先週ですけど、
大学院の1年生に向けてオンラインで講義をしました。
全学の大学院1年生が対象で、この講義の場合は400名くらいでしょうか、
工学部だけじゃなく、理学部、農学部や人文系もいると思います。
で、
講演後に感想文が、
200ほど、まとめて送られてきました。
全部目を通しまたので、いくつか紹介させていただきながらコメントさせていただきます。
感想1
私は、◯◯県出身で山形大学に来ました。城戸先生が◯◯県の自分の出身高校で出前講義をしてくださったことを今でも覚えています。
その時も、今回話していただいたお話と似たお話をしてくださいました。高校時代に聞いた時は、「自分の話ばかりされても...」と失礼ながら少し感じていました。しかし、今回城戸先生から城戸先生のお話をたくさん聞いて、「こんなに学べることがあるんだ」と感じました。むしろ原体験ベースで大事なことを沢山話していただいてとても有益なお話だと今回感じることができました。最近になって、目標や夢の大切さを身をもって感じることができて、大人になって夢や目標を掲げるのを少し恥ずかしがっていたのですが、今では小さい目標から大きい目標まで口に出すようにしています。あと、城戸先生のお話を聞いて、話に聞き入ってしまう印象になりました。なぜか考えたところ、1つはとても強い軸をお持ちだからだと感じました。どこにもいい顔をするのでは無く、「あれは○○だから良くない」「あれは○○だからいい」と自分の強い軸で速いテンポで物事を判断されていたので、とても説得力があって話が入ってくるのだと感じました。これらの事は、自分もとても参考にさせていただきたいと感じました。「専門的なことを極めつつ、多くの人に魅力的な伝え方ができる」という面でとても参考になるご講演でした。
ありがとうございました。
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いつも自分の話ですいません。
聞いたり読んだりした人の成功話をしても説得力に欠ける思って、
いつも自分の話をしてます。
高校生には、私が高校の時の恥ずかしい成績表なんかをお見せしたと思います。
いつも自分をさらけ出してます。
感想2
工業、農業、観光、人材のそれぞれの観点からの地域活性化の素について教えていただきました。城戸先生は話の進め方が絶妙で、聴いていた私は話にどんどん引き込まれていきました。Zoom授業はどうしても一方通行の授業になりがちだけど、飽きることなく楽しみながら聴いていられた90分間でした。
特に目標をもって挑戦することのお話には感銘を受けました。目標があると頑張れるとおっしゃっていて、目標を設定することの大切さを感じられました。城戸先生は夢に出てくるくらいにという表現をなさっていたのには驚きました。私はこの表現に刺激を受けたし、私自身、目標や夢の設定をを大切にして、私も夢の中にでてくるくらいにがむしゃらになってみたいなと思いました。この気持ちを大切にしていきたいです。
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何かを成し遂げようとしたら、1日24時間、1年365日、とにかく没頭することでしょうね。
若き日のスティーブ・ジョブスやビル・ゲーツもそうだったと思います。
感想3
私は、一流の技術者(研究者)になるには、誰の助けも借りずある特定の分野を極め研究を行い続けていればいいと考え、特に目標も設定せず現在与えられているテーマの研究を行ってきました。しかし、今回の講義でその考えは間違えていたと感じました。なぜなら、城戸先生のお話の中には自分の考えとは逆のお話しかなかったからです。特に、「目標を設定することで人間は頑張れる」や「やりたいことがあるならそれが専門でなくても勉強すれば一流になれる」、「一流の技術者に大器晩成型の人間は存在しない」という言葉に説得力がありました。今後私は、一流の技術者(研究者)になるために明確な目標を設定し、専門を軸とした幅広い分野について専門を極めるために勉強していきたいと考えました。
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もちろん、中には大器晩成型の科学者もいるかもしれませんが、自分の手で実験して、その結果を目で見て、耳で聞いて、肌で感じるというのは、若い時ですね。そういう現場でのふとした気づきがあって、大発明につながります。ノーベル賞受賞者の多くはセレンディピティ的に、偶然に新しいことを見つけ出してますね。だから、20代、30代が勝負です。とにかく、若い時、特に学生時代は人生で一番時間があるので、色々経験して欲しいと思います。
質問もいただきました、
これって多くの学生さんの共通の質問かと思いますので、ここでお答えします。
質問:
私は漠然としたいくつかの目標は持っているのですが、明確に本気で打ち込める夢がありません。夢を持つにはどうすればよいでしょうか?
答え:
私も大学生の時、明確な目標も、夢もありませんでした。
4年の時、卒業研究で配属になった研究室で、機能性高分子の研究に関わりました。
研究って、すごく面白いと思いました。
修士に進学しようと思いました。
指導教授が、君は成績が悪いのでアメリカに行ってゼロからやり直したまえ、と知り合いの教授を紹介してくれました。
私はその時に決心しました。
アメリカに行って自分の研究者としての力を試してやろう、と。
アメリカでの博士課程5年間は、死ぬぐらい勉強しました。
精一杯実験しました。
そのうち、自分で研究テーマも教授に提案できるようになりました。
博士を修了する時に考えました。
この国に残って、IBMの研究所やベル研究所など、世界の頭脳が集まる研究所でどこまで通用するか、試したいと。
しかし、山形大の助手の席を紹介され、
帰国することになりました。
そこで、大学の教員になる限りは、世界が驚くような研究成果を上げてやろうと、決心しました。
それ以降、私の講義の中でお話ししたとおり、目標を設定してがんばりました。
夢とか目標って、
ふとしたきっかけで、持つようになると思うんですね。
例えば、
ベンチャー企業家がテレビで喋ってるのを見て、そうなりたいと思うとか、
ノーベル賞受賞者の講演を聞いて、自分もそんな研究者になりたいとか、
メジャーリーグで活躍してる野球選手を見て、そうなりたいとか、
まずこんな人になりたい、と思う人がいるなら、
そうなってみようと思うのもいいかもしれません。
重要なのは、
自分自身が特別な人だと信じることです。
何らかのミッションを帯びてこの世に生まれてきた、と。
実はそのミッションは何なのかを探し続けるのが人生だと思っています。
与えられた場所で、環境で、必死で頑張れば、
それは必ず誰かに見られていて、
その結果、チャンスが与えられ、
それまで考えもしなかった道がひらけてくることがあります。
明確な目標や夢がないこと、
多くの学生さんはそうでしょうね。
大学院生なら、まず必死で勉強や研究に打ち込んでみてください。
何かが見えてくると思います。
結局は、
卵かニワトリか、なんですね。
目標があれば、頑張れますし、
私自身の経験から、
頑張ってれば、目標が明確になる、
とも思いますね。
20年後、40歳になった時に、
何をやってたいのか、
どうなってたいのか、
じっくりと、真剣に考えてみれば道が見えてくると思いますよ。
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