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2016年9月20日 (火)

日本の有機ELディスプレイ、その2

 
 
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JOLEDは2015年1月にソニーとパナソニックの両有機EL開発部門が統合され、そこに産業革新機構とJDIが出資した国策有機ELディスプレイ開発会社。
 
ソニーはこれまで世界初となる11インチの有機ELテレビを市場に投入したりして、いち早く低分子蒸着型の有機ELディスプレイの生産に着手した会社。しかし、量産ラインの投入を足踏みして、結局はテレビ用有機ELパネルの量産は断念した。
 
一方、パナソニックは、以前、東芝との合弁会社である東芝松下ディスプレイ(TMD)で、低分子蒸着型小型有機ELディスプレイを少量生産したものの、その後、TMDの有機EL部門は解散されていた。パナソニック本体では、住友化学の塗布型材料を用いて、研究開発を続けていたものの、性能面で蒸着型に劣る塗布型材料でのパネル生産には至っていなかった。
 
そのような状況下、ソニー、パナソニック両社は自前での工場建設をあきらめ、テレビ事業においてパネルは外部から調達という方針を固めたため、パネル開発の必要もなくなった。そこで、パネル開発の事業統合が、経済産業省主導ですすめられ、JOLEDの設立に至っている。
JOLEDはあくまでもパネル開発会社という位置付けで、量産となると、たぶんJDIに吸収されるのであろうと推測する。
 
JOLEDでは、当初、ソニーの蒸着か、パナソニックの塗布かで意見が分かれていたものの、パナソニックの塗布型有機ELを選択することになり、パナソニック主導で開発が進められている。
塗布技術の中でもインクジェット印刷を用いた塗り分け法を検討しており、青、緑、赤の発光層を成膜している。
 
写真は試作された54.6インチの4K有機EL。
その画質は蒸着型に引けを取らず、素晴らしいの一言。
輝度も充分高くて、実用レベルにある。
ただし、一般に寿命が塗布型は蒸着型に比べて短く、その点では実用レベルにあるとは思えない。
また、インクジェット印刷では100-200 ppi程度しか高精細化できず現状では中小型には向かない。
 
したがって、20インチ以上のサイズを狙うしかないのだが、20インチのテレビの市場は小さく、また、50インチ以上のテレビでは中小型に比べて高輝度が必要で、蒸着系で用いられている長寿命化技術であるマルチフォトン型(タンデム型)が不可欠である。しかし、それを塗布で実現するのはハードルが高く、実用化への道のりは遠い。 
 
 
もし、
私がJOLEDの社長であれば、中小型はJDI、大型はJOLEDと役割分担し、JOLED内でメインの短期的開発テーマとして蒸着型、サブの長期的テーマとして塗布型を開発する。
特に蒸着型は、長寿命化のためのマルチフォトン白色を採用し、インラインでの高速成膜等の技術を採用する。そのために、山形大学および関連装置メーカー、材料メーカーとオールジャパン体制で開発を加速する。 
ざくっと、2年で60インチクラスの製造は可能になるだろう。
 
一方、塗布型は長寿命化の目処が立つまで、材料および素子開発を進める。
また、無駄なく開発を進めるために、ここでも塗布型で世界トップクラスの技術を要する山形大学と開発を推進する。
 
でなければ、実用化の目処が立たぬまま、3年以内に資本金を食い潰すことになるだろう。
 
以上のように、
JDI、JOLED、両者とも単独で開発を進めるがあまり技術開発が遅れ、サムスン、LGに引き離されている。
何度も言うようだけど、今から山形大学や関連メーカーとオールジャパン体制で挑まなければ、さらに技術レベルの差は開いて周回遅れとなり、さらに中国勢に追いつかれて追い越されてしまい、未来はないと思う。
 
JDI、JOLED、産業革新機構の責任者の方々には、よ〜く考えていただきたい。
なにせ、国策会社なんだから。
 
 
 
 

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