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2012年1月26日 (木)

有機ELテレビの破壊力

 
 
まず、お読みください。
ところどころ、城戸コメント、が入れてあります。
 
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日経ビジネスONLINEより:
2012年1月26日(木)
 
 
有機ELテレビ、日本上陸の破壊力
 
 
年始恒例の米家電見本市「CES」は、韓国勢の有機ELテレビに話題が集中した。年内にも製品が投入される日本市場は、韓国勢が攻めあぐねていた「最後の未開拓地」。圧倒的な薄さや画質の高さをアピールし、“国産信仰”が強い日本人に転向を迫る。
 
米ラスベガスで1月10~13日に世界最大の家電見本市「コンシューマー・エレクトロニクス・ショー(CES)」が開かれた。今年の話題をさらったのは、韓国のサムスン電子とLG電子が展示した有機EL(エレクトロ・ルミネッセンス)テレビだ。
 
映像のコントラストを左右する黒色の表現や、薄型化に優れており、次世代テレビの本命と目されている。厚さ数mmという極薄デザインと、漆黒が映える画面に、来場者たちは度肝を抜かれた。
 
 
「城戸コメント:画質的には究極のテレビと言える自発光型、高速応答、黒が漆黒。見たことない人は度肝を抜かれて当然。4K等の高精細化が進めば立体感もあり、今のオモチャのような3Dなんていらなくなる。究極の臨場感すら備えます。」 
 
 
パナソニックの大坪文雄社長は現地視察中、記者団から有機ELテレビへの対抗策を再三問われ、最後は「テレビ、テレビって言うけれども、(パナソニックが出展に力を入れた)エネルギー関連事業のことも聞いてくれ」と苦笑いするほかなかった。
 
 
「城戸コメント:パナソニックは日本を代表するテレビメーカー。大坪社長のリーダーシップが問われる時が来た。松下幸之助氏が立ち上げた大阪の日本を代表する会社。個人的には最も期待してます。パナが他社にパネル製造を委ねた瞬間、パナソニックの家電メーカーとしての将来は無くなるでしょう。テレビは家電メーカーの顔ですからね。」 
 
 
他社の展示をかすませるほどの存在感を放った有機ELテレビ。韓国勢は2012年後半に各国で発売する計画だ。早ければ同時期に日本市場にもお目見えする。
 
 
世界のテレビ市場でシェア1位、2位を独占する韓国勢も、これまで“国産信仰”が根強い日本市場の攻略には手こずった。
 
販売不振からサムスン電子は2007年に、LG電子は2008年に国内テレビ市場からの撤退を余儀なくされた。だが、サムスン電子は有機ELテレビの発売を機に再参入する計画だ。2010年に日本で発売したスマートフォン「ギャラクシー」は順調に販売を伸ばす。携帯端末でブランド力を高め、テレビなどほかの製品の販売につなげるというサムスン電子お決まりの市場攻略法を、ここ日本で試す。2010年に国内テレビ市場に再参入したLG電子も、有機ELテレビの投入で攻勢を強める。
 
両社の初代モデルは55型だ。米調査会社ディスプレイサーチは、当初の価格を7100~8061ドル(約56万8000~64万4000円)と見積もる。低価格化が進んだ同型の液晶テレビと比べて約5.5~6倍高いが、2013年中には価格差が約3倍に、2014年中には約2倍に、2015年中には約1.7倍にまで縮まると見込む。差がある程度まで詰まった時、普及は一気に加速しそうだ。
 
  
「城戸コメント:まず富裕層やマニアが有機ELテレビを買うでしょう。10年前に管理人が55万円でプラズマテレビを買ったように。55インチ有機ELテレビ、間違いなく売れます。」 
 
 
■2年後に1500万台出荷
  
ディスプレイサーチは2015年に全世界で出荷される有機ELテレビは280万台、テレビ市場全体に占める割合は約1%と予想する。これに対して、外資系証券会社のアナリストは、「2014年頃には出荷台数が1500万台に達し、構成比は5~6%に上る」と、より早い市場の立ち上がりを予想する。
 
