一流と二流のあいだ
午前も午後一も来客の連打で、2時過ぎに福島に向けて車を走らせた。
福島駅前のホテルで会合があって、1時間半ほどの講演を頼まれてたのだ。
米沢ー福島間は山越えで信号もなく、高速道路のように走れるので1時間に一本しかない新幹線より車の方が圧倒的に便利。
で、一流と二流の違い。
実は、オフィスを出るときに、秘書がたずねた。
「会場から電話があって、駐車場を教えたいので、着いたらフロントに来て欲しいとのことです。携帯電話の番号を聞きましょうか?」
何を言いたいのか、まったく意味不明なので、
「携帯番号きいてどうするんですか?」
と聞くと、
「前もって電話して駐車場の場所を聞いた方が便利だと思いました。」
嗚呼…
一流の秘書なら、電話があった時点で駐車場を記した簡単な地図をファックスしてもらい、ボスに手渡す。
二流の秘書なら、自分でフロントに電話して、駐車場の場所を聞いてボスに伝える。
なんて思いながらも、
「いいよ、いいよ、言われたとおりにフロント行くから。」
と言い残してオフィスを出た。
ホテルは駅前で、ナビの設定の必要もなし、半分居眠りしながらも楽々30分前に着いた。
けど、
ホテルの前は道路で車寄せがない。
おいおい…、どこに車停めてフロントに行くねん、
と思いながらも、目の前の一番近いしかも混んでる駐車場に、なんとかおケツから押し込んでフロントにたどりつくと、契約駐車場はこちらでございますと言って、一枚の紙切れをくれた。
「あの〜、目の前の駐車場に停めたんですけど」
と言っても、
「目の前の駐車場では料金がかかります。」
というので、かなりむかつきながらも、車を取りに行って、たった5分の駐車に対して150円払って、別の駐車場に移動した。
で、再度フロントに行って、駐車券を差し出すと、お帰りの際に駐車時間に相当する分をお支払いいたします。と言った。
さすがの人間コアラと呼ばれるくらい温厚な管理人も、
「あのなあコラ、フロントに来いっていうから、目の前の駐車場にわざわざ停めてフロントに来たのに、別の駐車場行けとか、しかも今の駐車場の代金を客に支払わせるだの、おまえのところは三流ホテルか!ボケッ!」
って心の中でつぶやいて、眉をしかめながら3階の講演会場に向かった。
会場の受付で、担当の方から挨拶されて、そのときに
「車はホテルが移動しましたでしょうか?」
と不愉快な質問をされた。
そこで管理人、
大きな目を点にして
「いったい何のことですか?」
と答えると、
「フロントで名前を名乗らなかったのですか?」
と聞き返す。
あのね〜
だいたい、フロントで名を名乗れなんて、わたし、天地神明に誓って、まったく聞いてないんですけど…。
結局は、主催者は講師がフロントで名乗れば、ホテルの担当がホテル前から駐車場まで移動し、帰りもホテル前まで持ってきてるように手配していたのだ。
ふ〜。
主催者の担当が一流ならこうするね。
まず、講師に前もって、
「当日、お車で来られる際には、ホテルの従業員用の出入り口のところに車をお停めいただき、フロントで名乗っていただき鍵を預けていただけますと担当が駐車場まで移動いたします。」
と、たった二行の伝言をファックスあるいはメールする。
ちょっとむかつきながら、控え室で休んでいると、iPhoneにオフィスから電話がかかって来て、「主催者から、まだ着かないから心配している、と電話があった」と火に油を注ぐので、「今、着きました。」と冷静を装った。
だから、口頭での伝言は、これだけ間違って伝えられて、当事者を混乱の渦の中に巻き込む可能性があるのだ。
それが想定できてないのは一流と言えるか?
あまりにも不愉快なので、講演を30分ほどで適当に切り上げて帰ったろか、と思ったけど皆さん真剣に聞かれるので、結局は熱っぽく90分しゃべりまくってしまった。
講師にいったん悪い印象を与えると二度と講演うけてくれないから要注意だからね。
福島には二度と行かん!
と、ブツブツ言いながら夜の栗子峠を法定速度内でぶっとばした管理人なのであった。
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