9月入学に関して、
ちょっとネットで調べると、
いろいろ意見が出ています。
例えばNHK WEB NEWS
いわゆる教育評論家を名乗る人も、賛成派としてご意見を述べられています。
そのメリットとは、
国際標準に揃えるチャンス
「先進国の中では4月入学は日本だけで、諸外国では9月入学がほとんどだ。その基準にそろえると、日本の学生も海外の学校に入学しやすくなるし、国際的な競争力が落ちている日本の大学に、海外の有名大学から教授を呼びやすくなる。平時では、なかなか変えられないものをコロナ禍で改革し、チャンスに変える機会だ」
とのことです。
呆れましたね。
だいたい日本から外国に留学する学生の数が一体どれくらいなのかご存知ないのでしょうか。
以下、Forbes Japan より、
米国政府によればアメリカへの留学生数は、15年2月の時点で次の通りである。中国から33万1,371人、インドから14万6,336人、韓国から8万7,384人、そして日本からは2万6,187人である。それ以外のアジア諸国からは18万3,588人来ている。つまり、アメリカにいる日本の留学生は韓国の30%、中国の8%、アジア全体の3%でしかない。97年にはアメリカへの留学生が世界のどの国よりも日本人が多かったことを考えると、現在の若者人口の減少を考慮にいれたとしても、激減していることが分かる。
要するに、海外に留学しようとする若者は、入学時期に全く関係なく減り続けています。
これが、9月入学にすれば、留学生が増加に転ずるというのは、妄想というか、全くわかってない、というしかありません。
留学する意欲のある若者は、入学時期なんかにかかわらず、大志を抱いて渡航するのです。
海外からも、日本に来たい学生は、入学時期なんて関係なくやってくるのです。うちの研究室のように。
しかも、先の教育評論家を名乗る方は、
日本の大学に、海外の有名大学から教授を呼びやすくなる。
とも、おっしゃてます。
わかってないんですね。
海外の有名大学から有名教授を招聘するのに、入学時期はまったく関係ありません。
雇用条件であったり、研究環境であったり、
特に年金制度の違いは極めて高いハードルとなっています。
そんなことも知らずにマスコミに出て平気でこういう発言をされるとは、
呆れるばかりですね。
なぜ私のような有識者(?)にテレビ出演の話が来ないのが不思議なくらいです。
それに、
国際標準に合わせるとは、どういうことでしょう。
そもそも、
大学でもクオーター制、セメスター制、
小学校でも、中学でも、修学年数等が国によって様々です。
単に、入学時期だけ取り上げて国際標準とは意味不明です。
国際標準に合わせるなんて言い出すと、
他にもあります。
考えてください、
車の走行は日本では左側ですが、アメリカなど多くの国々では右側です。
海外でレンタカーを借りて左側を走行して冷や汗かいた人は多いと思います。
これこそ、国際標準の右側通行にすべきなのに、それを唱える人にあったことありません。
さらに、
日本など多くの国では、長さの単位としてセンチとかメートルを使ってますが、アメリカではインチです。
しかし、彼らは国際標準のセンチを使おうとはしませんね。
ドルを基準に海外との取引をしている企業は多いわけで、
それなら日本の通貨をいっそ円から国際標準のドルにしましょう、なんていうのも聞いたことないですね。
とにかく、
入学時期を国際標準の9月に合わせる、と言ってる人たちは、
信用できません。
私に言わせれば外国のこと、教育のこと知らない、西洋かぶれの
ど素人
ということです。
ちなみに私自身は、別に9月入学に反対するものではなく、
単に4月入学の問題点として、
インフルエンザが流行していて、
雪で交通機関のダイヤが乱れる、
この時期に入試を行うのは、いかがなものかと思う程度です。
他に理由はありません。
大学院では、随分前から春入学、秋入学、両方ありますしね。
まあ、安倍総理が9月入学に前向きなんで、
文科省が9月入学を検討しているとのことですが、
混乱を最も少なくするには、
早くても再来年からの実施でしょうね。
来年だと、今の受験生すなわち高校3年生や浪人生たちにあまりにも影響が大きいです。
改めて言いますが、
これだけ教育現場がコロナウイルスで混乱してる時に、
さらに混乱させるようなことはやめるべきだと思います。
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