液晶時代の終わりの始まり
行ってきました、CEATEC。
この目で見ました、
ソニーの有機ELテレビ。
液晶と比べてどうの、プラズマと比べてどうの、と言うより
「次元」が違いましたね。
こんなに美しく、こんなに自然で、こんなに臨場感のあるディスプレイはこれまで存在しませんでした。
3ミリの薄さより、その画質の高さに注目してください。
(写真)11インチの製品、肉がメチャうまそう。
(写真)27インチの試作品
もちろんシャープの片山社長ご自慢の亀山の液晶も見ました。
松下が社運を賭けるプラズマも見ました。
おもちゃですね。
今回のCEATECはそういう意味で、各社の展望がはっきり見えました。
シャープはとにかく、「日本の液晶」ということで、サムスンと協業するソニーとブランド面での差別化を図る。
画質面でも、薄型化でも確かに向上している。
しかし、生まれつきすべてが究極の有機ELにはかなわない。
(写真)ずらりと並んだアクオス
対するソニーは、トリニトロンで培った絵作りのうまさでサムスンのパネルでシャープに対抗する。
そして、「技術のソニー復活」を印象づけるために有機ELテレビも売り出す。
一方、プラズマの松下は、技術的に見せるところがなく、単に大きさとパネルの枚数で圧倒する作戦。
ハイビジョンを声高に歌うが、すでに液晶では当たり前の技術。
大きさで液晶に負け、画質でも追いつかれ、今年がプラズマのピークであり、これから転落する気配がヒシヒシと感じられた。
ブースが中途半端に暗いし。
(写真)松下のプラズマ、これじゃヤマダ電機と変わらない
他のテレビメーカーでは、東芝が有機ELを参考出品するにとどまった。
社長が09年に有機ELテレビを商品化するといった割には、気合いがはいっていない。
まあ、ここはキャノンとSED事業で協業すると、ぶち上げたのに今はその影も形もないし。
社長の発言は、あまりあてにならないな。
(写真)参考出品のミュージックプレイヤー
日立に至っては、完全に有機ELが消えた。消滅だ。
また、プラズマも液晶も、技術的にも見るところがない。
事業としても中途半端。
「次世代薄型テレビ」と銘打って、わざわざ囲ったブースで展示したのは、単なる「薄型液晶」。薄いといっても単位が「センチメートル」のブ厚いもの。
こんなの、シャープがLEDバックライトを使って、すでに発表したじゃないか。
これが、日立の「次世代薄型テレビ」なのか…。
(写真)待たせたあげく、あれはないやろ。
一方、パイオニアのブースでは、プラズマを上手に展示していた。
「KURO」ブランドのプラズマは、きょう見た松下、日立、パイオニアの三社の中では画質がもっともよかったと思う。
とにかく、ここはハイエンドでニッチのトップを狙うしかないでしょう。
(写真)パイオニアは結構頑張ってます。
有機EL関係では、au by KDDIで、INFOBAR 2を見た。
アクティブ型有機EL搭載だ。たぶんサムスンSDI製か。
ディスプレイ評論家のジョージ鈴木氏も絶賛。
これはええで。
有機ELディスプレイの画質の高さもあるけど、そのデザイン、軽さ、いままで見た、使った携帯の中では最高に気に入った。
買うで!
(写真)キレイでかっこいい携帯電話です。
TDKでは新聞発表されたパッシブ型のディスプレイを見た。
見た目では、先のアクティブ型に比べると若干見劣りするものの、価格が安ければ、大ヒットする可能性がある。
頑張って欲しい。
(写真)次はモックアップくらい作ってくださいね。
京セラがとうとう有機ELを展示した。
ここは、アクティブ型は他社が低温ポリTFT用いるのに対して、Vthのシフトを補償する回路を使ったa-SiのTFTを使って製品化しようとしている会社だ。
完成度は高いが、反射防止フィルターを用いないため、コントラスト比が低く、画質も他社のディスプレーに若干劣る。
ここは、たぶん、将来も小型中心ですね。
(写真)早く京セラ製の携帯電話に搭載しましょう。ちょっと、遅れてますね。
有機ELの光源としての応用を検討しているのはローム。
ここは、パッシブ型の小型ディスプレイを生産しているが、今回はディスプレイの展示なし。
白色有機ELパネルを展示した。バックライトや照明用途への展開を計画中とか。
プロの目から見ると、まだまだ甘いところが見受けられるが、ロームのポテンシャルからすると、短期間でトップクラスに仲間入りすることは可能だろう。
(写真)有機照明仲間です。
最後に、山形県の有機エレクトロニクス研究所。
最高クラスの有機EL照明を展示。
世界一ですからね。
(写真)明るさは、蛍光灯と同じ。効率は、現状では電球以上、蛍光灯以下。
以上、ディスプレイ各社の実力、ビジョン、ポテンシャルがハッキリくっきり見えた今年のCEATECだった。
今後、数年かけて徐々に有機ELが増え、10年後の2017年には、ここで展示されるテレビのほとんどは有機ELになるでしょう。
液晶の時代の「終わり」が始まり、有機ELの時代が始まった。
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