   
「城戸コメント:液晶ラインを手直しするだけで有機ELテレビが製造できる。だから、有機ELテレビのシェアが増えるほど、液晶のシェアが下がり、一気に有機ELテレビ市場が立ち上がる。」 
 
 
有機ELテレビは技術的に大型化が難しく、今回55型の量産にメドをつけた韓国勢に比べて、日本勢は研究開発が数年遅れている。本格的な普及期を迎える前に有機ELテレビを商品化しなければ、韓国勢にキャッチアップするのが難しくなる。パナソニックの大坪社長は、「2015年までに商品化しなければならない」と危機感を強める。
  
 
「城戸コメント:2002年から山形大中心に5年間実施したNEDOプロジェクトのテーマは60インチ有機ELディスプレイの要素開発。もちろん、2007年には要素技術開発成功です。2002年と言えば、まだ携帯の背面ディスプレイ程度しか普及してなかった有機EL。その時に、この時が来るのを予想してました。当時の経産省の情通課の担当の方、NEDO電子部の方、先見性ありましたね。でもディスプレイ開発に関してはその後の山形大へのフォローはなし。成果を使って有機EL照明市場は立ち上がりましたけど。」 
 
 
ただ、液晶テレビやプラズマテレビと同じように、パネルから一貫生産する体制を取るかどうかは未定だ。大坪社長は「慎重に判断する」と言う。
  
 
「城戸コメント:慎重すぎて石橋を壊さないでくださいね。サムスンにしたって、LGが大型テレビを出すというので、急激に立ち上げた訳ですよ。「慎重に」なんて言葉はここには向きません。彼らに追いつき、追い越すのがパナソニックのプライド、幸之助魂でしょう。」 
 
 
2000年代半ば以降、パナソニックは液晶パネルやプラズマパネルの工場への巨額投資に踏み切ったものの販売を十分に伸ばせず、テレビ事業は2011年3月期まで3期連続で赤字。現在、パネル工場の閉鎖や縮小などの処理を進めている。「同じ過ちを繰り返さない」(大坪社長)ためにも、有機ELテレビ用に新たなパネル工場を建てることには慎重な姿勢を取る。中国や台湾などのメーカーに有機EL技術を提供し、そこからパネルを調達することも視野に入れる。
  
 
「城戸コメント:テレビというのはブラウン管に始まり、有機ELで終わる(ピリオド)。プラズマや液晶なんて所詮は中継ぎ投手のようなもの。そこに巨額投資をするのがもともと大間違いだった。テレビの20年後を予測できれば、そんな無茶はしなかっただろうし、経営者たるもの冷静かつ大胆な行動が求められる。とりあえず、城戸の発言、注意して聞いてくださいね。20年先まで見えてますから。」
 
 
「有機ELテレビが登場しても、我々には関係ない」と強気なのは、シャープの片山幹雄社長だ。堺市の工場で製造する60型以上の大型液晶テレビの販売に力を入れる。「堺工場」では、60型以上の液晶パネルを効率的に切り出せる大型のガラス基板「第10世代マザーガラス」を世界で唯一採用する。そのコスト競争力を武器に、米国を中心に販売攻勢を強める。
 
 
「城戸コメント:液晶メーカーにとって有機ELが「関係ない」はずがない。サムスンだって60型以上のテレビが儲かるとあれば、すぐに販売を始めるでしょうし、強気でいられるのは今だけ。液晶パネル事業をシャープで立ち上げられた片山社長にとっては、有機ELは眼の上のたんこぶ。液晶の次は液晶とおっしゃられるくらいの根っからの液晶屋。これが会社として吉と出るか凶と出るかと言えば、凶とでる。片山社長がテレビ屋だったら、即、有機ELパネル採用となるんですけどね。」
 
 
ラスベガス市内の家電量販店「フライズ・エレクトロニクス」の一角には、シャープの大型液晶テレビがズラリと並ぶ。80型は4569ドル(約36万5000円)と高価ながら、「先週だけで4台売れた。何せ、この店で一番大きいからね」と男性店員。
 
