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2008年3月

2008年3月31日 (月)

海外旅行の必需品

  
 
昨日、無事帰国。
 
眠い〜。
 
今回は、結構自分としては長旅で、しかも随分まじめに勉強もした。
特に、有機半導体の分野で、有機EL以外の太陽電池やトランジスタの現状や課題、各国の取り組みについて、おいしいところを抽出できたように思う。
 
 
ところで、
 
今は、昔と違って、長期海外旅行でもネット環境が整っていて、国内出張とかわりなく情報は収集できるし、連絡もつきやすいので助かる。
 
国内旅行となんら変らない。
 
鈴木さんからのレストラン情報も、サンフランシスコに管理人がいることをブログで嗅ぎつけられて、すぐにいただいたのだ。
 
 
そこで、
 
きょうは、海外旅行の達人を自称する管理人の装備を紹介したいと思う。
と言っても、たいしたもんじゃないけどネ。
 

Photo

 
まず、欠かせないのはノートパソコン。
いまや、国内外の学会発表では、OHPなど準備されてなくて、常にパソコンの使用が義務づけられている。だから、ノートパソコンは必需品なのだ。
 
それに、メールも不可欠で、学生とのやり取り、共同研究者との打ち合わせ、秘書からの連絡、などなど、とにかくメールがなければ外部との接触がままならない時代だからね。
 
もちろん、最近のホテルでは有料、無料の差はあっても、LANが標準となってきている。
 
 
次に必要なのが、Skype(スカイプ)。
 
マック左の白い電話。
これは、ネット電話みたいなもんで、Skype同志だったら通話料はタダ。
一般電話にかけるSkype Outでも、1500円の使用料をSkypeに払っておけば、国際電話でも何時間でもしゃべれる。
 
だから、有料の場合、たとえホテルにネット接続料の10ドルなりを払っても、メールのダウンロード以外に、国際電話を含む電話がほぼかけ放題になるので超お得だ。
ネット使用料が無料の場合には、国際電話もタダになるということになるからすごくないか。
 
特に、管理人の場合、毎日自宅に電話して愛妻と愛娘と話をするので、これは大助かりなのだ。
 
 
あと、今回、重宝したのが、携帯電話。
 
ドコモと出張時の予備としてauのInfobar2の2台を使ってるんだけど、最近、ドコモを最新のに機種交換した。
マック右側、SO905iCSね。
 
これがWorld Wingという海外でも使える機種。
最初は、出国時に何らかの手続きが必要なんじゃないかと思ってたんだけど、以外や以外、成田空港でなにもせず、そのマンマ持ち出して、単に、現地で携帯を立ち上げると向こうの電話会社AT&Tに接続した。
 
ちょっと、感動したな。
 
しかも、試しに電話帳に登録してある自宅に、日本国内と同じようにメモリからダイヤルすると、自動的に、現地からの国際電話の発信となって、ごくごく自然につながった。 
 
Skypeから携帯に電話してもつながったし。
 
かつて、管理人の妹が大阪から東京に電話する時に、電波が届きやすいといって東京の方に携帯を向けてたんだけど(ひょっとしたら今でもそうかもしれない)、別に太平洋の向こうの日本に携帯を向けなくてもクリアな通話ができる。
 
 
現地に知り合いがいてちょっと連絡とりたい時や、レストランの予約をしたい時なんか、電話ボックスがレアな今となっては携帯は必需品だしね。
だから、CatchとかHouse of Prime Ribとか現地のレストランの電話番号も今回ずいぶん登録した。
 
それに、グループで行動する時には、今回のようにプーさんが迷子になったりする人が必ず一人はいるんで、そんな時に携帯の有り難みを実感した。
 
 
 
自分自身が研究者なんだけど、科学技術の進歩の早さに驚きながらも感謝した今回の出張であった。
 
 
 
読者の皆様も、SkypeとWorld Wing携帯は、わすれずに。
 
 
 
 
 



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2008年3月29日 (土)

Meeting is Eating

  
 
今日は、現地時間の金曜日、MRS Spring Meetingの最終日で、有機EL Day。
早朝8時からセッションが始まって、ちょっと遅れそうになってあせった。
 
というのも、2番目の講演で最初の講演前にいってコンピュータを接続する必要があって、7時45分には会場入りしないと行けないからだ。
 
7時45分やで。
 
今回は、「超長寿命有機EL素子」に関して発表した。
世界一の寿命を達成したので、それをこれ見よがしに専門家達に公開したのだ。
なにせ、1000カンデラ/平米の輝度で、20〜30万時間の輝度半減、100カンデラ/平米と小型液晶程度の輝度なら、400万時間から600万時間は光り続ける。
ざくっと、500〜600年だ。
 
  
液晶屋、文句ないやろ。
 
 
実は、今回は久しぶりの一般講演で招待講演じゃなかった。
一般読者の人に説明すると、学会の講演では、ステータスの高い順から、基調講演、招待講演、そして一般講演となる。
 
基調講演は、その学会、会議の方向性なりなりをその学会の第一人者が参加者全員に向かって話す。だから、会場には数百人から千人を超える聴衆がいる。招待講演は、分科会、各セッションで主催者が依頼する講演。だから、聴衆の数は200〜300くらいか。
一般講演は、研究者が論文を投稿して採択されて行う講演で、興味にある人が聞きに来るので、招待講演より聴衆の数は若干減る。
 
 
今から、19年前に、助手として山形大学に奉職した時に決心したことがある。
・ 毎年海外の学会で発表する。
・ 講演は必ず口頭発表する。
・ 5年以内に招待講演できる研究者になる。
・ いつの日にか、数百人を前にして基調講演できる研究者になる。
 
正直言って、自分自身の弱さ、欠点を自分自身が一番知ってる。
信じられないかも知れないけど、人前で話すことが不得意だったボク。
それを克服したかったので、研究発表はとにかく口頭発表で申し込んだ。申し込んだらやらざるを得ないので、努力するからね。
ポスター発表は、竹刀で練習する剣道みたいなもんだけど、口頭発表は真剣で斬り合う命がけの勝負なのだ。
 
こうやって、自分自身を崖っぷちに追い込んで鍛えた。
 
おかげさまで、30代ですでに基調講演させていただける研究者になれた。
 
だから、若い人達には持てる能力以上のチャレンジを常に続けて欲しいと思う。
でないと、国際会議で基調講演できるまでには絶対に成長できないから。
 
それと、外国に行った時はMeetingに参加するだけじゃなく、その国のトップの研究者、同世代の若手研究者を積極的に訪問した。そして、夕食を共にし、その土地の美味しいものをいただきながら、ぶっちゃけ話をしてこの分野の仲間を増やしていった。
 
  
だから、管理人にとっては、
 
MeetingはEating
 
なのだ。
 
 
Yang教授やSo教授などは、その当時からの友人で、今はお二人とも研究分野のトップサイエンティストとして学会を引っ張っていて、お互い助け合っている。
 
今回にしても、新進気鋭の九州大の安田先生や赤對さんとじっくりお話しする機会を得られた。
この分野の若手研究者は多いけど、このお二人は間違いなく、これからの有機デバイス分野を引っ張って行く人達だと思う。
 
  
お二人さん、
タダより高いものはないこと、覚えといてくださいね。
これ、万国共通だから。 
 
  
さて、
 
 
きょうのEatingは、シーフードいただきに「Catch」へ。
Catch, 2362 Market St., tel 415-431-5000

ここは、あのグルメサイエンティストでブリブリ言わしておられるダウコーニング社の鈴木さんのお勧めなのだ。
マリオットホテルから、タクシーで約10分、11ドルの距離。
悪くない。
  
 
Photo
 
 
前菜は、フライドカラマリとマッスル貝。
このピリッとしたカラマリ(イカリング)は、全米でもトップスリーに入ると思う。
なんともサクッと揚がり、ピリ辛具合がちょうどいい。
  
マッスル貝も、ソースがあっさりとしてるけど深みのある味で、全米ランキングトップスリー入りした。
  
 
Photo_2
 
 
スープは、管理人はロブスタースープをいただいたんだけど、これも通常のロブスタースープとは違いCatch風に仕立ててあり、おいしかった。
 
 
Photo_3
  
 
メインは3人ともシーフードシチュウをいただいた。
日本人はこれが好きなのだ。
トマトベースのスープは、奥深く、量も多くてみな大満足だった。
けど、ちょっと汁物が続いてしまったナ。 
 
 
Photo_5
 
 
(写真)あったかいチョコレートのかかったブラウニーはウェイターのオススメ。まいう。
Photo_6
  
 
カリフォルニアの白ワインがはいり、話題も研究の話、研究室の運営の話のような真面目な話から、バカ話まで、日頃、じっくりできない幹部会を開いて方向性が決まった。
 
 
 
Meeting is Eatingを実践したこの一週間、ちょっと食べ過ぎたかも知れないけど、実りが多かった。
だから、将軍様、許してネ。
 
 
  
 
 
 
 
 
 
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2008年3月28日 (金)

Dungeness Crab

 
 
太陽電池のセッションも終わり、きょうはトランジスタの日だった。
 
有機トランジスタといっても、いろんな材料、いろんな構造、いろんな作り方があって、一日聞いていると最先端の状況がよくわかった。
 
一つ言えるのは、学者さんというのはあまりコストのことを考えていないということで、10に一つ位しか最終的に実用化される可能性が有るのは、ないなと思った。
トランジスタと言えば、すでにシリコンを使ったものが大量生産されており、それに取って代わるには、コストが半分以下にならないと無理なのだ。
だから、特殊な方法や手の込んだ方法で、いくら性能が追いついたとしても実用化されることはない。
 
 
夕食は、サンフランシスコといえばやっぱしカニでしょうということで、「Crustacean(クラステーション)」へ。
グルメはフィーシャーマンズワーフなんて観光客が行く値段一流・味三流店には行かないのだ。
 
 
(写真)オリエンタルな店内。
Photo
 
 
ここは、ネットでたまたま見つけたんだけど、メニューを見て唾をゴクリと飲んだ。
宿泊しているマリオットホテルからタクシーで5分程度、料金で7〜8ドル。
結構近いのも有り難い。
 
