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2007年9月16日 (日)

現場起点の行政改革

9月13日付の日経産業新聞に「世界トップレベル研究拠点、東北大など選定」の記事が掲載されてました。

(写真)日経産業新聞9月13日
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プログラムの概要は文科省のホームページに掲載されてます。

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我が国の科学技術水準を向上させ、将来の発展の原動力であるイノベーションを連続的に起こしていくためには、その出発点である我が国の基礎研究機能を格段に高め、国際競争力を強化していく必要があります。そのためには、世界トップレベルの研究拠点を、従来の発想にとらわれることなく構築し、世界の頭脳が集い、優れた研究成果を生み出すとともに、優秀な人材を育む「場」を我が国に作っていくことが必要です。
 このため文部科学省では、平成19年度より世界トップレベル国際研究拠点形成促進プログラム(以下、「世界トップレベル研究拠点プログラム」という。)を開始し、高いレベルの研究者を中核とした世界トップレベルの研究拠点形成を目指す構想に対して集中的な支援を行い、システム改革の導入等の自主的な取組を促すことにより、第一線の研究者が是非そこで研究したいと世界から多数集まってくるような、優れた研究環境と極めて高い研究水準を誇る「目に見える研究拠点」の形成を目指すこととしています。
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公募の結果、東北大、東京大、京都大、大阪大、物質・材料研究機構の5拠点を選んだ。一拠点あたり最大20億円の資金を10年にわたり支援するらしい。
だから、マックスで1000億円もの大金が費やされるのだ。
1000億ですよ。
  
ふ〜(ため息)。

具体的には、優秀な研究者を集めるために必要な施設の整備、人件費にあてるらしくて、
・ 外国人研究員を含む研究員の集積
・ 国外から研究者を招聘する時の家族の生活をサポート
・ 英語を話す事務員を確保
・その他もろもろ
だそうです。

たった、これだけのことに1000億か。

はっきり申し上げますと、お上のなさることは私のような文部科学省でも最末端で、トカゲのしっぽどころか、トカゲのフンのようなものにはこの事業が理解できませんな。
一言で言うと、意味不明無駄遣い事業。

最大1000億もの予算をこのような拠点整備に使い、どういう成果が期待できるんでしょうか。しかも、継続性がないので、この事業が終われば拠点は必要ないということなのでしょうか。

典型的な思いつき事業やな。

一般の方々には知られてませんが、数年前に国立大学は独立行政法人化され、しかも運営交付金を毎年1%づつ減らされてます。
だから、原資はここです。

ちなみに、1%交付金を減らされると言うことは、一見たいしたことないように思えますが、100億円もらってる大学は、毎年1億円を捻出する必要があるのです。
たとえば、山形大学では、まず研究室に割り当てる校費を減らしましたね。激減ですよ(怒り)!
次の年は、授業料を値上げしました(学生さんゴメンね)。
このような倹約が毎年続きます。
いづれ、教職員の人数を減らすことになりますな。

文科省は、これまでも、研究で各分野トップ30を選び、億単位で予算を付けるCOE(Center Of Excellence)事業を行って、旧帝国大学中心に予算を再配分してます。

ここでも旧帝大。

これは、どのような結果を導くと思いますか?

いずれ、地方大学は徐々に規模を縮小し、なかにはキャンパスを統合したり、学部を統合し、教員や事務員の数を減らすでしょう。
なかには、消滅するキャンパスや大学も出てくるでしょう。

適者生存ってヤツですか。

極端な話、ここ米沢から山形大学工学部が無くなるとすると、学生プラス教職員およびその家族あわせて5000人以上が消えます。これだけでも大打撃。
それに、工学部で行っている教育・研究活動もなくなる。
産学連携どころか、研究で消費する物品の量が半端じゃないんで、その打撃も地元企業にとっては大きい。

ただでさえ、若者の人口が減り、不活性化が進んでいるのに、そのうえ山形大学工学部がなくなれば、間違いなく、

米沢は「夕張」のようになりますな。

ですから、文部科学省の最近の事業は、都市部に人口を集中し、都市部と地方のあいだで、教育格差を拡大し、貧富の差を拡大し、とにかく、見事なくらい地域間の格差を拡大するものばかり。

ご存知のように、政府および経済産業省は地域格差の是正のため、地域産業の振興を図る事業を推進したり、教育再生会議などで教育格差を無くすべく議論を重ねている。

文部科学省よ、いったい全体どこに向かうのか?

誰も止めないのか?

要するに、すべての事業において、現場の意向も聞かず、担当課長や課長補佐が思いつきで始める事業を現場に一方的に押しつけるもんだから、現場は大混乱。
ゆとり教育で始まった「総合学習」の事業なんて、まともに活用できてる小学校などありませんよ。

現場無視の改革など、予算が無駄になるだけじゃなく、現場が混乱する。
そして、国の基盤となる人材の育成に大きな支障が出て、国家の存亡にもかかわってくる。

ぜひとも、財務省の文部科学省担当主計官殿には、もっともっと鋭い目を光らせていただきたいと思うわけでございます。

次の内閣には、ぜひとも現場の声を聞き、現場が必要とする事業を行うような

「現場起点の行政改革」

を強く望みたいものです。


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