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2021年10月19日 (火)

旅の人

   

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先日、真鍋淑郎博士がノーベル賞を受賞されたとき、

なぜ日本からアメリカに国籍を変えたか聞かれて、

日本は住みにくいから

的な返答をされました。

     

私はいつも思うんです。

なぜ故郷を離れたのか、を聞く日本人。

きっと、

アメリカ生まれの科学者が日本国籍を取得してノーベル賞を受賞しても、

アメリカ人の記者はなぜ日本国籍を取得したのかなんて聞かないでしょう。

   

真鍋博士は、東京大学の大学院で博士課程を修了されて渡米されました。

なぜなら、研究環境がいいからです。

博士の好奇心を満たせる環境があったからです。

そして、

多額の研究費を得てノーベル賞につながる研究をされました。

  

そんな環境に恵まれているのに、

なぜ帰国する必要があるのでしょうか?

骨を埋めるつもりなら国籍があった方が便利でしょう。

だから、

国籍を取得されたわけです。

    

言いたいのは、

日本人の多くは、人は生まれ故郷に帰る

のが普通だ、と思っていることです。

   

故郷に錦を飾る

という言葉があるくらいですからね。

     

私もよく聞かれます。

いつ大阪に帰るんですか?と。

あのね、

大阪で生まれ、高校卒業までいましたけど、

それだけですよ。

今更何しに帰るんですか?

と聞き返します。

   

真鍋博士もそうですよね。

日本に帰ってきても、研究環境はアメリカとは比較にならないし、

人間関係はうっとおしいし、

一度アメリカで長く暮らすと、

多くの人はそうなります。

      

私自身、

ニューヨークで5年間暮らし、

その後、

IBMの研究所やベル研究所で博士研究員をやりたかったんですが、

早稲田の恩師の強い要請で山形大学に助手として赴任しました。

もし、あの時、あのまま2年でも3年でもアメリカに残っていれば、

日本には帰って来てないでしょうね。

5年も住めばアメリカ暮らしに慣れて、

快適になるからです。

    

まあ、

私に関しては山形大に来て、

好きな研究ができて結果オーライだったので、

山形に今でも住んでいるんですけどね。

    

そういえば、

この地方では、

他県から来てこの地で暮らす人のことを旅の人と呼びます。

他から来た人は、他に移動していくということから、

そう呼ぶんでしょう。

     

流動性のなさというのは、

こういう日本人の農耕民族性というか、

遺伝子に刻み込まれた何かがあるのかもしれません。

   

それが変わるのには、

あと2000年くらいかかるのでしょうか。

   

    

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