ケルン
なんと、日曜日にドイツに着いて以来、3日間フランクフルト空港をでていない。
むかし、トム・ハンクス演ずる主人公がニューヨークのJFK空港で生活する映画があったけど、自分も空港生活者になるとは思ってもみなかった。
実は、泊まっているシェラトンホテルは空港ターミナルと道路を一本隔てただけで、しかも通路でつながっている。おまけに会議の会場もホテルの中だ。
だから、この3日間というもの、一歩も外へ出てなくて、ドイツの生の空気を吸ってなかったのだ。
だから、きょうはケルンに来れて、単純にうれしい。たとえると、大海にでたカエルのような気分か。(どんなんや)
ケルンにきた理由は、
3週間ほど前に、ケルン大学のミアホルツ教授からメールが来て、研究室に招待されたのだ。
教授は高分子の専門で、高分子を使った有機ELとか太陽電池の研究をしている。学生数は40人を超える大研究室で、ドイツでもトップクラスの成果を上げている。
(写真)ケルン大学の物理化学研究所


最先端の設備を有する研究室を見学したあと、講演を行った。最後に持って来た白色有機ELパネルをビカーッと光らせると皆ビビっていた。
夕食には、教授夫人とドクターコースの二人の学生もジョインしてイタリアンに行った。
これまで、3日間というもの、これでもかと言うくらいにドイツ料理攻めにあっていたので助かった。
サプライズメニュとかで、シェフのおまかせコースを全員注文、生ハムやカルパッチョなどの前菜に始まり、パスタ、主菜のラム肉、デザートのティラミス、それにエスプレッソ、と好きなものの連打だ。
もちろん、ここではドイツビールじゃなく、白と赤のイタリアンワインをいただいた。
イタリア人の血が半分混じっている自分としては、なんだか故郷に帰ったようでホッとした。(うそです)
実は、大学に行く前に、少し早目に着いたのでケルンの町を散策したんだけど、その時に、果物を売っているワゴンがあって、大きな柿が所狭しと並んでいるのを見かけた。
(写真)カキのワゴン

ホホウ、ドイツでも柿が旬なのだな、と感心していると、売り子のでかいドイツオヤジが、「XXX、XXX、カキ」と大声を張り上げている。
カキ?やて、と思って、耳を澄ませていると、やっぱり、
「XXX、カキ」
「XXX、カキ」
「XXX、カキ」
と、何度聞いても間違いなく最後に「カキ」と言ってる。
ひょっとして、ドイツ語でも柿を「カキ」というのかなと思って、近づくとホントに「Kakis」と書いてあるではないか。
(写真)

これは「とても・おいしい・カキ」と書いてあるのだな、そして、本来、柿はドイツにはなくて、どこからか輸入していて、それに誰かが勝手に「カキ」と名付けたのだ、とこちらも勝手に解釈した。
名付け親が柿のことを日本語の「カキ」にしたのは、やっぱり第二次世界大戦で共に戦った仲間だから、日独友好の証しに「カキ」と名付けてくれたのだな、と戦中派(?)の自分としては、とてもうれしく思った。あのとき、イタリアがヘタレじゃなかったら、ひょっとしたらひょっとしたかも知れないし。
そんなことが昼間あったので、いいチャンスだと思って、イタリアンなワインをいただきながら、ドイツ人の教授夫人に柿の写真を見ていただき、なんて書いてあるのか聞いたら「Sugar・Sweet・カキ」と書いてアルのですよ、と親切に教えてくれた。
そうか、「砂糖のように甘い柿」だったんだなと納得。「とても・おいしい・カキ」でも、間違いではないような気がする。(ぜんぜん違うけど)
聞くと、やっぱり、柿はドイツにはなくて、輸入しているのでしょう、とのこと。
けど、どうして日本語の「カキ」って呼ぶのかはご存じない。
そこで、「第二次世界大戦でいっしょに戦ったからですよ、次はヘタレのイタリア抜きでやりましょう」、なんてバカなことは言わなかった。
奥様は、前に食べたことがあるけど、皮が固くてあまりおいしくなかった、とおっしゃる。
奥様、奥様、柿は皮をむいて食べてくださいね、と柿の名誉のために教えてあげた。奥様、ご納得。
おいしいイタリア料理をいただきながらドイツ語も学べたし、楽しいひとときだった。
(写真)有名なケルンの大聖堂

(写真)ケルンのライン川

(写真)ケルンの川沿いのカフェ

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