Crustacean
1475 Polk Street, tel 415-776-2722
 
フレンドリーなウェイトターがオススメのフライドカラマリとプーさんオススメ(?)のエビの春巻き揚げ、そしてローストクラブ(カニ)とガーリックヌードルを注文した。
  
 
(写真)さくさくのエビちゃんです。
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(写真)一味違うフライドカラマリ、日本語ではイカリングね。
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ナパの白ワインをいただきながら、次々としかもタイミング良く出てくる料理をいただきながら、なぜヨーロッパ人は日本人よりたくさん休暇を取るのにキチンと成果を出せるのか、という話になって、結論として、管理人の説、ヨーロッパでは、DrとMrの役割が決まっていて、Drの研究員はMrの技術員に指示を出すだけで自分で実験しないからだ、ということで納得してもらった。
日本では、研究員が自分で実験計画を立てて、自分で実験して、自分で会議に出席したりするから時間がいくらあっても足りないのだ。
 
ヨーロッパのように日本でもDrの地位が上がって役割分担できれば、みなハッピーなんじゃないかなあ、と思う。
 
なんて言ってると、独特のスパイスでローストされたDungeness Crabと呼ばれるワタリガニの大将みたいなのが出てきて、みなしゃべらなくなった。
 
 
(写真)きょうのメインはこいつ。デカイです。
Photo_4
 
 
(写真)見た感じギトギトテカテカしてます。
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(写真)おりゃ、いくで〜、って感じのお二人。
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(写真)手も、口も、ギトギト。通風なんか恐ないで〜。
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こんなカニはいままで味わったことなくて、目からウロコというか、ほっぺが落ちるというか、クセになるというか、病みつきになるというか、とてもおいしく味付けされたカニだったのだ。
 
 
毛ガニ、お前の負けや。
 
 
デザートにはフライドバナナをいただいたんだけど、これも結構なものでした。
  
  
(写真)最後は軽〜く、フライドバナナで口直し。
Photo_8
 
  
いや〜、満足満足。
  
 
午後8時にはホテルに戻り、腹ごなしにポスターセッションの会場に向かった。 
  
 
 
 
 
 
 
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2008年3月27日 (木)

Science Art Competition

 
 
きょうは、プーさんがポスター発表を行った。
 
通常、ポスターセッションは夜開かれるのだけど、きょうは12時から2時の昼食の時間帯だったので、みな、主催者から振る舞われたローストビーフサンドイッチを頬張っていた。
  
 
(写真)久しぶりに仕事をするプーさん
Photo
 
 
ポスターの隣には、ずらっとキレイな写真が並べられていたので、何かなと見たら、電子顕微鏡でとったナノメーター、マイクロメーターサイズのいろいろな物質の結晶などの写真だった。
 
 
Photo_2
 
 
コンテストをやってるらしくて、それぞれ番号が振ってあって、投票できるようだ。
 
管理人の好みはこれ。
 
 
Photo_3
 
 
「Field of Silicon Oxide Sunflowers」 と題した酸化シリコンの結晶の電子顕微鏡写真。
偶然とは言え、すごいよな。
結晶成長させる時に、容器に「ありがとう」とか、「愛してるよ」とか、書いとけばできるんだろうか。
 
2番目はこれ。
 
 
Photo_4
 
 
「Andy Warhol’s Flower」と題したAlGaN結晶の写真。
写真そのものはたいしたことないけど、画像処理して色付けし、それを4枚組み合わせてアンディ・ウォーホールの絵のようにしたところが芸術的と思う。
 
これらの映像は、サイエンティストだからこそ垣間見ることができるご褒美か。
 
  
 
夕食は再びチャイナタウンへGO。
旧知のフロリダ大のSo教授と九州大の安達教授、安田助教と学生さん、そしてうちの二人。

もちろん、専門の話もしたんだけど、あまりにも話題が多岐にわたりここでは書き尽くせない。

おもしろかったのが、安田さんからうかがったフォトニッククリスタルの作り方を日大の松下先生から学んだという話。
松下先生は、とてもオモシロイ人で管理人もひょんなことから存じ上げていた。
こんなところで、松下先生のお名前が出るとは以外にも以外で、ちょっとうれしかった。
 
松下先生、子育て頑張ってください!
 
 
(写真)左、プーさん、右、So教授。
仕事が終わってチンタオビールを飲みまくるプーさん。
So
 
 
(写真)左、安達さん、右、中山さん。
Photo_5
 
 
安達さんはマジメなのか、不真面目なのか、微妙な路線を走っておられるんだけど、噂に聞く指導者としての学生の評価は高い。 
 
  
(写真)左、安田さん、右、今田耕司。
Photo_6
 
 
安田さんは推定年齢32歳、独身、恋人募集中。
推定年収700万だけど将来に期待。
ぜひ、と言う方は管理人までご連絡ください。
ちなみに、女性の好みは、推定ですが新垣結衣です。
  
今田さん、じゃなくて赤對(しゃくつい)さんは、博士2年の学生さんながら新婚5ヶ月。
まだまだ、結婚生活の何たるか、をご存知ないようだ。
サンフランシスコに来て、この3日間、スーパーで買ったヨーグルトで飢えをしのいでおられたと聞いて、中華をお腹一杯食べていただいた。
 
 
Photo_7
 
 
ここの料理の一押しは、真ん中の「エビマヨ」で、日本のエビマヨとは一線を画している。
ぜひぜひ、お試しください。
 
 
 
結局、きょうもノドから逆流するくらい中華を詰め込んでちょっと後悔しつつも大満足の夕食だった。
 
学会はたのしい。
 
  
  

   
 
 
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2008年3月26日 (水)

Academic Prostitute

  
 
学会に参加してるのに、学術的な話が全然掲載されないというのは、大学教授のブログとしてどうかと思われるかも知れないけど、ブログはほんの息抜きなので、仕事の事は忘れさせていただきたい。
 
けど、まあ、今回はサービスしてちょっとだけ学会の話に触れたいと思う。
 
 
学会の朝は早くて、きょうは朝の8時半から有機太陽電池のセッションがずっと続いた。有機半導体デバイスの分野では、最近、太陽電池がすごく活発になっている。
 
というか、最近、研究者が異常繁殖しているように思う。
 
一方、我らが有機ELの研究は論文数がすくなくなってきた。
というのも、エネルギー問題、CO2の排出量削減、環境、その他もろもろ政治的な背景も含めて太陽電池が期待されてるからだ。もちろん、国の予算も、注目されてる分野に重点配分されるので、別の見方をすると、太陽電池を研究すれば研究費を獲得しやすくなる。
 
有機ELは、ディスプレイ産業が米国内にはほとんどなく、しかも製造の拠点がアジアということで、2〜3年前から有機ELに対して研究費が付かなくなって、それまで有機EL屋だったのが、いきなり宗旨替えして太陽電池屋になり、研究人口がぐっと増えたのだ。
 
 
だから、こちらでは大学教授はお金(研究費)欲しさに、平気でシッポを振るので「Academic Prostitute」と呼ばれるのだ。
 
 
きょうのセッションでも元有機EL屋を会場で見かけた。
 
 
夕食は、中山さんとプーさんを連れてタイ料理レストラン「AR ROI」へ。
ここは、数年前から行きつけにしているお店で、最近増えたタイ料理店の中でもオイシイ方だ。鈴木さんに連れてってもらったボストンのタイ料理店を全米で1番とすると、ここは2番だ。
 
  
643 Post Street, tel 415-771-5146
Photo
 
 
タイ風フライドカラマリに始まり、ピリ辛手羽先、定番のグリーンカレー、レッドカレー、パッドタイ、ピリ辛シュリンプ、などをタイビールと一緒にハフハフいただくとお腹がパンパンになって動けなくなった。
 
 
(写真)カラマリとはイカのことネ。
Photo_2
 
  
Photo_3
 
 
Photo_4
 
 
部屋に戻って、休憩してからポスターセッションの会場に向かう。
ここでも太陽電池の発表を中心にたくさんの研究発表があって、サービスのワインやビールを飲みながらディスカッションするのだ。
 
腹ごなしのつもりでブラブラ歩きながらポスターを眺めていると、宮木君のポスターがあった。
彼は山形大卒業生で、今はJSRと言う会社に勤めていて、最近ではスタンフォード大学のバオ教授の研究室へ留学しに来ている。
 
ポスターはあれども本人の姿が見当たらないので、ポスターの隅っこに
 
「城戸参上!!」
 
と落書きして、行こうとしたら本人が戻ってきた。
 
 
Photo_5
 
 
左が宮木君ね。右じゃないよ。当然か。
Photo_6
 
 
電子輸送性のポリマーを合成して太陽電池やらトランジスタに応用していて、なかなかのモノだ。
あと、2ヶ月で帰国しなければならないと残念そうにしていた。
 
 
会場では、東京大の染谷隆夫先生にバッタリ出くわした。
染谷先生は、有機トランジスタの専門家で、素子そのものよりそれを使った装置を開発されている日本を代表する研究者だ。
 
見た目は、映画「Shall we dance?」のちょっとポッチャリしたおっちゃんに似てて愛嬌がある。
Cuteな奥様が、このバカブログの読書ですよ、と、うかがったので、ちょっと御挨拶を、
 

「おくさ〜ん、旦那さん、ちょっとワイン飲みすぎですよ〜。」 

 
 
 
 
 
部屋に戻ったのは午後10時だった。
 
学会はたのしい。 
 
 
 
 
 
 
 
 
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2008年3月25日 (火)

We visited the Mothership



きょうは、現地時間の月曜日。
MRS学会で講演を聞いた後、打ち合わせのため企業に向かった。
 
青い空の下、サンフランシスコからCalTrainという電車に揺られて約1時間で目的地に到着。
タクシーでCupertinoという町にあるApple社を訪問したのだ。
  
 
Photo
 
 
Photo_2
 
 
スティーブにiPhoneに有機ELを搭載することを提案しようと思って来たんだけど、会社の入り口のところで、管理人が誰であるかまったくわかっていないアホ守衛にアポナシでは会えないとニベも無く面会を断られた。
 
 
(写真)なんだかうれしそうなマックフリーク二人。
Photo_5
 
  
仕方なく、お供のキジとサルを伴って隣接するショップに出かけて行き、Tシャツとかいろいろapple goodsを買った。
 
  
T
 
 
プーさんも、管理人と同じく根っからのマックフリークで、聖地に来れたと興奮しつつ100ドルも散財していた。
 
 
(写真)キーホルダーを手に、子供の顔に戻った一瞬。
Photo_3
 
 
アンチマックの中山さんも、聖地の空気を吸い込んだら、ウィンドウズの汚らしいバイ菌が殺菌されたのか、マック信者になった、、、ようだ。
 
 
Photo_4
 
 
夕食は、昨日ご馳走になったお礼にYang教授家族をお招きして「House of Prime Rib」へ。
 
ここは、アメリカ牛を一番美味しくいただけるステーキハウスで、店名が表すようにプライム・リブの専門店。
この十数年、MRSでサンフランシスコに来るたびにここに来ている。
 
