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2007年10月25日 (木)

FPDインターナショナル

 
 
FPDとは、Flat Panel Display(平面表示装置)の略である。
だから、FPDインターナショナルは、無理に日本語に直すと国際平面表示装置展示会である。
会場の横浜パシフィコまで行ってきたので様子を報告したい。
 
まず、のぞいたのがセイコーエプソンのブース。
8インチの有機ELが4台展示してある。
「黒」を強調するだけあって、黒が真っ黒である。一般大衆には、意味がわからないかも知れないが、液晶やプラズマは黒が黒じゃない。
真っ暗な部屋で、液晶テレビやプラズマテレビをつけて何も映らない状態、すなわち真っ黒を表示させても、ぼんやり薄暗く光っているのがわかるはず。
だから、暗い映像で階調表現がうまくだせず、ベタッと黒くなったりする。
エプソンの有機ELは、展示の仕方や映す映像も工夫して黒を美しく見せてある。
 
完璧な黒や。
 
これと比較すると、パイオニアのプラズマの「KURO」は、「HAIIRO」に変更しなければならない。
 
 
(写真)これこそ「黒」や
Photo
 
 
(写真)お見事な映像
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(写真)お見事、お見事
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(写真)黒がエエなあ。それに、このキラキラ感。
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材料は、低分子で真空蒸着で成膜。インクジェットは、しばらくおあずけ。
RGBの三原色は、白色有機ELとカラーフィルターで実現している。これは、以前から管理人城戸が提案している方式。大型化に向いてるし、生産時の歩留まりが他の方式に比べて遥かに高い。特に、タンデム型マルチフォトン構造にすると、寿命はさらに4〜5倍は向上するうえ、有機EL成膜時の歩留まりは100%近くにまで上げられる。 
  
車のインパネも有機ELを使ってある。
beautiful、の一言。
車載用は寿命20万時間は確保しないといけないけど、マルチフォトン構造だったら大丈夫だ。
 
エプソンには、受注生産じゃなく、自社製品に組み込んで大量生産して欲しいと思う。
深瀬、「売れなかったら腹切る」、とか何とか言って、なんとかしろよ。
   
  
 (写真)ホテルのバーとか高級料亭にいかがでしょう
Photo_3
 
 
(写真)有機ELインパネ
Photo_18
 
 
 
サムスンのブースは圧巻だ。
製品がずらっと並ぶ上に、意欲的な試作品も展示。
厚さが、たった0.37mmのモジュールや、写真フィルムよりも薄いパネルがある。
曲げられるものまで試作している。
  
ヒョエ〜やな。
  
 
(写真)量産されてる小型パネル
Photo_4
  
  
(写真)auの携帯電話
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(写真)ガラスも薄いと曲がります
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(写真)有機ELは写真フィルムより薄くできます。液晶にできるか?
Photo_5
 
 
(写真)タイリングでちょっとお遊び
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次は、台湾のCMELだ。
液晶メーカーのCMOから独立した、有機EL専業メーカーだ。
25インチの有機ELを液晶と比較。圧倒的な画質の高さと消費電力の低さをアピール。(しかし、比較対象の液晶が粗悪品過ぎるで。)
   
小型は、量産中とかで近々国内の市場に投入されるらしい。
Auやソフトバンクはすでに秋冬モデルを発表したし、ドコモは根性なしやし。
たぶん、どこかの音楽プレイヤーか、ワンセグテレビだろう。
  
 
(写真)ただいま小型を生産中です
Cmel
 
 
(写真)左が有機EL、右が液晶。画質と消費電力を比べてください。お姉さんもビックリ!
Cmel_2
 
 
 
台湾では、有機ELメーカーのプレイヤーが入れ替わっている。
これまで、ライトディスプレイやユニビジョンが小型パッシブ型で市場を牽引したが、アクティブ型を量産できない上、パッシブ型の価格が下がって利益がでず、いまや沈没状態。
  
これからは、アクティブが量産できるCMELとかToppolyの時代だろう。
  
韓国では、LGフィリップスLCDが、アクティブ型有機ELの量産体制に入った。こちらも、CMELと同程度の技術力を有するようだ。年末から年明けにかけて、市場に投入される見込み。
  
これから、国内市場に有機ELを搭載した製品が続々と搭載されようとしている。
  
 
 
(写真)小型をただいま生産中
Lg
  
 
 
ここで、ちょっと、休憩。
 
 
 
フジキンと言う会社のブースで、場違いな水槽を発見。
中には、なんとチョウザメの子供が数匹(数尾?)。
実は、本来、バルブやマスフローメーターの会社だけど、社長の趣味(?)でチョウザメの養殖をつくばで行っていて、生のキャビアなんかを都内の超一流ホテルに卸しているらしい。
おもしろい社長のおもしろい会社だ。
 
 
(写真)チョウザメ君
Photo_8
 
 
(写真)三橋本部長
Photo_9
 
 
このブースでは、キャビアクッキーをもらった。
キャビアクッキーやで。
  
ちょっと、うれしかった。
  
卒業生の米華(こめはな)がいるかなと思ったけど、いなかった。
どこかで、油でも売っているのか。
   
 
(写真)クッキーの箱 
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(写真)黒い点々がキャビア。口の中でサクッとしたら、ほのかなキャビアの香りが(しなかった)。
Photo_20
 

バルブやマスフローメター、キャビアのご用命は「フジキン」まで。(これで、クッキー分は宣伝したな)
 

 
 
