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2021年1月25日 (月)

実は恥ずかしがり屋のボク

    

20210121-220920

      

これが連載3回目。

講演するのが怖くなくなる方法を伝授します。

   

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人前緊張症の治し方

  

子どものころから人前で歌うのが好きじゃないうえ、とくにダミ声オヤジの音程の定かでない歌を聴かされるのが苦痛でカラオケには出入りしないのであるが、嫁さんと娘には音痴だから歌わないのだろうと誤解されている。何事にも完璧を求める性格上、美空ひばりのように歌う自信がなく、中途半端なレベルでは人様に聞いてもらえないという理由で歌わないだけのことである。

そんな筆者がアメリカ留学したのは今から20数年前。学部を卒業して英会話学校に2週間通った。アメリカ人のレッスンを受け、日常会話はほぼ大丈夫と自信満々。渡米して一ヶ月後の暑い日のこと。マンハッタンを半日探索し、ノドがからからで入った喫茶店。「コーク!」と注文したら、でてきたのは湯気のたつ熱いコーヒー。移民の多いニューヨークでは、ウェイトレスの英語力は所詮その程度だから気をつけた方がいいと知った。

そんな英語力であせったのが、大学院の単位として取得しなければならない学生セミナー。渡米2ヶ月後、はじめて学生セミナーに聴衆として参加したとき、中国人留学生がペラペラの英語で発表し、教授達と熱くディスカッションしている。それを一番後ろで聞きながら、明日帰国しようと真剣に思った。英会話力はゼロに等しく、教授達とビシバシ議論することなんて夢のまた夢、それに人前では緊張してしゃべれない、という三重苦のヘレン・ケラー状態。日本語ですら人前での発表ができないんだから・・・。

さいわい、英会話に関しては研究室のアイリッシュ系アメリカ人のキュートな女の子が発音の仕方を教えてくれた。下宿でも毎晩テレビを見て、リスニングに力をいれた。特にシチュエイションコメディは聞き取りやすくて、なかでも俳優のマイケル・J・フォックスが好きで、いつも見ながら彼の発音のマネをした。筆者が英語をしゃべるとマイケル・J・フォックスのようだと言われるのはそのせいである(ウソです)。

2年後。英会話もそこそこできるようになり、専門も必死で勉強した。けど、人前緊張症はなおらない。でも、教授に言われて、とりあえずセミナーの日程を決定。OHPシートを約30枚準備して、原稿を作成。そして完璧に丸暗記。それが終わると、下宿でOHPシートと対応させながら本番さながらの練習を20回。一ヶ月で、練習では完璧にプレゼンできるようになった。

そして向かえた本番。講義室の最前列にはハーバート・モラヴィッツやマーク・グリーンなど教授達。ビビりつつも一枚目のOHPを出して発表を始めたら、練習の甲斐あってか、神が降臨したのか、意外にもスラスラと言葉が出て来て、完璧な講演ができた。質疑応答もノープロブレム。終わったときの充実感と言ったら60cmクラスの真鯛を粟島の磯で釣り上げたときのようなものか。釣ったことないけど・・・。

で、気が付いた。いままで人前でしゃべれなかったのは、自分自身に自信がなかったから。発言内容がまちがっていたら恥ずかしい、発音が下手だったら恥ずかしい、緊張しているのを知られると恥ずかしい、なんて考えると完璧主義者ほどしゃべれなくなるのである。あの一瞬以来、講演会での発表が怖くなくなった。どころか、今では聴衆が多ければ多いほどうれしくなる芸人のような変な人間になってしまった。だからカラオケ教室で2週間のレッスンさえ受ければ、美空ひばりのように歌えるようになると強く信じている。

 

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ということで、

人前で緊張する人には、

一度でいいから準備を完璧にして、

満足できる発表をすれば、

その呪縛から解き放たれるという経験をしてほしいと思います。

   

ちなみに、

これまで数え切れないくらいの講演会を経験してますけど、

忘れられないのが、この学生セミナーと、

初めての日本化学会での研究発表と、

それと、  

2001年のアメリカ化学会でのノーベルシンポジウムでの招待講演です。

1000人以上の聴衆の中で、

スティーブ・ジョブスのように堂々と(?)、

有機ELの素晴らしさを伝えられて(?)、

人々は感動し(?)、

大きな拍手をいただき(?)、

メッチャ、気持ちよかったです(ホント)。

MISIA(?)の気持ちがよくわかりました。

        

今や、

講演会は何時間でもしゃべりまくり、

好きなこと言いまくる変なおじさんになってしまいましたけど、

若い人たちには、

人の性格って、いくらでも変えられるからね、

と言いたいです。

     

    

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