これまで全米でプライム・リブを二十数キロは食べただろうか、ここが間違いなく、一番なのだ。
 
 
1906 VanNess Ave., Tel 415-885-4605
Hpr
 
 
Photo_7
 
 
フォークと大きさを比べてみてネ。 
Photo_6
 
  
肉好きは、ぜひともお試しいただきたい。
人気店なので予約は必須。
 
 
 
二日連続のフォアグラダック状態で、
明日からちょっと理性を働かせたいと思うきょうこのごろである。
 
 
 
 
 
 
 
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2008年3月24日 (月)

サンフランシスコのチャイナタウン

  
  
昨日のエントリーで卒業式の話をしたと思ったら、きょうはサンフランシスコに来ている。
 
常連となっているMaterials Research Society(MRS)のSpring Meetingが開かれているのだ。
今回は、お供のキジやサルとして、准教授の中山さんと助教の夫(プー)さんを連れてきた。
  
 
(写真)ユニオンスクエアの桜
Photo_2
 
 
日曜日の夜7時に成田を出発して、サンフランシスコ国際空港に日曜午後1時過ぎに到着し、ホテルへは2時ころ到着。
 
機内では、「Enchanted」というディズニー映画を見て、食事して、本を読んでいたら眠くなったので寝た。「Enchanted」は娘は喜ぶかも知れないナ。
 
起きたら到着1時間前で、あっという間のフライトだった。
 
空港では、管理人と中山准教授は、スムーズに入管を通り抜けたけど、プーさんは拉致され小部屋に連れて行かれて30分ほど出てこなかった。
何かしでかして、三浦事件のように指名手配されてたのか心配になったけど、そうじゃなかったらしい。
 
 
 
今回、機内に持ち込んだ本は、「ビジネスプランニングの達人になる法」で、志村勉という人が著者で、というか、うちの教授で、MOTで教鞭をとっておられる。
だから、先ほどの「眠くなった」というのは、単に赤ワインをしこたま飲んだので眠くなっただけであって、本がつまらないから眠たくなったんじゃない、からネ。
 
実は、先週、生協食堂に入ったら志村先生がカレーを食べておられたので、隣でいっしょにカレーを食べたのだ。
 
その時に、本を出版したので差しあげます、といっていただいたのがこの本だったのである。
  
 
Photo_3
 
 
管理人のこれまでの経験および観察からいうと、成功するベンチャーというのは、単に「経営者の能力が秀でている」のであって、ビジネスプランニングをキチッとやれば誰でも成功する訳じゃない。
 
たとえば、スポーツでもメンタルトレーニングやフィジカルトレーニングの本をいくら読んで実践してもイチローや松井のようにはなれないのといっしょ。
 
だから、「ビジネスプランニングの達人になる法」を読んでも、プラニングの達人になれるかも知れないけど、ベンチャーで成功するとは限らない。
その辺のところ、一般の読者は勘違いしないようにネ。
 
 
ベンチャーの成功者は、みな「不屈の精神」と「動物的カン」を備えていて、タダの人が本を読んで成功者に慣れるほど、世の中甘くないのだ。
 
 
夕方は、UCLAのYang Yang教授の家族とチャイナタウンに行った。
6時にロビーで待ち合わせという約束だったけど、プーさんが15分過ぎても来ない。
また、拉致されたかと心配になったけど、お腹が空いてきたし、6時半に予約したというので、プーさんを待たずにでかけた。
 
きょうはプーさん、問題児。
 
ここのチャイナタウンは面積的には、中国以外ではもっとも広いチャイナタウンで有名だけど、横浜の中華街と同じく観光客向けのダメダメ店が多い。
  
けど、昔からひいきにしている「Great Eastern Restaurant」は、リーズナブルな価格で満足度120%だ。
 
 
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前菜盛り合わせ、海鮮スープ、北京ダック、豚と野菜の炒め物、蒸し鶏、新鮮なエビ、野菜、チャーハン、チンタオビール、お腹がパンパンになってまるでサンクスギビングの七面鳥のようになってしまった。
こんな姿を将軍様に見られてはマズイ。
 
 
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場所はここね↓ 皆さん是非お試しを。
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ご馳走さんでした。
 
 
 
 
 
 
 
 
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2008年3月23日 (日)

卒業式

  
  
昨日の午前中、山形大学工学部の卒業式があった。
 
うちの研究室は、学部生は全員が修士に進学で、修士のうち一人だけ博士に進学するので、ほとんどの修士の学生とは昨日でお別れ。
 
修士には、学部から進学したものや、日大から来た権守や和歌山大から来た安川のように、外部からも進学してくる。
 
学生数が多くなり、それぞれ頭のいい悪いはあるけど、顔のいい悪いはあるけど、足の長い短いはあるけど、家族のようなもの。
  
社会に出て、活躍してくれるととてもうれしい。
 
新学期が始まるまで、ちょっと寂しい今日この頃なのである。
 
 
 
 
最後の晩餐ならぬ昼食会は「ミートピア」へ
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ここのお肉は、米沢牛中の米沢牛。本物です。
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千葉は博士課程へ進学。優秀学生賞を何かの間違いか、いただいた。
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誰からか、花束をもらった高橋。修士に進学です。
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卒業式直後の風景
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はい、みんなで集合写真。
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がんばりや。
 
 
 
 
 
 
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2008年3月20日 (木)

竿師

 
 
きょうは、久しぶりの覆面座談会。
最近オープンした「生の蔵」が会場だ。
 
魚がうまい。
 
 
Photo
 
 
ある大学事務員のアホさ加減、ある大学教員のモノマネ、あるナマグサ坊主のリッチな生活ぶり、大学発ベンチャーのあるべき姿、米パン、越後屋、越前屋俵太、今、直面している課題に関して徹底的に議論した。
 
 
たまに、話が脱線するのがこの座談会の面白いところで、
メンバーのN氏は、海や川の魚釣りはしないんだけど、陸での釣りには自信があるらしく、ご自慢の「竿」を振りかざして、若い時はブリブリ言わせたという。
 
奥様を隣にして、言いたい放題で、
それは、ちょっとまずいんじゃないかと思ったんだけど、奥様もザックバランな方で、旦那さんをケツの穴が小さいヤツで、とズバッと指摘される。
除雪機を買うのに、30万円台の手動式より、もう10数万たしてハイブリッド式を買いなさいといった豪傑である。
 
まあ、5分で人を見分ける能力のある管理人、旦那はBB(ボンボン)的なところがあって、奥様の手のひらの上で踊っているタイプだから、ある意味、ベストカップルかも知れない。
 
 
平均的な大学教授は、2着で2万円のねずみ色の背広を着て、冬なら長靴はいて、自転車をギーコギーコこいでくるんだけど、このメンバーは、大学発ベンチャーを成功させて個人資産100億を目指す志の高い仲間が集っている。
これから、大学を改革しようということで意見が一致したんだけど、
 
 
できるのか。
 
 
仲間がいるっていいことなんだなあと思いながらベッドにもぐり込んだ。
 
 
 
 
 
 
 
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3月25日のテレビ放送について

 
 
管理人が「シテ」で出演する番組の放送が近づいた。
時間帯が以前お知らせした時から変更しているので、ご注意いただきますよう。
 
 
・日 時:3月25日(火)午後3時〜3時30分
・放送局:NHK教育
・番組名:高校講座「科学はたのしい!」 化学編
 
 
  
どうぞ、お見逃しなく。
 
 
 
 
 

2008年3月19日 (水)

親の気持ち

  
 
先週末に、娘のソロバン検定があって、暗算とソロバンの両方で、2級を受けた。
 
当日は、まあまあ出来たと言って、自身ありそうな顔をしていたので、父親である管理人は、まあ大丈夫だな、と同じく自信を持っていた。
一方、心配性の家内は、大丈夫かなあ、失敗してもいいんだよ、頑張ったんだから、などと落ちた時のことを考えて半分なぐさめていた。
 
結果が今日わかるというので、塾に家内が電話すると、
 
 
合格
 
 
だった。
親バカだけど、この子は数字に強い。
 
実は、小3で1級に受かったら、ディズニーランドに連れていってやると、約束したので、飴に釣られて頑張ったということもある。
 
 
おしかったけどね。
 
 
うちの教育方針は、昔ながらの読み・書き・ソロバンが重要と、それを実践している。
読む方では、とにかく読書の習慣を付けて欲しいので、好きな本を読んでいいよというと、父親に似たのか、幽霊の本とか、不思議現象を解明するような本ばかり読んでいる。
 
 
心霊写真など、キッパリと、「合成写真」と言い切るから、小学生らしくない。
 
 
夕方は、研究室に10年いた学生というか、研究員をつれて就職のお祝いに「こんどう」に行った。
 
彼は、4年の学部に始まり、修士2年間、博士6年間、博士研究員1年間の合計10年いたのだから、娘よりつきあいが長い。
 
 
有機ELテレビの開発を進める在阪のP社に4月からお世話になるんだけど、本人もうれしいし、ご両親もとても喜んでおられるということだ。
 
 
 
娘ができてからというものの、親としての気持ちがよくわかるようになった。
 
 
 
  
 
 
  
 
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2008年3月18日 (火)

科学者と事務官の境界線

 
 
1週間ほど前にMacBook Airが届いた。
 
21〜2年前、留学先のニューヨークでMacintosh SEを買って、博士論文を書き、それ以来マック一筋で貫き通している一途なマックユーザーである管理人。
MacBook Air発表の日に即効で生協に注文を入れたものの、まったく入荷の予定が立たず、イライラしながら耐えた数週間。
 
 
ふっふっふっ、来たで。
 
 
ノロマでウスラバカのウィンドウズと違って、カユイところに手が届き、「Time Machine」とか、「Time Capsule」とか、が付いてて、簡単に画面を分割したり、とにかくあったら助かる機能が満載だ。
たぶん、作り手がこんなパソコンが欲しいと思って作っているに違いない。
 
一方、バカウィンドウズは、マックに客を取られないために最低限の機能をつければいいんじゃないかという、消極的な発想でOSを作っているとしか思えないし、マイクロソフトの「ワード」に至っては、機能満載ならユーザーは喜ぶだろうという安易な発想のマンモスソフトだし、とにかくマイクロソフトは大嫌いだ。
 
いつか、金持ちになってあの会社買収して根本的に性根をたたき直してやる。
  
 
 
話は横道にそれたけど、
どれだけMacBook Airが来て喜んだことか。
 
 
 
しか〜し、
 
 
 
世の中甘くない。
現有MacBookProから、中身をそのまんまAirに移動しようとすると、ななななんと、
 
SSDの容量が、
 
 
 
足らん…
 
 
 
今のマックにシステムやらアプリやら書類でトータル120ギガもあるやないか。
一方、AirのSSDは60ギガやで。
 
 
うっ
一瞬、息ができなくなった。 
どれだけショックがでかかったことか。
 
 
かなりの減量が必要や。
小錦が260キロから130キロに減量するようなもんか。
 
 
こりゃ、時間ができるまで、しばらくお蔵入りやで、と、MacBook Airのことは忘れようとしていたしていた今日この頃なのであるが、きょうの出張で帰りの「つばさ」で同じ車両に居合わせた小山副学長とMacBook Airの話になった。
 
小山先生は、生協の店長を脅したのか、管理人より早くMacBook Airを手に入れられたんだけど、先生は1.5キロのMacBook Airは「重い」ので持ち歩かない、とおっしゃる。
 
 
えっ、
 
お・も・い?
 
