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2018年1月24日 (水)

フラスクの高性能有機EL材料

 

 

少し前の記事ですけど、日経新聞に掲載されました。

 

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有機EL レアメタル使わず 山形大、効率高く長寿命 

1月15日

山形大学の城戸淳二教授と笹部久宏准教授は、希少金属(レアメタル)を使わなくても発光効率が高く長寿命の有機EL素子を開発した。緑色を出す素子では発光効率が1.5倍以上、寿命が4倍になり、レアメタルを含む実用品と同程度の性能を達成した。数年後に他の色の素子でも技術を確立し、省エネで安い有機ELディスプレーの実現に役立てる。

山形大発ベンチャーのフラスク(山形県米沢市)と共同で開発した。有機ELの発光層に九州大学の安達千波矢教授が開発した特殊な材料を活用した。水素、炭素、窒素などで構成される「熱活性化遅延蛍光(TADF)材料」で、電気をほぼ100%の効率で光に変換できる。発光層と接する層の化合物も工夫し、発光材料からエネルギーを奪いにくくした。

緑色を出す有機EL素子を試作し、性能を解析した。レアメタルを含まないと発光効率は10%程度だったが、20%以上に高まった。寿命も延びて約1万時間光った。現在の有機EL素子はレアメタルのイリジウムなどを発光層に用いており、高価なのが課題だった。

研究チームは今後、青色などを出す素子も作り性能を詳しく調べる。光の三原色(赤緑青)がそろえば、有機ELディスプレーの消費電力を3分の2にできると見込む。液晶の代わりに有機ELを搭載した高画質のテレビやスマートフォンは急速に台数が増えている。

 

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これだと、一体全体何が新たに開発されたのか、わかりませんので、フルバージョンをお読みください。

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山形大学有機材料システムフロンティアセンターの城戸淳二教授らと株式会社フラスクの菰田卓哉社長らの研究グループは、第三世代の熱活性化遅延蛍光型発光材料を用いて、高輝度・長寿命な有機エレクトロルミネッセント(EL)素子を開発することに成功した。実用的な輝度1,000 cd/m2で、輝度半減寿命が約1万時間、駆動電圧4.15V、電力効率54 lm/W、外部量子効率20%以上が得られる。新たな素子は、これまでの報告に比べ、1.5倍以上の外部量子効率を実現しつつ、寿命は4倍に達した。

 有機EL素子は、有機半導体材料の薄膜を積層した一種のLED(発光ダイオード)であるが、面状で発光し、かつ直流低電圧で高輝度が得られるなどの特徴があり、スマートフォンやタブレット等の携帯端末に用いられ、大型ディスプレイや照明用光源としても急速に普及しつつある。現在、ディスプレイにおいて、大型化やさらなる低消費電力化が望まれている。本格的な普及には大幅な低コスト化が必要とされており、白金やイリジウム等のレアメタルを用いない第三世代の熱活性化遅延蛍光発光材料の使用が望まれているが、長寿命化と省電力化の両立が課題となっていた。山形大学の城戸淳二教授率いる研究グループと株式会社フラスクの菰田卓哉社長らは、大幅な低コスト化と高効率化が見込まれる第三世代の熱活性化遅延蛍光型発光材料と新たな有機半導体材料を用いることにより、省エネルギーかつ低コストな次世代型有機EL素子の実現を目指してきた。

 

 一般に、有機EL素子はホール輸送層や発光層、電子輸送層、電子注入層などの異なる有機半導体物質を真空蒸着により積層して形成するが、第三世代の熱活性化遅延蛍光材料では、ホール輸送材料と発光材料との相互作用が、効率低下を引き起こす大きな問題となっていた。本研究において、図に示す立体的に嵩高く、発光材料との相互作用をしにくいホール輸送材料であるヘキサフェニルベンゼン誘導体を用いることにより、発光材料の消光を防ぎ、発光開始電圧2.66ボルト、実用的な輝度1,000 cd/m2では、駆動電圧4.15ボルト、外部量子効率21.6%、輝度半減寿命約1万時間が得られる緑色有機EL素子の開発に成功した。具体的な素子構造は、ガラス基板上のインジウムスズ酸化物透明電極上に、ホール注入層としてポリマーバッファー層を20 nm、ホール輸送材料としてトリフェニルアミン誘導体 (NPD) 10 nm、新たに開発したヘキサフェニルベンゼン誘導体 (4DBTHPB) 10 nm、緑色発光層を 30 nm、ホールブロック層 (DBT-TRZ) 10 nm を成膜、そして電子輸送層としてフェナントロリン誘導体 (DPB) とリチウム錯体 (Liq) の混合層を40 nm、電子注入層としてリチウム錯体(Libpp)を1 nm積層した。最後に陰極としてアルミニウムを100 nm真空蒸着した。この新たな素子は、これまでの報告に比べ、1.5倍以上の外部量子効率を実現しつつ、寿命は4倍に達した。

 今回のヘキサフェニルベンゼン誘導体 4DBTHPB は、立体的な嵩高さと高い三重項励起エネルギーを併せ持つだけではなく、電子耐性にも優れるように分子構造にジベンゾチオフェン部位をもたせている。これらにより、発光材料のポテンシャルを最大限に発揮させつつ、長寿命化が可能になったと考えられる。研究室内では、本研究の知見を活かし、新たな長寿命化材料群の開発にも目処がついたという。今後、次世代有機ELのさらなる省電力化と長寿命化に向け、材料および素子構造を開発していく。

 

 本成果は、ドイツの Wiley 社が発行する国際学術誌である Chemistry A European Journal 1129日にオンライン出版された。

 

Photo

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これでもわかりませんか?

じゃあ、もっと簡単に言いますと、

 

図の中の4DBTHPBっていう新しい有機半導体材料を開発して、TADFという発光材料を用いた有機EL素子に応用したところ、効率や素子寿命が大幅に向上した。

という内容です。

 

そして、この高性能な材料は、山形大学発のベンチャー、フラスク、から販売するということです。

ということは、

近い将来、有機ELディスプレイに搭載され、この材料が皆様のお茶の間の有機ELテレビの中に使われるかも知れないということです。

 

よくわかりましたね。

 

 

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