技術開発が進むことで、より多様な産業への応用も期待できます。

当社は、PDPやLCDなど現行の薄型ディスプレイで培った、高画質化技術や生産技術のノウハウを活用しながら、多くの可能性を有する有機ELのデバイス特性を最大限に引き出す研究開発を独自で進めています。また、ソニー株式会社と共同で、印刷方式をベースとした有機ELパネルの量産技術の開発にも取り組んでいます。なお、今回の開発品に採用しているTFTは共同開発における活動ステップのひとつとして、ソニーより協力を得たものです。

当社は、ディスプレイデバイスの技術革新を加速させ、今後も「お客様価値の創造」につながる研究開発を一層強化させてまいります。

 

【開発品の主な特長】

1)大型化に適した「RGBオール印刷方式」

 

印刷方式は、発光層(EL層)の形成工程において、異なる画面サイズでも印刷ヘッドが共用できるほか、真空環境や高温プロセスが不要であるなど、生産工程がシンプルであることから、大型化が容易といわれています。
当社はこのたび、有機EL材料をRGBの画素別に塗り分けながら、パネル全体を均一に塗布する、印刷設備技術と印刷プロセス技術を独自に開発。RGBオール印刷方式では世界最大
の56型で、4K2Kの高精細画面を有する有機ELパネルを実現しました。

2)「3色(RGB)塗り分け」と独自の「透明陰極型トップエミッション構造」の組み合わせで優れた色再現性と広視野角を実現

 

RGBの有機EL材料を個別に塗布する「3色塗り分け」と、「カラーフィルタ」の採用により、色純度を高め、優れた色再現性を実現するとともに、多重反射無しに光を通す「透明陰極」側から、有機ELの発光を取り出す、独自の「透明陰極型トップエミッション構造」の採用により、光取り出し効率を高め、広視野角を実現しました。

 

・・・・・・

 

ということで、とうとうでしましたパナソニックの有機ELテレビ。

かつて、東芝松下ディスプレイ(TMD)時代には中小型を少量生産した実績のあるパナソニック、しかしTMDから手を引く際に蒸着型から塗布型へ大きくシフト。

この数年間、何の発表もなく、もくもくと水面下で開発を続けて来られました。

で、

満を持しての今回の発表。

ただ、開発したということでの試作品の発表で、製品化の発表ではありません。

そこのところお間違えなく。

 

で、今回の技術ですけど、

まず、ソニーと異なるのは有機EL素子の作製に真空蒸着を使わずに、ポリマーをインクジェットで塗り分けて三原色の赤、緑、青色発光素子を作製したということ。

といっても、電極は最終的に真空蒸着ですけどね。

世界最大というのは、ポリマーELの使用例として、TMDが20インチを数年前に試作してデモしました。エプソンはその前に40インチでした。

だから、世界最大のポリマー有機ELテレビ。

 

で、

ソニーの共同開発の成果としては、

台湾のAUOとソニーが開発したIGZOと呼ばれる酸化物半導体を用いたTFT基板を使用したこと。

それと、トップエミッション構造と言う、これまたソニーが長年使用して来た極めて高性能な素子構造を使用したこと。

ということで、肝心な部分はソニーからの導入技術であって、そう言う意味ではソニーとのコラボの成果が着実に出ているということ。

 

で、

読者の皆さんが知りたいであろう商品化の時期ですけど、

まあ、

パナソニックの関係者に聞いた訳じゃないけど、

ざくっと、予想すると、

早くて5年後くらいか、

な。

 

その根拠は、

ポリマー有機ELの性能が、大型テレビに使用するにはまだまだ低いから。

大型テレビとなると、先ず寿命が長くないといけません。

大型テレビは10年くらいは使います。

しかも、一日数時間は使用されます。

しかも、輝度は中小型の倍以上の500カンデラ毎平方メートルは必要です。 

しかも、開口率、カラーフィルターロス、その他もろもろのロスを考えると輝度はさらにその2〜3倍は必要です。

こうやって単純に計算するとポリマー有機EL、特に青色が性能不足です。

で、

材料開発のスピードを考えると、少なくともあと5年はかかるでしょう、

となる訳です。

しかも、そのころまでにインクジェットの量産技術が確立していたら、という前提があります。

これが難しいんだなあ、

とっても。

 

まあ、

私がパナソニックのテレビ事業部長なら、まずソニーとの協業を生かしてソニーが生産するであろう蒸着型の有機ELパネルを使用して、有機ELテレビを生産します。

そして、ポリマー有機ELの開発も平行して進めます。

で、

韓国勢との競争が激化して来たところで、10年後くらいに満を持して低コストのポリマー有機EL大型テレビをソニーとともに市場に投入してテレビ市場を制する、

というシナリオを描きます。

 

まあ、テレビ業界はこの管理人のアドバイスなんて無視し続けて、液晶やプラズマに賭けて来た訳で、今回も聞いてもらえないでしょうけど、Made in Japanテレビが生き残るにはこの方法しかありません。

 

それにしても、技術があるのに負け続ける日本の家電メーカーを見ているのはホントに悔しいなあ。

 

 

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