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2008年5月21日 (水)

UCLA

 
 
きょうは、まだSIDで有機ELセッションが本格的に始まっていないので、UCLAにいってきた。
 
中学生の頃だったか、兄が買ってきた「POPEYE」という雑誌に、アメリカの西海岸が紹介されていて、それがとても新鮮で好奇心を著しく刺激したのでアメリカにいつかは行くのだと心に決めていた。
中でもUCLAは西海岸文化の発祥地のようなイメージで、そのころの自分にとってはある意味アメリカの象徴であり、あこがれの地でもあった。
 
そんなUCLAなんだけど、今ではYang Yang教授と言うとても親しい友人がいて、数年前にはひと月ほど滞在してLA生活を堪能できたし、やっぱり夢をもって信じていればそれはいつかかなうのだと言うことを体験させてもらった大学でもある。
 
そんなことをウツラウツラ考えながら、キャンパスを歩いて数名の教員達の研究室を訪問して情報交換した。
中には、ノーベル化学賞を受賞された故マクダイアミッド教授のお弟子さんがいて、いまでも導電性高分子の研究をしておられる。
たとえばポリアニリンという導電性高分子の研究は、やり尽くされていると思ってたんだけど、この人の研究室では目からウロコが落ちるような研究成果が目白押しだった。
 
たとえば、ガスセンサーにも応用されていて、極めて低濃度で人間の鼻でにおわない程度のアンモニアを検出できたり、いま社会問題になっている硫化水素ガスの検知も簡単にできてしまう。
 
ほかにも、鋭い切り口で研究を展開されていて、その鋭さにゴメンなさいと頭を下げようかと思ったくらいだ。
 
彼は学生の頃は、ポリアセチレンという導電性高分子の研究を行っていたんだけど、結局この高分子は安定性が低くて実用化に至ってはいない。
「ポリアセチレンは実用化されなかったけど、多くの博士を生み出すのに貢献した」と冗談を言ったので、ゲラゲラ笑った。
 
今回もいい知り合いができた。
 
この20年、こうやって知人を世界中に増やしてきた管理人なんだけど、最近の若手教員は国際学会に出席しても、関連機関を訪問しない。
だから、世界を股にかけて活躍できる人が育っていないんじゃないかと心配していて、もっともっと、積極的になって欲しいと思う今日この頃なのだ。
 
 
講演しろと言うことだったので、ナノテク研究所(California Nano Systems Institute, CNSI)のすばらしいオーディトリアムで、例のごとく有機EL照明の開発の話をして14cm角のパネルを光らせて見せた。
Yang教授によるとナノテク関係の話で初めて実用化の話を聞いたと言って聴衆が感心していたらしい。
  
そうだなあ、ナノテクの名の元に研究されてるのは基礎研究が多くて、ほとんどのものは実用化を目指したものじゃあないからね。
 
 
夕食は、Yang教授に連れられて関係者らと行きつけの中華レストランに行った。
朝から歩き、しゃべりまくった一日だったので、青島ビールが格別にうまかった。
 
 
Photo
 
 
Photo_2
 
V.I.P. Harbor Seafood
11701 Wilshire Blvd., tel. 310-979-3377


 
 
 
 
 
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