さて、有機EL。
 
 
東芝が、相変わらずしょぼいデモ。
社長が有機ELテレビを作るって言ったんだから、もうちょっと真面目にやって欲しい。
  
じゃないと、社長が「オオカミ中年」って呼ばれるよ。
  
丸い液晶なんて作ってる場合じゃないぞ。
おもしろいけどね。
  
それと、車のインパネがまさしくエプソンと同じコンセプトだったけど、液晶を使ったこちらのデモ品は、オモチャ。
高級感まるでなし。
トヨタは採用しないな。
 
 
(写真)小型有機ELのデモ。これだけ。
 Photo_23
 
  
(写真)液晶インパネ。実物を見たら黒がまったく沈んでなくて、安っぽい。
Photo_10 
 

(写真)丸い液晶メーター。かわいい。
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日立に至っては、この展示会でも影も形もなし。
消えたで。
ひょっとして有機EL事業はお取り潰しか。
   
  
日本精機やデンソーといった車載用ディスプレイを製造しているメーカーは、どちらも小型のパッシブ型を展示。
日本精機製はすでにアメ車に搭載済みで、実績がある。
一方のデンソーは、トヨタが品質にこだわるので、まだ実績がない。
しかし、「そろそろ出るでえ」と言う噂も聞こえてくる。
ここは、有機ELより先に無機ELを量産しているが、市場が拡大せず今やお荷物事業と化している。
誰かが上の方で、「もう、辞めヤッ」て言わないと、ズルズル引きずるね。
  
 
(写真)デンソーの透明無機EL
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(写真)デンソーの有機EL
Photo_12
 
 
(写真)日本精機の有機EL
Photo_13
 
 
日本精機には皆川さんという色白でポッチャリしてちょっと長州小力似の色男がいて、きょうは会えるかなと思ったけど、おられなかった。
どこかで、デートか。
  
他にも、材料メーカーでは出光興産、住友化学、装置メーカーではトッキ、長州産業、アルバック、日立造船など。
  
最後に、有機EL工場をまるごと提案している大胆な会社が三菱重工。
そりゃあ、橋梁とか発電所とか、飛行機、人工衛星、人造人間なんでも作れるからって、有機EL工場丸ごととはね。しかも、耐震設計でどんな地震がきても大丈夫とか。
 
けど、ここだけの話、重工の蒸着源はいわゆるリニア蒸着源で、すでに実用レベル。
すでに、30cmと小さめの基板だが、インラインの実験機で流して有機EL特性がキチンと出ている。
他の蒸着機メーカーが、単に蒸着源や蒸着機を提案しているだけであるのに対し、パネルを実際に作り込んでる三菱重工は信頼性が圧倒的に高い。
まあ、実際に蒸着機を完成させ、パネルを作り込んでるのは有機エレクトロニクス研究所だけどね。
 
 
(写真)重工の有機ELプラント
Photo_14
 
 
有機EL以外に興味があったのが電子ペーパー。
いわゆる反射型のディスプレイで、有機ELのように光らないけど、消費電力が非常に低くて、将来は新聞紙やポスターに使われると期待されてる。
 
アメリカのe-Ink社がその草分け。
モノクロのパネルはすでにソニーの電子ブックに採用されている。
今回は、モノクロ以外にカラーの試作品も。
数年前から、追っかけてるけど、画質に関してはいまいち進展がない。
モノクロは、白がまだ白くないし、黒も黒じゃない。薄い灰色と濃い灰色だ。
専門的にはコントラスト比が低い。
カラーディスプレイも発色性が低くて、実用レベル以下。
  
う〜ん。
  
唸るな。
このままじゃあ、普及しない。
 
 
(写真)白黒です。けど、白と黒じゃない。
Eink
 
 
(写真)カラーです。けど、くすんでる。
Eink_2
 
 
一方、国内勢のブリジストンの電子ペーパーも最近よく報道される。
結構大きいA3サイズの電子ペーパーを試作している。
精細度等は十分だが、e-Inkと同じく、コントラスト比が低い。
新聞紙と同程度というが、正直、これじゃまだ使えない。
せめて白をキチッと白くするか、黒をキチッと黒くすれば見られると思う。
  
エリアカラーの値札が展示してあったけど、これなら使えそう。
でも、カラー化できなければ、これら電子ペーパーはニッチ市場で終わるな。
 
 
(写真)新聞と値札 
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(写真)カラーパネル。e-Inkよりは画質良好、でも、実用レベル以下。
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省エネ、省資源と言う面では、理想なんだから、本来、国が率先して予算を付け開発すべき技術と思う。
  
  
以上、まとめると、有機ELがテイクオフ!、
という感じがヒシヒシと伝わってきた。来場者も、液晶やプラズマには見向きもせず、皆、有機ELが目当てである。
これからは、低価格品(安物)が液晶、高価格品(高級品)が有機ELと棲み分けて薄型ディスプレイの市場が拡大するのは間違いない。
  
  
ただし、現状のままでは量産で韓国や台湾製に先を越され、液晶と同じように、日本は技術開発して、韓台が利益をむさぼる構図になるだろう。
  
東芝や日立などの有機EL技術を有する大手メーカーの奮起と、日本すなわち経済産業省がビジョンを持って支援しなければ、有機ELでの技術立国日本の復活はむずかしい。
  
 
いずれにしろ、有機ELがいよいよ来ましたよ!
 

 
(写真)アイサプライの増田さん。もっとも信頼性の高い調査会社です。管理人城戸のいうことが信じられない人は、ぜひ増田さんに確かめてください。
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