知財で稼ぐ大学ですけど、
外国の場合はどうでしょう。
アメリカでは、大学での研究は日本の科研費に相当するNSFの研究費から、
NavyやArmyその他、多くの研究助成機関から研究費を獲得します。
それらの研究費は人件費込みで、自分の給料が増えるばかりでなく、博士研究員を雇ったり、学生に奨学金を給付したり、
非常に使い勝手の良いものです。
しかも、
研究費の半分を間接経費として、大学が召あげるので、
大学にとっては、多額の外部資金を獲得する教授は、まさしく稼げる大学教授です。
一億円の研究費の場合、5000万円を大学が間接経費として徴収するので大きいですね。
したがって、
稼げる教授は学部長と年俸を交渉して、スター教授であれば、3000万円なんてことは普通です。
まるでプロ野球選手ですね。
で、
知財です。
稼げる教授は、研究費が多く、そのため発明そして特許出願も多くなります。
発明は職務発明となり、大学からの出願となり、出願費用、維持費用は大学が負担します。
日本のように、出願費用を教授の研究費から支出するというようなことはありません。
で、
違うのはこれからです。
アメリカでは。そのような特許を使用しようと、プロの起業家、すなわちCEO屋さんが教授に声がけして、顧問を依頼し、
大学から専用実施権を設定してもらいベンチャーを始めます。
多くの場合は、COE屋さんは技術の目利きであるCTO屋さんとタッグを組んで動いてるケースがあるようです。
そして、
国からのベンチャー支援として、
SBIR(Small Business Innovation Research)を利用して、
助成金を獲得し、フェーズ1、フェーズ2、フェーズ3と、基礎レベルの研究を、応用、そして実用化へと発展させていきます。
その間、ベンチャーキャピタルからの出資を受け、研究者を増やし、フェーズ3まで行くと、社員数も30人を超えるでしょうか。
フェーズ3まで行ったベンチャーは、
最終的には、上場したり、大企業に買収されたり、
その結果、創業者であるCEOは大金を掴むことになります。
発明した教授もストックオプションなんかで、株式を保有しているので、その売却益は莫大ですし、
顧問料なんかで収入アップです。
注目すべきは、
このシステムでは、銀行からの借り入れもなく、ベンチャーに関わってる人間は、
なんのリスクもなく夢にチャレンジしていることです。
大学にとっても、
その大学発ベンチャーの株式を保有していたり、
特許の実施料を徴収したりして、
労せずして知財収入が生まれます。
また、
大金を掴んだ大学教授の多くは、
大学に寄付を行い、その額も20億、30億円から、200億、300億円と
極めて高額です。
アメリカの大学の収入の多くは寄付であること、
これは結局のところ、
知財が有効に生かされている結果と言えるかもしれません。
そいうことで、
大学発ベンチャーをいかに生み出して、
支援して、成功に導くか、
というのが大学の知財の活かし方です。
では、なぜそれが日本ではできていないのか、
次回お話しします。
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