ソニーの有機ELテレビ騒ぎも一段落して、つかの間の休息をとっているかのような有機EL業界。
最近の新聞発表をちょっとご紹介。
その1 1月24日の日経新聞から
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白色有機ELを増産〜東北デバイス
青森県六ケ所村に工場のある有機EL専業メーカーの東北デバイス(相間平和社長)は、4月に従来より薄いパネルの製造にも対応できるラインを増設する。また、2010年を目処に新工場の建設も検討する。
現在は、1ラインで、2インチパネル換算で月に15万枚の生産能力を持つ。新設ラインでは、月100万枚の能力を持たせる。投資額は20億前後。
現行のラインでは、厚さ1.13ミリのパネルを製造できるのに対し、新ラインでは1ミリ以下まで対応できるようにする。
「薄いパネルは使用材料が少ないため生産コストの削減が期待できる。」
とか。
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ぶっちゃけコメント:
まず、薄いパネルは、ガラス基板が薄いだけで、有機EL材料が薄い訳じゃないので、生産コストが削減できる、というのは間違いです。
誰ですか?
記者さんですか?
あと、気になるのは、携帯の液晶バックライト用に白色有機ELを製造されてると言うことだけど、現在、導光板を使ったLEDのバックライトが主流で、消費電力も低く、値段も安い。
したがって、携帯バックライト用の有機ELパネルの値段も1枚あたり100円前後で出荷する必要があって、現状のラインではとてもこの値段では出せない。
だから、あまり無理をすると、台湾メーカーのようになりかねないので気をつけて。
台湾に3〜4社あった有機EL専業メーカーが、シェアを上げるために利益のでないまま量産しつづけて倒産しかかったのはつい最近のことだ。
革新的な量産方法を使用しなければ、携帯バックライトで利益を出すのは難しい。
がんばれ、ピンフ社長!
その2 1月30日の日経産業新聞から
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携帯向け 2400万枚規模へ〜TDK、08年度倍増めざす
携帯電話の背面のサブディスプレイを量産しているが、メインディスプレイ用のパネルも量産を始める。08年度の出荷枚数を今年度の倍として推定2400万枚規模に引き上げる。
メインディスプレイ用は、3.2インチで、現在サムスンSDIなどがTFT基板を用いたアクティブ型で量産しているが、TDKはより構造がシンプルなパッシブ型を量産する。
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ぶっちゃけコメント:
TDKはご存知のように、東北パイオニアの次に量産を開始した老舗メーカー。
素子構造も洗練され、寿命が極めて長いのが特徴だ。
これまで、生産枚数で東北パイオニアに負けていたが、技術面で劣る訳じゃない。
たぶん、トップがなかなか決断しなかったに違いない。
今回の出荷枚数倍増計画で、その存在感が増す。
特に、メインディスプレイはTFT勢にとっては目障りな存在だろう。
がんばれ白井!
ということで、
嵐の前の静けさ、軽いジャブ程度のニュースでした。
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