 
我が耳を一瞬疑った。
ふだんは、お箸しかもたない生活をしておられるようで、ハードディスクの容量は先生には十分でキチンと動くにもかかわらず、持ち歩いてない、とのこと。
そう言って、1.2キロのパナソニックの軽いだけが取り柄のダサいパソコンをカバンから取り出して見せてくれた。
  
  
 
常々、創造的な仕事をする科学者は芸術家と思っている。
芸術家はマックを使う。
だから、科学者もマックを使う。
 
 
小山先生もかつては科学者でありマックユーザーだったけど、副学長になって本部に出入りされるようになって約半年、事務官に囲まれた生活を送り、とうとう、身も心も染められてしまったようである。
  
  
 
 
山大ピンチやで。
 
 
 
 
 
 
 
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2008年3月17日 (月)

照明のプロ

  
 
きょうは、東京出張で、まず都内の某メーカーで極秘プロジェクトの打ち合わせを行った。
有機ELを使ったこの商品は、目からウロコで売れるの間違いなくて、ここで紹介したいけど、勝手にできないのでご勘弁いただきたい。
 
 
これを発表すると、この会社の株価は上がるで。
 
 
その後、千駄ケ谷の石井幹子デザイン事務所にお伺いし、有機EL照明についてお話させていただいた。
 
石井先生は、照明器具のデザインというより、ライトアップの第一人者で、東京タワ-、東京駅、東京港レインボ-ブリッジ、横浜ベイブリッジ、明石海峡大橋、などなど作品は多い。
 
 
有機ELに対するご希望、ご要望などお聞きしたので参考にさせていただきたいと思う。
 
 
 
先生、ぜひともごひいきに。
 
 
 
 
 
 
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2008年3月16日 (日)

リサーチプロフェッサー

  
 
先日、3月13日の慶応大学での研究会の際に、参加者の一人で、山形大学卒業のコニカミノルタ久保伸夫氏から、管理人が紹介されていると当日の朝日新聞をいただいた。
顔写真入りでリサーチプロフェッサーとして紹介されていたのだ。
 
 
(写真)上の写真が管理人、下はカリフォルニア大の中村修二教授。
 中村教授は、東北大は「みみっちい」とおっしゃる。同感。
Photo
 
 
山形大学工学部が実施しているこの制度はあまり知られていなくて、本省から事務に問い合わせがあったくらいなので、ここで簡単に説明すると、大学に研究費から800万円納めてリサーチプロフェッサーの称号を得ると、学部および学科の運営業務および授業の分担が免除されるのだ。
 
 
一般の人達はご存知ないと思うけど、大学というのは基本的には教員が運営していて、教授会で何でも最終決定する。
だから、入試や講義関係、学生へのサービス、図書館、要するに大学運営に関するほとんどすべてを教員が委員会を組織して運営しているのである。
 
たとえば、不運にも入試委員に当たったりすると、入試問題を極秘任務で作成したりして、入試でミスがあってはならないので約1年間はブルーな日々を送らなければならない。入試委員長なんて、寿命が3年は縮まる。
 
大学では会議も多くて、教授会以外にも学科会議や専攻会議なんかにも出席しなければならない。
さらに追い討ちをかけるのが、授業であり、週に3コマも受け持つと、授業時間だけじゃなく、準備にそれ以上の時間をとられるし、出張もママならなくなるのである。
 
そこで、山形大学工学部では、これら一切の運営に関する業務と授業を免除して、研究活動に専念できる環境を提供するということで、約3年前にリサーチプロフェッサー制度を導入したのだ。
 
 
 
当然だけど、研究活動が活発になればなるほど、企業との共同研究が増えるし、さらに国プロジェクトや地域プロジェクトを抱えると、研究やプロジェクト運営にかかる時間が一気に増える。
さらに、学外の学会活動、研究会活動とか、最近では広報活動の一環としての高校や中学での講演会とか、売れっ子になればなるほど仕事は指数関数的に増える。
  
 
要するに、特定の教員に仕事が集中するのだ。
 
 
そこで、研究で頑張っている教員の学内での業務をできるだけ軽減しようというのがリサーチプロフェッサー制度である。
この際、単純に特定の教員の学内業務を軽減すると、他の教授からやっかみやら嫉みを買うので、金銭的に補償させるという意味で800万を上納するのだ。このお金で、学部や学科は非常勤講師を雇ったり、共通の備品を購入する。
 
 
これもまた一般の人はご存知ないかも知れないけど、外部から共同研究費などの資金を調達すると、自動的に大学側が管理費として15%程度ピンハネする。この割合は大学によって違うけどネ。
だから、年間数千万円の研究費を持ってくると数百万も大学に持っていかれる。
だから、それが800万円に達すれば、リサーチプロフェッサーの権利が生ずることになる。800万円に達っさない場合は、研究費から不足分を研究費から支払う。
 
通常、平均的は大学教授の年間の研究費の総額が数百万、多くて1千万程度だから、リサーチプロフェッサーの称号を得るには、かなりハードルが高いことがわかる。
 
 
だから、工学部でも管理人たった一人である。
 
 
東北大の毎月10万円の月給上乗せインセンティブが、みみっちいと笑いものになってるけど、うちの制度は教員から研究費をピンハネできるばかりじゃなく、教員自身も自由に研究活動できるので大学側としては一石二鳥。
 
 
 
欲を言えば、余計なピンハネなどせず、研究スペースも研究費や学生数に応じて配分してくれれば、有り難いんだけどね。
 
 
 
朝日新聞の記者さんには、研究者が大学を移る条件としていろいろお話ししたんだけど、研究熱心な教員にとっては、お金よりも研究環境だろうから、管理人も約500万でレンタル使用している1000平米を超える研究スペース(光熱水費がさらに500万ほどかかる)とリサーチプロフェッサーの称号を「無償」で提供してくれる大学があれば、心が動くかも知れない。
 
 
 
決して、大学の名前や給料じゃないのですよ。
少なくとも私の場合はネ。
 
 
 
 
 
 
  
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2008年3月15日 (土)

雪上物理実験

  
 
昨日の交流会に引き続き、きょうは参加者と米沢スキー場に雪上物理実験にでかけた。
 
行ったのは管理人以外に有機エレ研の平澤さん、トキコーポレーションの小林さん、新潟県の高橋さんの4人だ。小林さんとは、あの小林さんである。
 
平澤さん、高橋さんは雪国新潟出身、小林さんと管理人は元競技スキー経験者ということで、手抜きなしの滑りを朝から続けたら、みんな夕方にはエネルギータンクが空っぽになった。
 
 
(写真)米沢市を一望するスキー場
Photo
 
 
(写真)左から、平澤さん、小林さん、高橋さん 
Photo_2
 
 
ということで、次は、お決まりのコースである小野川温泉へ身体を癒しに。
小野川では、「河鹿荘」か「壽宝園」が行きつけなんだけど、きょうは河鹿荘へ。
リニューアルしたとかで、とても雰囲気のある内装になっていた。
  

(写真)本物の松明です。 
Photo_3
 
 
(写真)玄関からはいったところには、大きな「愛」の字が。直江兼続ですね。
Photo_4
 
 
(写真)内装もキレイになりました。
Photo_5
 
 
仕上げとして、身体をいたわるため、エネルギーの充電に「いろり」へ。
おすすめのハラミ、特選ロースなどいただきつつ、冷たいビールをグビグビやると、ここは天国かと思えた。
 
 
(写真)特選ロースは溶きタマゴにくぐらせていただきます。 
Photo_6
 
 
(写真)小林さん、満足いただけましたでしょうか。
Photo_7
 
 
小林さんは、LEDを使った電飾で商売されていて、有機ELを是非商品ラインナップに加えたいと、数年前から米沢に来られるようになった。
LED照明の欠点や課題、有機EL照明への期待をお聞きした。
 
 
 
身も心も大満足の一日であった。
 
 
 
 
 
 
 
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2008年3月14日 (金)

交流会大盛況

  
 
早朝6時28分東京発のつばさで米沢に戻り9時前には大学へ。
 
ダウコーニング社の鈴木さんの講演を聞いた。
理系人ながら英語は玄人はだしで、その辺の高校英語教師よりも詳しい。説得力があり、しかもクイズを交えた楽しい講演だった。
 
 
 
午後は、有機EL研究会の交流会が「伝国の杜」で開かれた。
 
 
Photo
 
 
研究会運営委員長として挨拶させていただき、約30件のショートプレゼンを聞いた。
業界トップを走るサムスンSDIから始まり、パネルメーカー、材料メーカー、部材メーカーなどなど、多彩な顔ぶれで業界の様子が一望できる聞き応えのある3時間だった。
 
 
(写真)トップバッターは、サムスンSDIグループ長の李さん。 
Photo_2
 
 
(写真)このとおり、2011年には42インチの有機ELテレビがサムスンから発売されます。
国内勢も負けてませんので、みなさん、液晶やプラズマを買うのを控えましょう。 
Photo_3
  
 
(写真)日本精機のパネルは信頼性が非常に高く、自動車のインパネに採用されていて、アメ車に搭載されてます。
国産車に搭載されるのはいつの日だろうか。
ご発表は、日本精機の秘密兵器、新婚ホヤホヤの皆川さん。
Photo_4
 
 
(写真)コニカミノルタの北さん。実は昨日も慶応大の研究会でご一緒させていただいた。
久保の元上司。
コニカミノルタの材料とうちのマルチフォトン素子が合体すると世界一、宇宙最強になるのですが…。
Photo_5
 