シャープの60型以上の販売台数は、北米市場で2012年3月期に前年同期比5倍の100万台を超える勢いで伸びている。60型以上に限った場合、シャープの世界シェアは41.9%に上り、2位のLG電子(16.9%)や3位のサムスン電子(13.6%)を抑えて首位に立つ(2011年1~9月期、ディスプレイサーチ調べ)。
 
韓国勢が55型の有機ELテレビを発売したところで、60型以上の液晶テレビより画面サイズが一回り小さいので、直接競合しないというのが、片山社長の見立てだ。しかし、トップシェアを維持し続けられる保証はどこにもない。
  
 
「城戸コメント:何度も言うようですが、今だけ、です。保証なんてなし、です。液晶パネルメーカーで有機ELに技術シフトしない会社は、5年後にはなくなってます。私が保証します。」
  
  
60型以上の液晶テレビは値崩れしておらず、依然として高値で売られている。つまり韓国勢にとっては価格差を縮めるのが容易な市場と言える。
 
韓国勢が60型以上の有機ELテレビの量産に成功した時が、シャープにとっての正念場となる。
 
  
「城戸コメント:55インチも60インチ以上も、製造技術に大差無し。投資をしてラインを入れるだけ。韓国勢、すぐ追いつく。」
 
 
■ソニープレミアム復活へ
 
ソニーは「クリスタルLED」と呼ぶディスプレイ技術を開発中で、CESでその試作機を展示した。画面に赤・緑・青色の微細なLED(発光ダイオード)を配置し、それぞれを発光させて映像を表示する。次世代テレビとして実用化を目指している。
 
  
「城戸コメント:これ、実用化は無理です(ピリオド)。三菱電機のオーロラビジョンのように数千万や億以上の製品ならLEDも使えますが、家庭用のテレビには使えません。60インチ有機ELテレビの発光素子部分の製造コストは5年後には数千円でしょう。それに対してLEDのコストが数千万、がんばって数百万じゃあ、桁がいくつも違いますし。」
 
  
ソニーにとっては、2011年3月期まで7期連続で赤字を出すテレビ事業の止血が急務だ。2011年11月には収益の確保を優先し、むやみにシェアを追い求めない方針を打ち出した。2012年3月期の販売計画も当初の2700万台から2000万台に引き下げた。この方針を受けて、米国法人のフィル・モリニュー社長は、「昨年のクリスマス商戦では、薄型テレビの価格競争に参戦しなかった。値段を下げるのではなく、消費者に商品が持つ価値を訴えた」と語る。
 
以前、「ソニープレミアム」という言葉があったように、ソニーはその高いブランド力から、他社より高い価格でも製品が売れた時代があった。今後、テレビ市場でソニープレミアムの復活を目指す。
  
 
「城戸コメント:簡単なこと。ストリンガー会長、シャープに頭を下げて60インチ以上の液晶パネルを売ってもらってください。ソニープレミアムが今でもあればシャープより高く売れるでしょう。それに、欧米ではサムスンの方がすでにブランド力が上かも。」
 
  
日本勢は液晶テレビの開発で先行しておきながら、2000年代後半に世界シェアで韓国勢に逆転を許した。有機ELテレビでは立場が入れ替わり、今度は開発をリードする韓国を日本メーカーが追いかける番だ。韓国勢が演じたような逆転劇を、日本勢は見せてくれるだろうか。
  
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もう一度、日本勢がテレビ市場を有機ELで奪回するには、オールジャパンで挑むこと。
それだけ。
 
たとえば、以前のNEDOプロジェクトのように集中研方式。(現状のソニー中心のNEDOプロジェクトは分散研方式)
だから、山形大で材料、素子をオールジャパン体制で開発。
そして、東北大の大見研究所で装置、プロセスをオールジャパン体制で開発。
城戸と大見教授がタッグを組む。
ドリームチームです。
 
実用化は複数のパネルメーカー、装置メーカー等から事業部を切り離し、合弁で設立。
そこに産業革新機構から5000億ほど出資。
 
5年後にはMade in Japanの大型テレビが世界中の家庭で使われるようになる。
東北も復興する。
 
 
これしかないですね、日経の記者さん。
 
 
  
 
 
  
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