低分子有機EL vs 高分子有機EL
セイコーエプソンのホームページに今回の発表について詳細が掲載された。
要点は以下のとおりである。
・ 輝度半減寿命50000時間以上と目処をつけた。
・ 小規模量産対応可能な開発製造ラインを稼働させた。
・ 10/24〜26に横浜パシフィコで開催されるFPDインターナショナルで展示する。
・ 開発した有機ELパネル
画面サイズ 対角20.3cm 8インチ
画素数 800x480
輝 度 200cd/m2
コントラスト比 100,000:1以上
実は、非常に重要なポイントが開示されていない。
使っている材料が、「低分子」なのか、「高分子」なのか、と言うこと。
昨日の当ブログの記事では、これまでのエプソンの研究開発状況および新聞記事という制限された情報の中からの推測で、インクジェットで「高分子を塗布する」と仮定した。
しかし、公式な発表において、低分子、高分子、そして製造方法を明らかにしないと言うことは、逆に「低分子を蒸着」で成膜する方法を採用した可能性が濃厚なのだ。
そうなると、昨日指摘した高分子有機ELにおける課題がいまだに解決できずに、「インクジェットで高分子」を断念したと言うことになる。
セイコーエプソンがインクジェットを捨てたとなると、得意技を封印して試合に臨む格闘家のようなもので、他社との違いが明確に示せないので、「低分子」とは積極的に公表できないのだ。
特に、ソニーの「製品化」発表の後ではね。
また、エプソンが低分子系を選択したとなると、高分子を用いるディスプレイメーカーは、カシオと東芝松下(TMD)だけになり、住友化学の高分子材料を使用してパネル製造する会社が極めて限定されてしまう。
実際に、TMDでは、低分子の蒸着ラインが稼働していて、高分子は研究レベルだし。
低分子有機ELを量産する会社がほとんどで、高分子がカシオ1社じゃあ、この勝負は試合が始まる前に決着がついたようなものだ。
救いとしては、大日本印刷や凸版印刷が高分子を印刷法で成膜するパネル製造技術を磨いているので、一日も早く低分子よりも低コストで量産できる方法を確立されることが生き残る唯一の道だ。
だから、実際に、エプソンが高分子から低分子への方向転換したのであれば、これは高分子陣営にとっては極めて大きな打撃である。
だから、それは発表できないのである。
FPDインターナショナルで説明員に聞こう。
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