 
(写真)メルクの脇本さん。こちらは蛍光材料でトップクラス。
最近は東レの青色蛍光材料も効率が高くて、蛍光材料は戦国時代。
Photo_6 
 
 
(写真)日本ゼオンの柏木さんは、周辺材料をアピール。ゼオノアフィルムは溶融押し出しができる環境にやさしいプラスチックスなのです。
(ちゃんと仕事されてましたよ、大島さん。)
Photo_7
 
 
その後、パネルを前にしての名刺交換会、お酒の入った懇親会と続いた。
夜7時過ぎまでオードブルをつまむ間もなく名刺の交換が続いた管理人であった。
 
ふ〜。
  
 
Photo_8
 
 
(写真)異業種交流の風景。
左、パネルメーカー皆川さん、右、材料メーカー脇本さん。
皆川さんは、異業種ならぬ異性間交流もかつてはお盛んだった。
写真撮る時、皆川さんの後ろに日本ゼオンの柏木さんが隠れた。何かやましいことでもあるのか。
Photo_9
 
 
(写真)まぶしすぎる有機エレ研の展示。 
Photo_10
 
 
(写真)アルバックテクノの展示でスクープ!
なんと、アルバックにはソニーから有機ELテレビ一式が贈呈されていた!
ちょっと〜、占部さ〜ん、ストリンガーさ〜ん、出井さ〜ん。
Photo_11
 
 
懇親会では、お酒もはいって昼間の学会では聞けない話、話せない話が飛び交った。
来年度スタートするNEDOの有機ELテレビの話題も上り、うわさ話を統合すると受託団体も見えた。
みなさん、頑張ってください。  
 
 
しかし、ここで書けない極秘情報満載やな。 
 
  
交流会もこれで5回目だけど、参加者は201名と大盛況で、1年ぶりにお目にかかる常連さんも多くて、楽しくて情報満載、実りの多い交流会だった。
 
 
 
また、来年、米沢でお目にかかりましょう!
 
 
 
 

 
 
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2008年3月13日 (木)

野田岩

 
 
高分子学会には、各分野で研究会があって、きょうは「フォトニクスポリマー研究会」が、慶応の三田キャンパスで開催された。
運営委員長は、慶応の小池先生で、管理人の兄貴分だ。
だから、講演を頼まれてきょうは東京にでてきた。
 
研究会には、恩師の米国ポリテクニック大学のOkamoto教授も来られてて、お元気なお姿を拝見し、うれしかった。
先生は、すでに80歳を超えられてるけど、かくしゃくとし、科学者としてバリバリの現役だ。
 
 
(写真)中央がOkamoto先生
Photo_7
 
  
懇親会の後、小池先生に「野田岩」のウナギをご馳走になった。
ウナギが三度のメシより好き、という管理人、この有名店にもいつか来たいと思っていたのだ。
 
大阪の油抜きしないコテコテの野性味あふれるウナギも好きだけど、このあっさりして、素材を生かしたウナギもスバラシイと思った。
きょうは、養殖物だったけど、ここの名物の天然物ものも是非いただきたいと余韻を残した夕食だった。
 
 
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小池先生、ご馳走さまでした。
 
 
 
 
 
 
 
 
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第10回 有機デバイスセミナーのお知らせ

 
 
昨年4月に、大学院有機デバイス工学専攻が新設されたのを機に、これまでの講演会を「有機デバイスセミナー」と新装して早10回目となりました。
今回は、科学者、技術者として必要な英語学習について、寸止めナシの極真空手のように実践しておられる、米国ダウコーニング社で当学客員教授の鈴木俊夫先生に講演いただきます。
 
ご興味ある方は、ぜひ。
 
 
 
 
第10回 有機デバイスセミナー
 
 
日時  :2008年3月14日(金) 10:30〜11:30
 
場所  :9号館2階 会議室 200-1
 
題目  :英語における読解力、速読力の重要性
 
講師  :Dr. Toshio Suzuki(鈴木俊夫)
     Dow Corning Corporation
     Business and Technology Incubator
     Technology Leader
     山形大学地域共同研究センター 客員教授 鈴木俊夫

概要: 日本人が英語を習得しようとする場合、すでに読解力はあるもの、という仮定のもとに聞き取りや発音の訓練に終始しがちである。しかし、聞き取りが伸びない人の読解力をテストしてみると、意味を理解するのが遅すぎるという現象がみつかる。つまり、耳から入ってくる英語の意味を理解する速度が、入ってくる英語のペースに追いついていないのである。この講義では、読解力向上の重要性を示すとともに、向上のための指針を与えるものである。
 
 
 
 
 
 

2008年3月12日 (水)

あきらめなければ夢はかなう、か?

  
 
昨日から一泊二日で研究室の「離散会」で蔵王に行ってきた。
 
離散会と言うのは、年度末の「泊まりがけ追い出しコンパ」のようなもので、いつも3月の中旬に温泉に行くことになっていて、今回は幹事の学生が教授の一言「今年はスキーがしたい」で蔵王に決めた。
 
学生達は午前中からでかけ、管理人は午後から合流。
ロープウェイを使って中腹まで上るとそこはガスッてて真っ白の世界で、10メートル先も見えない。
学生いわく、「午前中は晴れてたんですが、先生が来た途端こうなりました。」
  
 
なんや、オレのせいて言いたいんか。
 
 
結局は、テッペンまで行かずに、中腹から下の方で滑ってた。
ここには、「横倉の壁」と言われる崖のような急斜面があって、学生達がひよっているので、
 
 
オラオラ、行くぞ行くぞ、教授命令や。
 
 
といって、無理やり突き落としたら、バチがあたったのか、自分も途中でころんでズルズル10メートルほど滑り落ちて学生に笑われた。
 
 
 
夜は、「つるやホテル」という温泉ホテルにみんなで泊まったんだけど、昔ながらのこじんまりした古びたホテルという感じで、食事も大広間で食べる団体客用ドコデモオンナジ料理で特徴がないんだけど、客間は予想以上にきれいだし、従業員の方々はとても愛想が良くて気持ちよかった。
 
 
宴会では、卒業して行く学生の感謝の一言があったりして、教員も贈る言葉を述べるんだけど、ふだんは5時以降、マトモなことを言わない管理人の教授、年に一度だけ、この時ばかりはマジメなことを言う。
 
 
・・・・・・・・・・・・・・・・
  
教授のひと言:
 
先週末に名古屋マラソンあったけど、見たかな?
高橋尚子選手が期待されてたけど負けた。
何で負けたか知ってるか?
実は、レースの前から精神面ですでに負けてた。
 
あきらめなければ夢はかなう
 
っていうのが高橋選手の名セリフやけど、これがアカン。
だいたい、「あきらめなければ」、と言う言葉は「あきらめる」に由来していて、所詮は消極的な、ネガティブな、後ろ向きな言葉や。
そやから、そんな言葉は口にすべきやない。
 
それに、夢は「かなう」もんやなくて、「かなえる」モンや。  
「オレならできる、出来ないはずがない」、「絶対にやって見せる」、という「強い信念」が夢をかなえるんや。
夢をかなえるには、単に「あきらめなければ」いいワケやないんやで。
  
社会に出たら、つらいこと、へこむこと、挫折することは必ずある。
その時には、この研究室で鍛えられたこと、耐えられたこと、やり遂げたこと、を思い出して、自分を信じて
 
オレならできる
 
と頑張って欲しい。
  
 
・・・・・・・・・・・・・・・・
 
 
 
 
以下、写真集。
 
 
夕食は、典型的団体客料理。
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オレのイワナにかぶりつくアホ。
Photo_2
 
 
卒業生の一言。
 
凸版印刷、じゃなかった大日本印刷に就職する権守です。
城戸研にはテレビで見て安易に進学を決めました。
城戸先生お世話になりました。ポリポリ。
Photo_3
 
 
城戸先生、お世話になりました。4月からは富士電機で頑張ります。君島でした。
Photo_4
 
 
加藤です。日本ゼオンというところに就職します。城戸先生にはお世話になりました。
柏木さんにイジメナイように言ってください。
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来年度、幹事を務めます、橋本です。
予定では、A君だったんですが、きょうは京都に彼女と旅行に行ってて欠席なので、急遽、指名されました…。
(離散会に来ず、彼女と旅行って、破門です。管理人)
Photo_6
 
 
助教の夫(フー)さん。
おまえら、飲み方教えたら!
Photo_7
 
 
助教授の中山さん。
さっきから聞いてたら、城戸先生、城戸先生て、中山先生て誰も言わんのんか!
特にトランジスタの君島!
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出光興産に就職する安川(右)。
Photo_9 
 
 
先生、さっき風呂で見たんですけど、コイツのって、こんなもんでっせ。
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夫さんに寄ってくるアルコール好き。
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中締め後の記念写真。誰やオレの頭たたくの!
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二次会は、創作カルタで始まった。
毎回、おもしろいこと考えるなあ、お前ら。
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夫さんの夜は更ける。
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2008年3月11日 (火)

有機EL照明市場100億円

 
 
「住宅照明、新型広がる」との見出しで、昨日3月10日付けの日経産業新聞に記事が掲載されていた。
 
 
080310
 
  
民間調査会社の富士経済は、7日、国内住宅用照明器具の2011年までの市場予測をまとめた。
それによると、有機EL照明が9年ごろから実用化が始まり、10年で35億程度、11年には100億規模の大きさに成長するそうだ。
有機EL照明は最初は単価が高いが、普及するにつれて下落するとか。
 
 
 
う〜む。
 
 
 
国内大手照明メーカーは10年までに実用化する予定はないし、欧米のフィリップスはオスラムなどの世界三大照明メーカーの事業化の予定は2012年ごろやで。
 
9年から実用化が始まり、10年に35億って市場は、どこの誰が作るんだろうか。
 
 
まあ、
 
 
有機EL伝道師を自負する管理人は、ディスプレイのみならず照明業界にも通じているワケだけど、ひょっとして調査会社の担当さんは、あの超極秘プロジェクトに関してご存知なのか。
 
あるいは、管理人の講演を聞いて、単にロードマップを示したパワポから数字を無断でパクっただけなのか。
 
 
 
いづれにせよ、大胆な予測である。
 
 
 
 
 
 
 
 
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2008年3月10日 (月)

原則?

