台湾と日本
(写真)台湾大学図書館
ただいま東京から米沢に向かう「つばさ」の中。
無事、帰国しました。
和食が食べたいので東京駅から「こんどう」に電話したら、なんと親方と女将さんと里美ちゃんが三人揃ってインフルエンザにかかって、お店はきょうと明日、お休みだとか。
いやあ、あの親方がインフルエンザとはねえ。
日頃、「風邪なんかにはかからないんですよ、精神力が違いますから。」なんて言ってたんだけど…。
で、台湾では昨日も台湾大学に行って高分子科学系の先生方とディスカッション。
そのお一人、Chen先生の肩書き。
Wen-Chang Chen, PhD
Professor of Chemical Engineering
Distinguished Professor and Director of Polymer Science and Engineering
National Taiwan University
Polymer Program Coordinator, National Science Council
と、台湾の高分子学会を代表するお方。
何を隠そう、うちのテニュアトラック助教のLiuさんの指導教授でもあって、一度は表敬訪問しないといけないなあと思っていたところ、招待されたのだ。
日本の高分子分野の先生方との交流も深くて、たびたび訪日もされる。
特に東京工大の上田充先生とは共同研究等を通して親しいとか。
何を隠そう、この管理人も上田先生が山形大の時代にはたいそうお世話になって、上田先生の美人の奥様の手料理もいただいたこともあるし、とにかく先生は恩人なのである。
そんな上田先生の話題で一時間ほど盛り上がり、台湾政府の科学技術政策や、予算規模、その他もろもろ話を聞いて来た。
夜はLED照明のベンチャー企業の社長などと、照明分野のこれからについて情報交換。
この社長、何を隠そう47〜8才とお若いのにすでに億万長者で、40才ですでに立ち上げたベンチャーを売却して引退し、3年ほど前にいまの会社を友人から進められて立ち上げたとか。
まあ、趣味みたいなもんですな。
うらやましいというか、何というんでしょうかねえ。
お金儲けと言うのはお金持ちになる為の手段ではありますが、その儲けたお金でどう社会貢献するかということが最終的な目的であるべきだと思うんですけどね。
まあ、人の価値観もいろいろ。
で、今回の台湾出張で改めて感じた台湾と日本の似てるところと違うところをざくっと列挙すると以下のとおり。
まず、似ているところ:
・島国
・モノづくりのうまいところ
・政治家のレベルが低くて、政治が不安定
違うところ:
・日本、保守的 X 台湾、積極的
・日本、内向き X 台湾、外向き
・日本、ベンチャー成功せず X 台湾、ベンチャー多し
で、もう少し具体的に説明を加えると、
同じ島国でも人口の違いがその積極性の違いに現れてる。
というのも、日本はマーケットの大きさがそこそこあって、国内の市場だけでも大企業が成り立つ。
江戸時代のように鎖国してもなんとかやっていける。
けど、台湾は国外市場に目を向けなければ商売成り立たず。積極的に海外進出する。
だから、台湾社会も国際化が進んでいて、台湾大学では教授は海外で博士課程を終了している国際派が多数を占めてるのが興味深い。
国内だけで威張り散らす日本の学界の井の中の蛙教授とはスケールが違う。
それに、成功者を讃える台湾の雰囲気はアメリカ的で、金持ちがねたまれる閉鎖的な日本とは大違い。
だから、日本ではベンチャーが育たないし、育てようとする雰囲気、インフラもないし、そんな社会でベンチャーをやってみようとする志の高い若者も育たない。
だから成功するベンチャーが極めて少ない。
いまだに日本の大学では、給料横並び。
教授が学長の給料を超えることは許されないし、高給で外部からエース級の超一流を招聘することもできない。
スポーツの世界を見てもわかるけど、選手であるイチローの年収を超える監督なんてあり得ないのである。
なにが、誰が、そのチームの売りなのか、価値なのか、それで年収なんて決まるのである。
とにかく閉鎖的な日本の社会。
何度もこのバカブログで書くけど、少子化、税収激減、こういう状況では、地方大学は20年後には消滅するのは眼に見えてる。いまこそ学長が本気で改革しないといけないんだけど、結局は現場感覚のない上から目線の人だったり、保守的な取り巻きのいうことを聞くだけでなにも実行できない人だったりする。
今回のように改めて外から日本を見ると、この国、かなりヤバいと言うことを再認識させられた。
坂本龍馬のような人物が現れて神風を吹かせてもらうことを祈るばかりなのだ。
そうだそうだと思う人、クリック↓
« 感動のコマーシャル | トップページ | 韓国 »