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2012年12月

2012年12月28日 (金)

最も引用された特許

  
 
学術論文では引用件数が結構重要で、その分野に与えた影響を表します。
で、その知財版。 
こんなニュースがありました。 
 
 

知財ニュース

2012年に最も引用された特許は「有機EL」、どの企業の?

知財戦略の基礎は、自社の知財の把握と競合の知財のリサーチにある。パテント・リザルトは、2012年に最も引用された特許トップ100を集計、そのうち10位までを公開した。上位にはディスプレイ関係の特許が並んでいる。

 

特許分析ソフトウェア開発や特許分析情報提供を行っているパテント・リザルトは2012年12月18日、2012年に最も引用された特許のトップ10を公表した。第1位はNECの有機EL関連の特許である。

同社の順位は、特許の審査過程において、他社特許の拒絶理由通知書に引用された件数を調べた結果である。拒絶理由通知書で引用される特許は、新規性などが高いものである可能性が高い。このため、トップ10のリストは、技術開発の結果を各社が権利化する際の阻害要因となる特許だということになる。 

トップ10の内容は表1の通り。第1位~第3位と第5位はディスプレイ関係の特許である。

 

20121225_164149

どのようなディスプレイの特許なのか

第1位のNECは、公開特許公報の要約の課題に「電流制御素子の駆動回路において、駆動トランジスタのしきい値特性のばらつきの影響を解消する」とある。パテント・リザルトによれば、ソニーの出願に対する拒絶理由に多く引用されている他、富士フイルムやグローバルOLED、三洋電機などの出願にも引用されている。

第2位のジャパンディスプレイの公報は同様に「画面内に大きな輝度傾斜があるような画像に対してもダイナミックレンジを拡大することができ、高品位の画像を表示することが可能な表示装置を提供する」とある。パテント・リザルトによれば、もともと、東芝によって出願されたものであり、2012年にはシャープの特許など21件に引用された。2012年以前に引用された件数も含めると、これまでに61件の公報の拒絶に引用されており、当該分野における中心的な特許であることがうかがえるという。

第3位のジャパンディスプレイイーストとパナソニック液晶ディスプレイの公報には「画像表示装置の表示輝度範囲を理想の範囲に拡大し、かつ、画像品質も確保すること」とある。

第4位のShell Internationalの公報は、潤滑剤の粘度と組成に関するものであり、JX日鉱日石エネルギーやChevronなど19件の出願に引用されている。

第5位の城戸淳二氏、三菱重工業、ロームの公報には「高輝度発光で長寿命の有機エレクトロルミネッセンス素子を提供する」とある。

 

なお、パテント・リザルトは、今回の分析を含むランキングトップ100などを収録した「他社拒絶件数ランキング2012」を販売している。

・・・・・

ということで、我らがマルチフォトン有機EL素子の特許、どれだけ重要かわかります。特に、大型有機ELディスプレイや照明用パネルにはこの特許がとても重要。

自分で言うのもなんだけど、この発明って、有機EL分野の三大発明の一つだと思う。

 

有機EL照明パネルや大型ディスプレイを量産される企業の知財担当者の方、この特許を少しは尊敬してくださいね。

訴えちゃうよ、某国の○○さん。

 

 

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2012年12月27日 (木)

大型有機ELテレビ

 
 
日経新聞より:
 

有機ELテレビ、サムスン・LGが発売延期

部品量産に壁、採算合わず

 

【ソウル=尾島島雄】次世代テレビとして期待される「有機ELテレビ」を巡って、韓国サムスン電子は今年中としていた発売時期を2013年前半に延期する。LG電子も発売を来年に先送りした。高級テレビの需要拡大が見込みにくいうえ、製造コストが下がらず採算を確保できそうにないためだ。韓国勢が次世代のテレビ事業で技術の壁にぶつかっている。

 

サムスンは有機ELテレビを年内に発売すると明言していた(5月、ソウル市内)

有機ELテレビは表示装置として主流の液晶パネルに代わり、有機ELパネルを搭載した薄型テレビ。電圧をかけると発光するため、背面から照らすバックライトが不要で薄型にできる。薄型テレビ世界首位のサムスンは1月に米ラスベガスで開かれた家電見本市に55型の有機ELテレビを展示し、年内に市場投入すると表明していた。