  
 
昨日のエントリーで、山形大学の知的財産管理制度に関して褒めまくった管理人だけど、ちょっと訂正させていただきたい。
 
と、いうのも記事を読んだ大学関係者A氏から、指摘されたのだ。
 
「山形大学はその教職員の生み出した知的財産を「個人帰属」にする方針は取っていないのですよ。ただ「原則機関帰属」の方針は取らない、と言ってるだけですね。」
 
とメールが来た。
 
要するに、「積極的に教員に知財を帰属する」のではなく、「積極的に大学に帰属することはしない」と言うことなのである。
 
 
ただ、実質、ほとんどの場合は「教員に帰属」されてて、それは、 
「機関帰属にする「正当な理由」及び「経済的合理性」がないからであって、必ず「個人帰属」するという方針じゃない。
ともおっしゃる。
 
 
だから、
 
「正当な理由があって、経済的合理性があれば、山形大学でも機関帰属にする。」と彼は続ける。
 
 
 
なんだ、
 
うちの大学の知財担当者、経営陣は、切れモノばかりで、全国の大学に先駆けて、「戦略的」に「知財の個人帰属」を打ち出したのかと思ったら、
 
「原則機関帰属」の方針はとらない
 
なんて、なんともあいまいな消極的な積極性というか、役人の答弁のような、というか、中途半端な態度を取ったに過ぎなかったのだ。
 
 
ふッ。
 
 
これじゃあ、「原則機関帰属」とたいして変らなくって、実際に他大学でも発明委員会で個人帰属と判断される場合も多いんだから、なにが違うんだ、と言うことになる。
 
 
やっぱり、
うちのような地方大学が生き残るには、「事業は人なり」とおんなじで、「原則個人帰属」を徹底し、それをおおっぴらに公表して国内のヤル気のある若手を山形に集結させるしかない。
そして、大学発ベンチャー企業を数多く産み出し、億万長者を輩出し、大学も地域も活性化させるのだ。
  
研究が活発な教員が集れば外部資金が増えるので、管理費収入と億万長者からの寄付金で十分やって行けるし、地域に貢献できれば、地域と一体となって大学を運営することも可能だろう。
  
  
 
我が大学の知財戦略を考えたのは一体誰?
 
 
 
と、ちょっと考えた午後だった。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
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2008年3月 9日 (日)

大学の特許戦略

 
 
ちょっと古い記事だけど、大学の特許の技術移転は「落第」、だそうである。
2月28日の日経産業にでていた。
 
要約は以下のとおり、
・ 日本の大学の特許出願件数は順調に伸びている
・ 大学知財部の実力不足のため外国出願が少ない
・ 特許の質より件数を追う傾向あり
・ ライセンス収入は日本の全大学を合わせても米国の主要一大学に及ばない
 
特許出願件数は上位から、
1. 京都大  552件
2. 東北大  544件
3. 東京大  457件
4. 大阪大  388件
5. 東京工大 307件
6. 北海道大 269件
と、つづく。
 
それに対して、特許実施料収入は、
1. 名古屋大 1億6400万
2. 東京大  1億6000万
3. 慶応大    7000万
4. 日本大    4000万
5. 東京工大   2800万
6. 金沢大    2100万
と、つづく。
 
 
いやはや、大学関係者としてお恥ずかしい限りだ。
  
特に、
 
恥ずかしくないのか、東京大。
日本の公的研究資金の半分以上を使いながら、出願件数で3位、収入でも名古屋大に負けている。
コストパフォーマンスが低過ぎるネ。
ノーベル賞の数でも京大に負けてるし。
 
 
 
ところで、
    
出願件数の割に、収入が少ないというのは、何を意味するのか。
 
たとえば、国内出願でかかる費用を一件あたり、安く見積もって平均30万円とすると、京大では552件の出願費用は1億6560万円となる。
それに対して、収入は1600万円。
だから、ざくっと、1億5000万円の赤字。
しかも、知財部の人件費が大ざっぱに見て5000万かかるとすると、知財ビジネスで約2億円の赤字である。
実際には、これよりずっと大きいだろう。
 
東京大でも、支出1億4910万円に対して、収入が1億6000万円である。
ここでも、知財部の固定費を考慮すると赤字だ。
 
企業だったら、こんな事業部はお取りつぶしじゃないのか。
 
 
 
もともと、国立大学の知財部は文部科学省の方針で、各大学が数年前に設置した。知財を機関帰属(大学に帰属ね)にし、特許ビジネスで稼げと言うことだ。補助金の切れた今、お荷物部門となり大学経営の足を引っ張っている。
 
こんなこと現場では最初からわかってたんだけど、補助金欲しさの浅ましい大学がほとんどで、知財部を設立し専門家を雇った。
どこもアップアップの状態で、知財部とTLOを統合した大学も多いと聞く。
 
 
 
だから、山形大学では、知的財産は個人帰属(教員に帰属ね)だし、大学が教員から特許を召し上げて金を稼ぐなんてセコイことはしない。
教員が自由に研究活動し、ビジネスできてこそ、研究が活発になるし、優秀な人材も集る。
結果的に、外部資金獲得額が増えて管理費などの収入が増えるのだ。
 
こういう、まともな考え方すらできない日本の大学に、知財で稼ぐなんて高等なことが出来る訳がない。
 
 
なんて考えていると、
 
山形大学客員教授の米国在住でダウコーニング社にお勤めのToshio Suzuki教授から3月1日号のメールマガジンEnglish Tips (米国編その156)が届いた。
関連のある部分を一部引用させていただく。
 
 
・・・・・・・・・・・・・・・・・
  
小生の仕事は、大学の先生と会社を結ぶことだが、マサチューセッツ工科大学(Massachusetts Institute of Technology, MIT)の先生との付き合いは多い。その理由として、MITに優秀な人材が集まっているのは当然のことだが、MITのDNAとして、「産業の役に立たない学問はしない」があるというのも大きく作用している。企業との共同研究に生きがいを感じるのがMITなのだ。まれにMITのFaculty Club(教員用の食堂)で食事をするチャンスがあるが、You can see a Nobel Laureate or two at the Faculty Club on any given day.(どの日に行っても、ファカルティクラブでは、一人や二人のノーベル賞学者に会える)と言われたことがある。これはとりもなおさず、72人ものノーベル賞受賞者を輩出した大学だからこそ言えることであろう。我らが利根川進先生もMITで研究している(会ったことはないけど)。
 
・・・・・・・・・・・・・・・・・
 
 
産学連携の盛んな米国で、そのトップをひた走るMITと言う大学はこういう所なのだ。
 
だいたい、教員が「産業の役に立たない学問はしない」と言う点で、日本の大学とは大きく異なる。
重箱の隅をつつく様な研究をしても「発明」は生まれるし、特許を出願できるのだから、特許出願件数なんて意味がない。
日本の大学特許の近年の増加分なんて、所詮は「産業の役に立たない」ばかりなのだろう。
  
それに対して、
 
MITでは、ノーベル賞受賞者を72人も出し、ファカルティクラブで必ずノーベル賞に出会えるくらい教員の質は高い。
こんなレベルの高い科学者達が、産業に役立つ研究をして、特許を出願するからこそビジネスとして成り立つのだ。
 
 
結局は、
 
「知財で儲けろ」という文部科学省の方針は、単に大学の経営を圧迫し、教員の負担を増やすだけ、と言う結果に終わっている。
 
大学に理想を追求させたいのはわかるけど、今すぐMITのように変身しろというのは無理がある。
「ゆとり教育」と同じように、そろそろ方針転換したらいかがなものか。
 
 
 
マスコミも、もっと鋭く突っ込めよ。
 
 
 
 
 
 
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2008年3月 8日 (土)

PTA反省会

 
 
きのうは、午後から東京工業大学の半那 純一教授においでいただき、講演いただいた。
 
先生は、液晶半導体のご専門で、この分野のリーダーだ。
液晶半導体って、一般の方々には理解不可能かも知れないけど、簡単にいうと、液晶性の有機物質の半導体のことである。
 
多くの物質は、低い温度では「固体」、温度を高くすると「液体」、もっと高くすると「気体」になる。たとえば、水は、低温では「氷」、常温では「水」、温度を上げると「水蒸気」と状態が変るネ。
 
固体のうち、分子や原子がきちんと規則だって並んでいるものを「結晶」と言うけど、液晶というのは、「液体の結晶」のようなもので、液体のくせに秩序立った構造をとっているのだ。だから、液晶ディスプレイは、ガラス2枚でそのような液体「液晶物質」を挟み込んで使っているから「液晶」と呼ぶんだけど、ご存知でしたか。
 
ということで、半那先生の液晶半導体は、液晶ディスプレイで用いられるような有機液晶性物質でしかも電気を流すて「半導体」の性質を示す物質で、とても最先端のご研究である。
 
 
有機物と無機物の違いは、私たちの身体を構成する物質が有機物であるように、有機物は無機物と比べると「知的」な物質で、たとえば、細胞は分子が秩序をもって並んでいて、その細胞が集って、脳や神経になる。だから、液晶半導体は、シリコンなんかの無機物を使う今の原始的な半導体素子に比べて、とっても知的生命体に近い究極の電子デバイスになるのだ。
 
ご存知のように、管理人の研究室でも有機半導体を使った発光素子「有機EL」を研究してるけど、いまの材料は非晶質の状態で、まだまだ「知的」とは言えない。
これからは、分子が勝手に整列してトランジスタなどの高性能な電子デバイスが出来てしまうような、自己組織化機能をもつ液晶半導体などが注目されるし、実用化されるに違いない。
 
半那先生のご講演では、いろいろ勉強させていただき、知的な刺激を受けた。
 

(写真)真ん中が半那教授、向かって右が専攻長の米竹教授 
Photo_2
 
  
夕方から、雰囲気がガラッと変り、愛宕小学校の3年の世話人会の「反省会」に出席した。
反省会と言っても、飲み会なんだけど。
 
約1年間、3年の副学年長そして保体部世話人として奉公したのだけど、けっこう出張で出席できないこともあり、管理人にとってはホントに「反省会」であった。
米沢の銘酒をいただきながら、この1年で親しくなった世話人の方々、担任の村山先生、太田先生たちと懇親を深めた。
 
学年長は多田さんで、このバカブログをたまに見ておられるということを知って少々たじろいだ。
映画「スウィングガールズ」のロケが以前米沢で行われた時に、多田さんの友人宅が竹中直人扮する教員の自宅として使われた話や、当時の愛宕小学校の教頭が野球の審判役で出演していた話に一同聞き入った。
  
それから、村山先生は若くて、一見、イケメン大学生のようだけど、れっきとした教師で、うちの学科の技術職員の息子さんなんだけど全然似てない。娘によると、お名前が「まこと」なので、学校では生徒たちが「ムラマコ」先生と読んでいるそうだけど、「まことちゃん」と呼びなさいといっても、なかなか聞いてもらえない。
「まことちゃん」を知らない世代なのだ。
 
ちなみに、前の校長は池野先生で、「メダカ先生」と呼びなさい、と言ってたんだけど、娘には無視されつづけた。
 
米沢では、「吉本」の影響がまだまだ少ないようだ。
 
 
他にも、以前、娘の誕生日会に来て、車で送って行った「ほのかちゃん」のお母さんも来られてた。
こちらは顔がソックリで、「ほのかちゃん」が大きくなるとこうなるのかと、興味深く観察させていただいた。
とても明るいお母さんで、有機ELで有名な東北パイオニアに勤められていて、尾越さんや村山さんなどいつもお世話になっている人達もご存知だった。
 
 
米沢は狭いデ。
 
 
 
 
 
 
 
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2008年3月 6日 (木)

コダックの有機ELテレビ誕生!

