青森の有機EL
きょうは、午後から化学メーカーU社の方々が総勢8名で御来室。
有機ELの現状、課題および将来性についてお話した。
研究室見学後、有機エレクトロニクス研究所へ。
研究所では、施設見学および研究所のミッションなどを説明した。
山形有機エレクトロニクスバレー構想で、今、直面している課題は、第1フェーズ終了後の予算の確保だ。
あと2年半で第1フェーズが終わる。
第1フェーズ7年間の予算43億円は、県の財団の基金を取り崩したが、第2フェーズ5年分はない。第3フェーズ5年分なんて影も形もない。
だから、県が新たに予算を確保する必要があるのだ。
ここは、齋藤知事の腕の見せ所だな。
有機ELと言えば、
日経産業新聞に、青森の有機ELが紹介されていた。
知らない人も多いかも知れないが、昨年、六ケ所村に「東北デバイス」という有機EL専業メーカーの工場ができたのだ。
会社設立前に、親会社から研究員の方が城戸研究室で研修して基礎を作られた。
だから、竣工式に呼んでいただき、その時に青森県の三村知事とお目にかかった。
三村知事は、宮崎県知事のように腰が低くて、宮崎県知事のようにユーモアもあり、宮崎県知事以上にエネルギーが一杯の元気印の人だ。
東北デバイスの立地もトップセールスで成功させたに違いない。
それに、青森県庁では県職員の人達も誠実で、情熱的で、企業誘致にとても熱心だ。
そして、何よりも地元の人達が心から喜んでおられる姿を拝見して、有機EL関係者として、とてもうれしかった。
青森県では、県庁、県民、村民、大間のクロマグロ、ホタテ貝、みんなで東北デバイスを支援しているのだ。
うらやましい。
ところで、
肝心の記事の内容は、というと、白色有機ELパネルのことだ。
東北デバイスでは、昨年から白色の有機ELパネルを製造しているらしい、のだ。
「らしい」というのは、国内で販売しておらず、誰も実物を見たことがないからだ。
もちろん私も見たことない。
幻の白色パネルやね。
記事によると、対角2.8インチの白色パネルを欧米のメーカー向けに出荷を始めたらしい。年末には月2〜3万枚程度のペースで出荷する予定だ。
現在の出荷枚数はわからないので、ひょっとしたら、サンプル出荷程度かも知れない。
来年から4インチ以上も製品化するらしくて、小型テレビやカーナビなどの需要を開拓するらしい。
「らしい」、ばかりで申し訳ない。
ただ、液晶バックライトの単価、有機ELの製造原価から想像すると、利益率は極めて低くて、月産2〜3万枚程度では、事業としては成り立っていないだろう。
相馬社長、がんばれ!
ところで、「山形の白色有機EL」と「青森の白色有機EL」の違いが、わかりますか?
ネコでもわかるように簡単に言うと、有機ELって、薄い有機膜を2枚の電極で挟んだサンドイッチみたいなもの。
ハムサンドとか、タマゴサンドみたいなネ。はさむ具によって発光する色がかわる。
だから、白色有機ELは、言ってみればミックスサンド。
赤とか、緑とか、青のような発光色の異なる材料を電極で挟む。
これが、普通の一般的な構造で、青森の白色はこのタイプ。
明るさで言うと、1000カンデラ(cd/m2)程度の用途に使えます。
たとえば、インジケーターとかモノクロ液晶のバックライトとか。
山形の白色は、サンドイッチで言えば、クラブサンドあるいはクラブハウスサンド。要するに、サンドイッチが重ねられたような構造をしてる。
だから、普通のサンドより、ずっと高い明るさで使える。3000カンデラとか5000カンデラとか。
だから、照明器具に使える。
実用化への技術的なハードルは、もちろんクラブサンド構造の方が高い。
でも、市場規模は圧倒的に照明市場が大きい。
将来的には、有機EL照明の市場規模は国内だけでも5000億円以上が予想される。
だから、山形では時間をかけてでも有機EL照明を実現するのだ。
けど、せっかく市場が出来ても、山形県にその産業を集積できるかどうかは、フェーズ2、フェーズ3の予算をいかに確保して、技術を集積するかにかかっている。
だから、県のトップである齋藤知事への県民の期待は大きいのだ。
がんばれ、齋藤知事!
(写真)コイズミ照明と有機エレ研で共同開発した有機EL照明器具

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