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2008年3月16日 (日)

リサーチプロフェッサー

  
 
先日、3月13日の慶応大学での研究会の際に、参加者の一人で、山形大学卒業のコニカミノルタ久保伸夫氏から、管理人が紹介されていると当日の朝日新聞をいただいた。
顔写真入りでリサーチプロフェッサーとして紹介されていたのだ。
 
 
(写真)上の写真が管理人、下はカリフォルニア大の中村修二教授。
 中村教授は、東北大は「みみっちい」とおっしゃる。同感。
Photo
 
 
山形大学工学部が実施しているこの制度はあまり知られていなくて、本省から事務に問い合わせがあったくらいなので、ここで簡単に説明すると、大学に研究費から800万円納めてリサーチプロフェッサーの称号を得ると、学部および学科の運営業務および授業の分担が免除されるのだ。
 
 
一般の人達はご存知ないと思うけど、大学というのは基本的には教員が運営していて、教授会で何でも最終決定する。
だから、入試や講義関係、学生へのサービス、図書館、要するに大学運営に関するほとんどすべてを教員が委員会を組織して運営しているのである。
 
たとえば、不運にも入試委員に当たったりすると、入試問題を極秘任務で作成したりして、入試でミスがあってはならないので約1年間はブルーな日々を送らなければならない。入試委員長なんて、寿命が3年は縮まる。
 
大学では会議も多くて、教授会以外にも学科会議や専攻会議なんかにも出席しなければならない。
さらに追い討ちをかけるのが、授業であり、週に3コマも受け持つと、授業時間だけじゃなく、準備にそれ以上の時間をとられるし、出張もママならなくなるのである。
 
そこで、山形大学工学部では、これら一切の運営に関する業務と授業を免除して、研究活動に専念できる環境を提供するということで、約3年前にリサーチプロフェッサー制度を導入したのだ。
 
 
 
当然だけど、研究活動が活発になればなるほど、企業との共同研究が増えるし、さらに国プロジェクトや地域プロジェクトを抱えると、研究やプロジェクト運営にかかる時間が一気に増える。
さらに、学外の学会活動、研究会活動とか、最近では広報活動の一環としての高校や中学での講演会とか、売れっ子になればなるほど仕事は指数関数的に増える。
  
 
要するに、特定の教員に仕事が集中するのだ。
 
 
そこで、研究で頑張っている教員の学内での業務をできるだけ軽減しようというのがリサーチプロフェッサー制度である。
この際、単純に特定の教員の学内業務を軽減すると、他の教授からやっかみやら嫉みを買うので、金銭的に補償させるという意味で800万を上納するのだ。このお金で、学部や学科は非常勤講師を雇ったり、共通の備品を購入する。
 
 
これもまた一般の人はご存知ないかも知れないけど、外部から共同研究費などの資金を調達すると、自動的に大学側が管理費として15%程度ピンハネする。この割合は大学によって違うけどネ。
だから、年間数千万円の研究費を持ってくると数百万も大学に持っていかれる。
だから、それが800万円に達すれば、リサーチプロフェッサーの権利が生ずることになる。800万円に達っさない場合は、研究費から不足分を研究費から支払う。
 
通常、平均的は大学教授の年間の研究費の総額が数百万、多くて1千万程度だから、リサーチプロフェッサーの称号を得るには、かなりハードルが高いことがわかる。
 
 
だから、工学部でも管理人たった一人である。
 
 
東北大の毎月10万円の月給上乗せインセンティブが、みみっちいと笑いものになってるけど、うちの制度は教員から研究費をピンハネできるばかりじゃなく、教員自身も自由に研究活動できるので大学側としては一石二鳥。
 
 
 
欲を言えば、余計なピンハネなどせず、研究スペースも研究費や学生数に応じて配分してくれれば、有り難いんだけどね。
 
 
 
朝日新聞の記者さんには、研究者が大学を移る条件としていろいろお話ししたんだけど、研究熱心な教員にとっては、お金よりも研究環境だろうから、管理人も約500万でレンタル使用している1000平米を超える研究スペース(光熱水費がさらに500万ほどかかる)とリサーチプロフェッサーの称号を「無償」で提供してくれる大学があれば、心が動くかも知れない。
 
 
 
決して、大学の名前や給料じゃないのですよ。
少なくとも私の場合はネ。
 
 
 
 
 
 
  
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