  
  
と言いましても、ちょっと小さめですが、テレビがでました。
コダックさん、おめでとうございます。
 
管理人はすでに2台注文しました。
みなさんも、買いましょう。
 
 
 
プレスリリースは以下のとおり。
 
 
・・・・・・・・・・・・・・・・・
  
世界最薄  (厚さ8mm)ポータブルワンセグTV
加賀電子、コダック、アンデス電気共同開発
 
有機EL3 インチワイドパネル採用「Kodak ELiTe Vision KTEL-30W」新発売 
加賀ハイテック株式会社(社長:高橋 信佐、以下、加賀ハイテック)は本日、加賀電子株式会社(社長:塚本外茂久、以下、加賀電子)、イーストマン・コダック社(会長: アントニオ・M・ペレス、以下、コダック)とアンデス電気株式会社(社長:安田 昭夫、以下、アンデス電気)で共同開発した、「3 インチワイド有機ELワンセグTVKodak ELiTe Vision(エリートビジョン) KTEL-30W(以下KTEL-30W)」を、3 月下旬よりKodakブランドとして、加賀電子グループおよび加賀ハイテック取引先で販売致します。


Photo 


また、本日より加賀ハイテックオンラインストア「SHOPPING KODAK」および加賀ハイテック取引先のオンラインショップで予約受付を開始致します。
 
「KTEL-30W」はフルカラー3 インチワイドアクティブマトリックス有機EL パネルを採用し、従来のLCD と比べコントラスト比が高く、色彩の再現性に優れ、視野角が広いという特長を生かした商品となっています。

今回採用した有機ELパネルは、コダックが開発したGlobal Mura Compensation(GMC)技術(※2)および高性能発光材料を使用しており、この優れたディスプレイ性能を活かしたポータブルTV 製品を、コダックコンシューマー&プロフェッショナル製品の国内総代理店である加賀ハイテックが、Kodakブランドとして発売致します。
 
加賀電子は、コダックの技術を使用した有機ELパネルとアンデス電気のRF技術(※3)を採用し、商品企画をすることによって、ポータブルワンセグTVでは世界最薄(※1)厚さ8mm、最軽量64gを実現しました。
  
 
・・・・・・・・・・・・・・・・・
 
 
使用されてる有機ELパネルは韓国のLGフィリップスLCD製です。
三洋と別れてから、コダック社と共同開発されてました。
  
ここだけの話ですが、輝度ムラをなくす特殊技術を採用されており、歩留まりが非常に高くてコストも液晶並です。
小さいながらも、世界一の技術がぎゅっと凝縮されてるのです。
 
 
 
しかし、モタモタしてるうちに、国内勢、ますます差がつけられますなあ。 
  
 
 
 
 
 
 
 
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2008年3月 5日 (水)

北陸先端科学技術大学院大学

 
 
きょうは、金沢に来ている。
 
不思議なもんで、こういう「地方」に来ると、「出張した」という気がする。ど田舎の米沢在住のお前に言われたくない、と金沢人に突っ込まれそうだけど、東京にはしょっちゅう出かけるので、面白味も刺激も何もないなのだ。
 
朝一の「つばさ」で東京駅にでて、羽田経由で小松空港入り。
携帯電話の画面に、JALが小松空港で粗相をやらかしたとかいうニュースが流れてたので、この便は大丈夫かいなと思いながら乗り込んだら、ベテランスチュワーデスさんたちは、いつもよりニコニコしていたような気がした。
 
空港からは、バスで北陸先端科学技術大学院大学に移動。
一般の人は知らないかも知れないけど、ここは、学部のない大学院だけの大学なのだ。
だから、名前がとても長い。
地元の人はなんて呼ぶのだろう。
 
 
Jaist_2
 
 
ここには、有機ELを研究しておられる村田英幸准教授がおられて、今日も先生に呼ばれて講演にきたのだ。
村田先生には、先生が企業におられたころから10数年来お付き合いいただいてる。
 
講演後、村田先生、研究員の松島博士、cat-CVDの松村先生、と夕食へ。
山の中腹にある割烹「卯辰金沢」へ連れていっていただいた。
金沢は小京都と呼ばれるくらいで、この店も京の雰囲気一杯のお店だった。
  
 
Photo
 
 
Photo_3
 
 
その後、これまた花見小路のような町並みにあるワインバーへ。
おいしいフレンチ赤ワインをいただきながら、地域活性化、大学教授のピンからキリまで、主に産学連携に関して話し合った。
  
 
Photo_4
 
 
Photo_5
 
 
松村先生は、管理人と同じく企業との共同研究が活発で、同じような悩みを抱えておられ、地域の活性化手法に関しても考えが一致していることを確認した。
それに、国を変えるには、地方を変えなければならない、ということは共通認識だった。
 
 
 
ほどよくアルコールをいただいて、気分よくホテルのベッドにもぐり込んだ。
 
 
 
 
 
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2008年3月 4日 (火)

第9回 有機デバイスセミナーのお知らせ



今年度始まって9回目になりました。
有機デバイスセミナーのお知らせです。
 
ご興味ある方、ぜひご参加いただき、ご討論ください。
 
 
・・・・・・・・・・・・・・・・・・
   
第9回 有機デバイスセミナー

日時:3月7日(金)15:00〜16:00
場所:9号館2階 会議室 200−1
題目:有機半導体としての液晶物質ーその特質とポテンシャルー
講師:東京工業大学
   像情報工学研究施設
   半那 純一  教授
 
講演要旨:
液晶物質は、等方的な液体と結晶相の間の温度領域において、揺らぎをもつ分子配向をもつ分子凝集相(液晶相)を自己組織的に形成する。
液晶相における電気伝導は、これまで、長い間イオン伝導によるものと考えられてきた。1990年代になって、円盤状液晶のカラムナー相や棒状液晶のスメクティック相において、一般のアモルファス有機半導体の示す移動度(10-5~10-6cm2/Vs)の1000倍~10000倍もの高い移動度を示す電子伝導が見出され液晶物質が、高品質な有機半導体(液晶性有機半導体:Self−organizing Molecualr Semiconductor)として位置づけられることが明らかにされた。
本講演では、この10年の間に明らかにされた液晶物質の有機半導体としての特質とその有機半導体材料としてのポテンシャルについて紹介し、最近、取り組み始めたTFTへの応用についても述べる。
 
・・・・・・・・・・・・・・・・・・
 
 
 
 
 

離見の見

 
 
まずは、
若手能楽師のブログから引用:
 
 
自分自身が描いて舞っている自身と客観的にみる自身ではまだまだ随分違います。
 
前者は「我見(がけん)」、後者は「離見」(りけん)です。
 
世阿弥は「離見の見」という言葉を残し、能を舞っているときは我見ではなく離れたところから自身を見つめる離見を持って舞うように、と戒めの言葉を残しています。
つまり自己満足ではいけない、ということなんですね。
いかにも観客を常に意識して能を作り、能を演じた世阿弥らしい思想ですがそれがこの道の本道です。
 
私も常々この言葉を頭に思い浮かべて、能を勤めているのですが、なかなか思い通りにはいきません。
 
自身の能に満足する日って来るのでしょうか?
  
 
・・・・・・・・・・・・・・・・・
  
 
この「離見の見」と言う言葉を頭の片隅に置き、きょうのニュースを読んでいただきたい。
 
 
Asahi.comから引用:
 
パイオニア、プラズマパネル生産全面撤退 松下に委託
 
2008年03月04日11時59分
 
パイオニアはプラズマパネルの自社生産から全面撤退する方向で最終調整に入った。7日に発表する。
松下電器産業に全量を生産委託し、自社でテレビに組み立てて販売する。自社生産の一部継続を検討していたが、コスト削減を徹底するため全面的な外部調達に踏み切る。パイオニアが撤退すると国内のプラズマパネルメーカーは松下と日立製作所の2社になる。
 
パイオニアは現在42、50、60型のプラズマテレビを販売している。パネルは他社との差が大きい独自方式で、外部調達は難しいとされてきた。
パイオニアは、42型以下を生産委託し、50型以上の大型機種は自社生産をける方向で松下、日立製作所と交渉してきた。しかし、松下が低コストでパイオニア方式のパネルを大量生産できる見通しが立った模様だ。
 
パイオニアのパネル工場は山梨県中央市と静岡県袋井市、鹿児島県出水市にある。鹿児島工場でのプラズマ事業は打ち切り、残る2工場は組み立てに専念する方針だ。
パイオニアは、プラズマ事業の草分けのメーカーの一つ。04年にはNECからプラズマ事業を買い取り、生産を拡大させていた。
 
同社のホームエレクトロニクス事業はプラズマテレビが不振で、07年3月期まで3期連続の当期赤字。08年3月期も同事業の営業赤字は前年より拡大して175億円に達する見通し。
同社は今後、もう一つの中核で、販売も好調なカーナビ事業に力を入れる。また、資本・業務提携先のシャープからパネルを調達し、新たに液晶テレビ事業に参入する。中小型の機種を中心とし、プラズマとすみ分ける計画を決めている。
 
 
・・・・・・・・・・・・・・・・・
 
 
予想どおり、パイオニアがプラズマパネルの生産から撤退する。
 
予想外は、パネルを松下から調達し、プラズマテレビ事業を続けることだ。
事業として成功すると思っているのだろうか。
 
加えて、液晶パネルをシャープから調達して、液晶テレビ事業をわざわざ始めるのだ。
成功すると思っているのだろうか。
 
プラズマテレビも液晶テレビも松下やシャープからパネルを調達してたんじゃあ価格は高くなる。
消費者にすれば、パイオニアの技術がいくら高くとも、値段が高ければパイオニア製品はこれからも買わないと思う。
ブランド力も、いまでは松下やシャープに劣るし。
 
 
ハッキリ言って、
 
 
パイオニアは、この際、キッパリとテレビ事業から身を引くべきだろう。
今後、注力すべきは子会社である東北パイオニアの「有機EL」事業であり、シャープと協業して一日でも早くTFT有機ELディスプレイを製品化すべきなのである。
 
 
パイオニアの経営者は、技術におぼれるのではなく、消費者の欲しがる製品を開発すべきと思う。
 
これは、皮肉にも松下幸之助の製品開発方針でもあった。
 
 
  
 
 
 
  
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3月25日「NHK教育」に出演!