だが、実際の製造現場では基幹部品である有機ELパネルで「(良品率を示す)歩留まりが上がらない」(関係者)状況だ。現状のまま発売すれば売れば売るほど赤字になる。技術力でイメージを向上させるメリットはあるが、それだけでは大幅な採算悪化を穴埋めしきれず、発売を延期せざるを得なくなった。

リビング用の大型の有機ELテレビは、日本や中国のメーカーも販売していない。サムスンには低消費電力で高画質というイメージが強い有機ELテレビを早期に投入して、高収益につなげる狙いがあった。だが液晶テレビの高画質化も進み、有機ELテレビの優位性は想定より薄れている。サムスン社内では、新たな発売時期について「早ければ来年1~3月期」という声が出ている。

サムスンと同様に55型品を公表済みのLGも年内としていた発売時期を年明けに見送った。サムスンが赤緑青の三原色をガラス基板上に形成する手法で苦戦しているのに対して、LGはコストが安い別の方式を採用。試作段階ではサムスンに比べて不良品の比率が低いが、採算ラインには届いていないもようだ。

両社が苦戦する間、薄型テレビは新興国での普及の一巡と世界景気の減速により市場が頭打ちになっている。米NPDディスプレイサーチによると、12年の液晶テレビの市場規模は約1004億ドル(約8兆5500億円)と、11年より縮小する見込みだ。

日本勢では、ソニーとパナソニックが共同でテレビ用有機ELパネルを低コストで量産する技術を来年中に確立する方針だ。日本メーカーはサムスンやLGの製品化の時期を見極めたうえで、新市場が拡大する時期にあわせて大型画面の新製品を投入するとみられる。

 


まあ、想定内ですね。

サムスンに関しては、大型有機ELパネルの量産技術さえ整ってません。

LGにしてもIGZOのTFT基板技術が量産レベルにあるのかどうか、ちょっぴり疑わしいところ。

有機ELテレビは、有機ELの成膜だけじゃなく、TFT基板が極めて重要で、IGZOの歩留まりが低くて、まだ十分な台数が確保できてないんでしょう。

サムスンと違い、LGのホームページには型番まで明記してあって、本気なのにね。

 

Lg

 

ということで、

予想では、LGが先に売り出して、それを追っかけてサムスンでしょうか。

LGは春ころで、サムスンが早くても年末か。

ソニーがその隙を狙って世界初の称号を勝ち取るかも。

 

来年は大型有機ELテレビの元年になるでしょう。

おもしろくなります。

 

 

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2012年12月26日 (水)

忘年会

 
 
昼間、大掃除。
夜、忘年会。
きょうの城戸研究室でした。
 
場所は、恒例となった「なみかた金池店」。
個人的には本店なんだけど、この人数、ここしか収容できません。
 
 
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で、いただいたのは、義経焼き。
別名、ジンギスカン。
これくらいを一人でいただきます。
 
 
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寒い夜には、いいね。
 
 
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すけべえ、1号、2号です。
 
 
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スマホをチェックしたら、このありさまでした。
 
 
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チョンです。就活のためこぎれいにしました。
 
 
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ハッピー、ハッピーなKM社から来たOさん。
前の会社ではこの笑顔はなかったと思います。
 
 
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こんな感じで、雪の米沢の夜は更けたのでした。
 
 
 
 
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2012年12月25日 (火)

サイエンスキャンプ

 
 
ACOEでアジアのトップ科学者が集まった米沢。
一日置いて、日本のトップ高校生が集まった。
JSTのウインターサイエンスキャンプです。
 
23日の夕方集合、
みんな、一生懸命、楽しく、うれしそうにAlqを合成したり、蒸着機で素子を作ったりした二日間。
 
 
最後にサンタからの贈り物。
学生が夜なべして作った封止した有機EL素子と電池パック。
もちろん非売品、世界中でこんなの持ってる高校生、滅多にいないからね。
 
 
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遠くは山口県から来てくれました。
 
 
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サンタ登場。
ちょっと貧弱ですけど。
 
 
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緑の素子をプレゼント。
高校生もご満悦。
 
 
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最後に記念写真。
 
みんな科学者になって、世界がアッというような発明をしてくださいね。
それが城戸の願いです。
 
 
 
 
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2012年12月23日 (日)

ACOE飲食風景

 
 
