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2018年2月 8日 (木)

有機EL照明事業

  
 
昨日の続きです。
 
 
「またVテクが有機EL照明のルミオテック(山形県米沢市)を4月に三菱重工業から譲り受けて子会社化することも発表した。」
 
との記載が日経にありました。
 
 
実は、こっちの方がインパクトが大きいと思います。
 
ルミオテックは、2008年に三菱重工業、ローム、凸版印刷、三井物産、そして城戸淳二が合弁で設立した会社です。ちょうど10年経ちますね。
 
 
資本金は準備金も含めて14億円でスタート。
 
 
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当時の三菱重工の担当役員はいまの重工の宮永社長。
 
この合弁は、私が事業プランを書き、各社の幹部と会い、説得してまとめ上げました。
有機EL業界の坂本龍馬です。
実は合弁をまとめるのに2年以上かかり、しかも最初のメンバーは異なります。
 
合弁という形にこだわったのは、サムスンやLGなどのジャイアントに国内企業が単独で戦えるはずもなく、それぞれの強みを生かして世界一の照明会社にしようという目論見です。
 
 
Photo
 
 
筆頭株主の三菱重工から社長が送り込まれ、工場は米沢市内に設置し、2011年より世界初の有機EL照明パネルの生産を開始しました。
 
ただ、製造に用いるガラス基板の大きさは30センチ角ですから、パイロットプラントのような規模です。 
ですから、当初の予定では製造技術を確立して、パネルの性能も実用化レベルに上がれば、製造ラインを大型化して、一気に製造コストを下げて市場に供給しようと考えていました。
 
しかし、
大型ラインには約50億の投資が必要で、三菱重工ではこの決断がなかなかできず、今までズルズルとパイロットプラントでの少量生産で、その結果、照明パネルの値段は高いままで、市場も大きくならず、もちろん毎年大赤字で、ジリ貧になっていました。
 
一方、
韓国のLGが遅れて有機EL照明市場に参入しましたが、今ではパネルの値段を戦略的に下げて、市場占有率を一気にあげようとしています。
 
このままでは、半導体、液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイと同じ道のりをたどるところです。
日本生まれの技術で日本の企業が負けて、韓国が勝つ。 
 
 
そんなピンチの時のVテクによる事業承継です。
Vテクでは昨日の蒸着マスク事業のみならず、各種の有機EL関連の製造装置などを開発しており、その中には真空蒸着機もあります。
 
しかし、その分野では後発なので、ルミオテックの最先端の真空蒸着技術は非常に魅力的で、この技術があればすぐに蒸着装置ビジネスができます。しかも、装置だけではなく、ルミオテックには白色有機EL素子の技術もあります。
 
今や、有機EL照明パネルは、効率も寿命も実用化レベルにあり、照明デザイナーなど関係者から値段さえ下がればぜひ使いたいと大きく期待されてます。
 
ですから、
新生ルミオテックが大型生産ラインを開発して、そこで、パネル生産を始めればパネルコストは一気に下がり、有機EL照明が普及モードに入ることになります。
 
そうすると、山形県内には有機EL照明器具メーカーが数多くあり、その売り上げが一気に伸びて圏内の経済にも大きなインパクトを与えます。
 
 
さらに、
 
 
大型白色照明パネル製造ラインは、大型有機ELディスプレイの製造ラインを同じなので、そのラインで大型有機ELディスプレイをも製造できるのです。
 
ディスプレイに必要なTFT基板をディスプレイメーカーから供給してもらえば、ディスプレイの少量生産だって可能です。
 
ただ、
ディスプレイの本格生産には3メートルx3メートルのG10という超大型ラインが必要になるのでコスト面では勝てません。
ですから、ルミオテックを照明パネルの生産ラインとしてだけではなく、最先端有機ELディスプレイの試作ラインとして活用するわけです。
 
大手ディスプレイメーカーと共同で、あるいは委託されて、最新の材料や最先端の素子構造を有するディスプレイをまずルミオテックで試作し、技術を完成したらディスプレイメーカーの工場にそのレシピを移転する。
 
特に材料メーカーである(株)フラスク が米沢にはあります。
装置と材料をセットで供給できる装置メーカーは他にはありません。
フラスク の材料も一気に市場占有率が上がります。

だから、これだけ強い装置メーカーは世界でここしかないわけですね。  
有機ELディスプレイはまだまだ進化し続けますので、その最先端をこの事業プランで常に米沢から生み出し続けるわけです。
 
 
もちろん、
G10の真空蒸着ラインはVテクで製造して、ディスプレイメーカーに販売するわけですから、ディスプレイメーカーと開発で協業して、装置販売でお客さんになってもらうわけです。
大型ラインで、ディスプレイの試作の合間に、照明用パネルを製造すると照明パネルの値段は今1/10から1/20でしょう。
 
だから、
蒸着マスクビジネスより、
ルミオテック承継、の方が。
実はニュースとしては、でかいんですよね。


もっと詳しく聞きたいマスコミの方、
いつでも取材に応じます。
 
 
 
 
 
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