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2008年1月21日 (月)

ライバル会社

  
 
きょうは、月曜なので、朝一番で「有機構造化学」の講義をした。
忙しくて講義などやっていないと思われている管理人であるが、講義をしないと学生との接点がなくなるので、一つだけ教えているのだ。 
 
授業の最初に、再来週、試験をするので板書したこと中心に勉強してね、ということと、試験ではノート・教科書持ち込み禁止、追試験・再試験なし、レポートもなし、単純に試験の点数で成績をつけるからね、と約束事を徹底した。
 
講義を終え、オフィスで学生と実験のディスカッションしたあと米沢駅へ向かい、11:41発の「つばさ」に飛び乗った。
  
車内で、いつものように日経産業新聞に目を通すと、「チッソ」の有機EL材料と「凸版印刷」の有機トランジスタの記事が目に入った。
 
一般の読者のみなさんは知らないと思うけど、チッソは液晶テレビで使われてる液晶材料では大手で、有機EL材料に関しても昔から研究開発している。移動度の高い電子輸送材料などを実用化しているのだ。
今回は、低分子系の青色蛍光材料を開発し、サンプル出荷を始めたとのこと。
すでに、水俣製造所に3〜5億円かけて材料の量産設備を整え、一回の反応で10キログラム生産できるようになった。
 
青色蛍光材料といえば、出光興産が有名だけど、最近では海外の材料メーカーが力をつけてきていて、事業は必ずしも順風満帆じゃないようだ。パネルメーカーとしては、高性能で低価格の材料が実用化されれば、そっちにたなびくからね。
 
今回のチッソの発表は、出光のようなライバル材料メーカーにとってはおおいに気になるところだけど、業界としてはレベルアップにつながるので喜ばしいことだと思う。
 
それに、チッソは研究開発ではまったく関係ない赤の他人で、どちらかと言えばライバルだけど、うちの研究室に在籍した知人がいるので、ぜひとも業界のためにも頑張っていただきたい。
 
 
 
凸版印刷の有機トランジスタは、塗布方式「オフセット印刷」で形成したものだ。低コストプロセスとして、印刷法は究極の低価格を実現できるものとして有機半導体デバイスの製造法として期待されている。
 
トランジスタを印刷で作るんだから、スゴイ時代になったものだ。
 
今回は、電子ペーパー駆動用の有機トランジスタをオフセット印刷にて線幅5ミクロンで高精細に形成したもの。トランジスタ構造のどの部分を印刷で形成したのか、あるいはすべてなのか、詳細には触れられていないが、10.5インチの大きさで640x480画素のトランジスタ基板を開発した。2008年度中のサンプル供給を目指す。
 
このニュースを一番気にしているのは、大日本印刷に違いない。
これも一般の読者の方々はご存知ないかも知れないが、凸版と大日本はライバル関係にある、というか犬猿の仲なのだ。
 
有機トランジスタや有機ELの研究開発を両社とも行っているし、他のディスプレイ関連事業では、液晶のカラーフィルタ事業でシェアを争っているのはよく知られている。
 
実は、うちは両社とも関係があって、どちらかの肩を持つことはできないので、大日本印刷にも有機ELばかりじゃなく、トランジスタでも頑張って欲しいと思うのである。
 
なかなかややこしい。
 
 
  
ところで、
 
きょうの東京での用事だけど、高分子学会の研究会運営委員長会議があったのだ。高分子学会には23の研究会があり、その事業報告。
毎年、この時期に開催される。
 
有機EL研究会も始まって5年経ち、当初から運営委員長を務める管理人であるが、この研究会は事業内容がとてもよろしくて優良研究会と言われている。
 
これは、運営委員長が立派なのではなくて、分野がホットなのと運営委員の方々が毎回考え抜いてすばらしいプログラムを作成してくれているから参加者が多くて盛況なのだ。 
 
みなさん、ありがとう。
 
帰りは、午後7時16分東京発の「つばさ」の人となった。
車内販売で、
「コーヒー、ブラックで」
と注文したら、
売り子さんが温かいコーヒーを準備しながら、
「お砂糖とミルクはお付けしますか?」
と聞いた。
 
不美人の売り子さんだったら、
「ブラックで!」
と、不機嫌に繰り返すところだけれど、
素敵なお嬢さんだったので、
「結構です」
と答えた。
 
 
男性だったら普通の反応だろう。
文句ありますか?
 
 
 
10時前に帰宅したら、美人の娘は寝ていた。
 
 
 
 
 
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