  
 
きょうは、朝9時から昨日のロケのつづき。
 
大学のオフィスにて個人インタビューしてから、有機ELテレビと液晶テレビの違いを実物を並べて比較。
NHKなのでテレビのロゴやブランド名は黒いテープで隠してあるけど、もちろん有機ELはソニーのXEL-1で液晶はシャープ製。
 
映像を扱うプロの業界人たちがXEL-1の画質を絶賛していた。
 
心配なのは、その違いを正確に放映したところで、番組見るのが液晶テレビだったらその違いがキチンと表現できるかどうかだ。
 
 
たぶん、液晶には無理やろ。
 
 
Photo_2
 
 
午後は、有機エレクトロニクス研究所で、白色照明用パネルの開発の様子を収録した。パネルの試験風景、開発した照明器具等、世界一の技術を撮っていただいた。
これらは、NEDO省エネ部プロジェクトの結果でもある。
  
NEDO「省エネ部」さん、ありがと。 
 
 
Photo_3
 
 
Photo_4
 
 
午後4時頃、大学に戻り、足らない部分を収録。
管理人が1995年に発表したサイエンス誌の論文や顔写真入りのウォールストリートジャーナルの記事などなど。
  
いまから振り返ると、あのころは35〜6歳のぺーぺーの助手だったけど、なかなか頑張っていたのだ。
 
 
自分を褒めてやりたい。
 
 
 
予想以上に時間がかかったロケ、
放映は、
 
・日 時:3月25日(火)午後9時〜9時30分
・放送局:NHK教育
・番組名:高校講座「科学はたのしい!」 化学編
  
ご覧くださいまし。
 
 
 
 
何度もしつこいようだけど、城戸研究室の現役学生、卒業生、サイエンスキャンプ参加者、早大スカーゼスキークラブOBの人達は、風呂にはいって身体を清め、サラの下着を付けて、正座して見るように。
 
特にソニーの吉崎と松下電工の小原。
 
 
 
 
 
 
 
 
最後に、 
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2008年3月 3日 (月)

工学部稲門会

 
 
NHK教育で、有機ELを取り上げるということで、きょうはロケ一日目。
午前中に打ち合わせて、午後は発光材料を合成しているところを撮影してもらった。
合成実験が、なかなか思ったとおり行かず、予定以上に時間がかかったんだけど、なんとか本日分は終了した。
 
 
Photo
 
 
夕方から、工学部の早稲田大学OB会である「稲門会」が「吉亭」で開催された。工学部稲門会には14人のメンバーがいて、きょうはそのうち12名と名誉特別会員である安部三十郎米沢市長が出席した。
  
 
Photo
 
 
今回は、稲門会設立メンバーである機械科の中野教授が東北大に転出されるということで歓送会として開いたのだ。
他にも、最近来られた先生方の歓迎会と安部市長の再選のお祝いも兼ねた。
 
安部市長には、今後の米沢市のあり方、地域活性化、その他もろもろ、忌憚のない意見をズバズバ申し上げたんだけど、お耳に入っただろうか。
  
  
ちょっと疑問。
 
 
新メンバーの野長瀬教授は、大学院ものづくり技術経営学専攻所属で、大学発ベンチャーにも詳しくて、ベンチャーの陥りやすい失敗や成功させる秘訣等、経験豊富な先生の経験談を拝聴した。
 
大学教授の欠点は、純粋に技術を売ろうとすることで、技術が素晴らしければ商売として成り立つと勘違いしている点である。
これは、野長瀬教授と管理人は共通して認識している。
 
 
ビジネスとして成功させるのは、事業化プランがキチンと立てられてること、経営センスのあるスタッフがいること、リスクを最小限にしてスタートすること、などが重要でしょうということで意見は一致した。
 
管理人も、技術レベルが高いのに失敗した大学発ベンチャーを目の当たりにしているので、結局は所帯が小さいからといって、経営がいい加減でいいわけがなく、営利追求団体としての経営者というのが不可欠だと思う。
 
残念ながら、日本には「経営」を生業にしているプロフェッショナルが米国に比べて圧倒的に少ないので、ベンチャーのほとんどが失敗に終わるのだ。
所詮、文化の異なる国のシステムをそのまま持ち込もうとするのに無理がある。
 
だから、
日本に数少ない野長瀬教授のような人は、山形大にとって、かけがいのない人だと思うのだ。
 
 
ベンチャーに関して、いろいろ画策している管理人、まだまだ勉強しなければならないなあ、と思う今日この頃である。
 
 
 
 
 
 
 
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2008年3月 2日 (日)

有機EL関係者は米沢に集結!

  
 
3月14日の異業種交流会が近づいてきた。
 
これは、年に一度、有機EL関係者が一堂に会して情報交換する場で、ショートプレゼンやポスター発表、名刺交換会から懇親会まで企画されてる。
 
ショートプレゼンは全部で30社、以下、主なところをリストアップ。
 
 
 
サムスンSDI
日本精機
凸版印刷
大日本印刷
コニカミノルタ
サメイション(住友化学)
メルク
ケミプロ化成
日本ゼオン
アルバック
日立造船
トッキ



 
 
サムスンSDIは今回初登場ながら注目度は高い。
auやソフトバンク向けの有機ELを量産しているトップメーカーだからね。
 
他のパネルメーカーや材料メーカー、部品メーカー、大学関係者、マスコミ、150名前後の業界人が集り、極秘情報、裏情報を交換する。
 
 
だから、
 
 
この交流会に参加しない会社は、有機EL業界で取り残されて、事業で失敗すると言われているのだ。
 
 
おまけに、
 
 
翌日は、米沢スキー場にて雪上物理実験に始まり、温泉、そして「いろり」での焼き肉とお楽しみが続く。
 
あの、早稲田大学スカーゼスキークラブでブイブイ言わせたトキコーポレーションの小林氏も参加されるというからスゴイ。
 
 
 
交流会の詳細と参加申し込みは、学会研究会のサイトから。

 
翌日の物理実験参加希望者は、メールで管理人まで:
kid@mint.ocn.ne.jp
 
 
 
 
では皆さん、米沢で会いましょう!
 
 
 
 
 
 
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2008年3月 1日 (土)

最終講義の一日

 
 
大学教授が退官する時には、通常の授業以外に「最終講義」を行って、これまでの足跡をたどる。
これまで人の最終講義に出席したことはないのだけど、昨日は長井勝利教授の最終講義に出席した。
 
その一日を紹介したい。
  
長井教授は、管理人が平成元年に山形大学工学部高分子化学科に助手として着任した当時の講座の教授で、これまでどれだけお世話になったかわからない。 
35年の山形大での研究生活を振り返られ、代表的な研究を紹介されたが、その8割ほどは見覚えのあるもので、とても懐かしかった。
  
 
ご講演中の長井教授。さすが大学教授の風格。
Photo
 
 
熱心に聞き入る聴衆。
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花束贈呈で〜す。お疲れさまでした。
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4月からは企業の顧問として第二の人生を歩まれるそうだ。
  
ますますのご活躍を。
   
   
 
卒業生も、たくさん集り、過日、長井先生の高分子科学功績賞受賞の際、小野川温泉祝賀パーティに駆けつけた連中もやってきた。
 
 
講演後の茶話会の様子。「お茶」といっても大人のお茶だ。
Photo_3
   
   
恋人募集中の独身4人組をここで紹介。
Photo_4
 
 
一番左は町屋です。
勤務先はソニーケミカル、推定年齢35±2歳、推定年収800万円。
年齢より若く見えるのが特徴。
 
左から二番目は、腹話術の人形、じゃなくて、小林。
勤務先は三井化学、年齢41±2歳、推定年収1000万円。愛車は顔に似合わずシトロエン。
 
左から三番目は、タコ入道、じゃなくて、小畑。
勤務先はコニカミノルタ、年齢41±2歳、推定年収950万円。
下半身に自身あり。
 
一番右は、佐竹。
勤務先は旭硝子、年齢41±2歳、推定年収1200万円。愛車はVWパサート。
米沢興譲館高校出身。
下半身に自信なし。
 
ご希望のアイテムをご指定いただき、管理人までご一報を。
  
 
 
せっかくだからと、管理人の研究室の見学も。 
まずは、オフィスから。
 
 
東北リコーのドクター浅田。だれの椅子やと、思とんねん!
Photo_24 
 
 
佐竹とタコ。
Photo_21
 
 
サイエンス誌掲載論文著者の木村研究員を見つけ握手の浅田。
Photo_22
 
 
茶話会後の一次会は、大学から歩いて5分の「ほんまち亭」へ。
現役学生含め、数十名が集結。
 
 
Photo_6
 
  
次は、選抜部隊で長井先生をお連れして「弁慶」にて二次会。
Photo_7
 
 
19年前と変らない懐かしい店内。
Photo_8
 
 
十数年ぶりのスリーショット。
Photo_9
 
 
三次会は、長井先生に連れられてカラオケ「四季」へ。
Photo_10
 
 
佐竹の隣は、宇部丸善ポリエチレンの西下。 
In
  
 
長井先生、町屋とデュエット。
十八番は、「あ〜あなた、まか〜せの〜♪」
Photo_26
 
 
いつものように、お決まりのクルクル。
Photo_20
 
  
佐竹、一曲目熱唱。
Photo_11
 
 
佐竹、二曲目。何かにバカ笑いの西下。
Photo_12
 
 
佐竹、三曲目。
Photo_13
 
 
佐竹、四曲目。ひつこいっちゅうねん!
Photo_14
 
 
最後は、静かにワインバー「ともしび」へ。
 
 
Photo_15
 
 
福王子法林画伯ゆかりのマスター。
Photo_16
 
 
画伯の絵画。
Photo_17
  
  
記念の寄せ書きで〜す。
最後まで、佐竹、佐竹の一日であった。
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こばと代行で、帰宅したのは、午前3時。
これが、典型的な最終講義の一日なのか。 
 
 
 
 
 
 
 
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