ということで、無事に終わったACOE。
初日の19日は、東京第一ホテル米沢で夕方からのレセプション。
 
 
Acoe
 
 
会議参加者全員が来られた訳じゃないけど、多くの人達が登録を済ませた後にビールやワインをいただきながらの歓談。
まあ、みんな久しぶりに会ったり、初めて会ったりするので、なつかしいやらうれしいやら。
 
特に、有機ELの父と呼ばれる元イーストマン・コダック社で今はロチェスター大学のTang教授と初めて出会ったうちの学生は感動。
 
 
Acoe_2
 
 
会議が始まった二日目の夜は、これまた東京第一ホテル米沢でのバンケット。
写真はオーガナイジングコミッティ+お客様のテーブル。 
来年の開催地が韓国の「Pohang」に決まりました。 
会期は11月13〜15日です。
 
 
Acoe_3
 
 
で、3日目の夜は、招待講演者を囲んでの夕食会。
米沢と言えば米沢牛でしょ、
ということで、おなじみの「吉亭」へ。
米沢自慢の柔らかいお肉に舌鼓をうった。
 
 
Tang教授、3日間のフル参加、有り難うございました。
 
 
 
 
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2012年12月22日 (土)

ACOE

 
 
山大工学部で開催された今年最大のイベント、ACOE(アジア有機エレクトロニクス国際会議)が無事終わりました。
 
 
Photo  
 
 
韓国、台湾、香港のリーダー的研究者が若手を引き連れて来日。
合計、180名を越える参加者と盛況でした。
 
今回、基調講演をしていただいたロチェスター大学のTang教授が一言、
 
アジアの有機エレクトロニクス研究がこんなに進んでいるとは思わなかった。
いい勉強になった。
 
と。
 
そうなんです。
今や、有機エレクトロニクスの分野では、基礎研究から応用、実用化まで、アジアが一番進んでます。
 
そんな最先端の発表が揃った今回の会議、うちの学生にもいい刺激になったと思う。
 
 
運営に関わっていただいた関係者の皆様、
お疲れさまでした、
そして、
有り難うございました。
 
 
 
 
 
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2012年12月19日 (水)

選挙

 
 
大勝でした、
楽勝でした、
完勝でした、
 
まあ、とにかく圧倒してましたね、
今回の選挙。
 
 
なにせ、候補は一人だけ、
対立候補がいないんだから、
勝つのは当たりまえ。
 
 
そうです、
この度、
うちのバカ娘、
 
中学の生徒会副会長に立候補して、
当選しました。
米沢二中の生徒会副会長です。
 
 
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それにしても、この親にしてこの子ありというのは嘘っぱちで、
この私も、嫁ハンも、中学の頃なんて生徒会とは縁遠い存在だったからねえ。
 
しかしまあ、子供っていつの間にか育つもんなんだなあ。
 
 
 
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2012年12月 7日 (金)

有機エレクトロニクス会議のお知らせ

 
   
確保しているホテルの部屋数も少なくなってきました。
申し込みは今すぐ!
 
 
Acoe
 
 
来る12月19日から21日まで、
山形大学工学部にて、
アジア地域連携有機エレクトロニクス国際会議を開催します。
 
主に日本、韓国、台湾の若手研究者を中心に、最先端の材料、デバイスなど有機エレクトロニクス分野の最新情報を交換、議論します。
 
この会議、
実は3年前に九州で開催し、ソウル、そして昨年は台北に集まりました。
4年前のこと、ドイツのドレスデンでの会議でのこと、
九大の安達先生と管理人、あまりおいしくないスパニッシュ料理をつまみながら話しました。
ヨーロッパは一つ、アメリカは世界の中心、アジアでまとまる会議があってもいいんじゃないのということで始めました。
 
特に有機EL、
研究、開発、生産、すべてアジアが中心、
今更、アメリカやヨーロッパに集まる必要もなし、
我々がこの分野を牽引しているし、情報の中心でもある。
 
ということで、有機EL、有機太陽電池、有機トランジスタなど、
世界の最先端を少人数で語ろうよということで、
できるだけ、こじんまりと、交流を深めやすい規模で開きます。
 
 
学生さん、若手研究者、3年に一度日本で開くこの会議、
ぜひ御参加ください。
詳しくは、ホームページを↓
         A-COE 2012
 
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